[官能小説レビュー]

略奪愛で「医師の妻」の座を得ても満たされない――『女の子は、明日も。』が描く女の本性

onnanokohaasumo
『女の子は、明日も。』(幻冬舎)

 女に嫌われる女は、男に好かれるものである。彼女たちには独特のオーラがある。外見に限らず男を引き付ける魅力と「すぐにやれそう」な、ふわふわとした雰囲気を持っている。

 今回ご紹介する『女の子は、明日も。』(幻冬舎)は、4人の元同級生のアラフォー女性4人が登場する物語だ。

 中でも、専業主婦である満里子が主人公の話は非常に興味深かった。満里子は一回り年上の眼科医と結婚している。短大を卒業して、契約社員として職を転々としていた彼女が受付として派遣されたのが、夫の職場である診療所であった。

 当時、夫は既婚者で、満里子と面談したのは、夫と同じ医師である妻だ。髪を結い上げ、きちんとした印象の妻は、てきぱきと面談をし、満里子が採用された後も、てきぱきと職場に指示を与える人物だった。

 ある日満里子は、後に夫となる医師から食事に誘われる。数回夕食を共にしてからベッドへ誘われ、男女の関係となった。短大の奨学金を返済するためにホステスのアルバイトをしていることを打ち明けると、彼は金の代わりに高価なバッグなどを頻繁にプレゼントしてくれるようになる。不倫関係を続けていたある日、満里子は彼の妻に呼び出され、彼の離婚と仕事のクビを言い渡された。その後、満里子は彼と結婚をし、妻の座を奪うことになる。

 夫が働く職場の同僚数人を呼び集めたホームパーティで、満里子は田村という青年と出会う。彼は医療事務の資格を持っていないために、診療所での事務の仕事をその週でクビになってしまったという。しかし、田村は別の顔を持っていた。夜はアコースティックギター1本で弾き語りをしているのだ。

 友人と共に田村のライブを見に行った満里子は感動して、つい酒が進んでしまう。友人と別れてひとり歩く満里子は、偶然田村と出会い、彼と寝てしまう。不倫の末の略奪婚、そして再び年下の田村と不倫をする満里子に待ち受ける運命とは――。

 「医者の妻」という座を得たことにより、ダブルワークをして奨学金を払うという金銭的に苦しい生活から解放され、裕福になった。それなのに満里子は「淋しい、不安だ」とのたまう。

 女友達の間で、このようなことを言っては総スカンを食らいそうな贅沢な不満を持つ満里子は、決して自分の意思を強く言葉にしない。ただ流されるままに男に誘われ、必要とされればすぐに股を開く。男を引き付ける匂いをぷんぷんと放ち、男が寄ってくるのを待っているのだ。

 この物語に出てくる4人の女たちは、誰もがそれぞれの悩みを持ち、表面上では女友達同士で楽しく食事と会話をしながらも、腹の中にくすぶる黒い気持ちを持ち合わせている。だから女は面白く、いやらしい。この物語は、私たちに女だからこそ共感できるいやらしさを表現している。
(いしいのりえ)

なぜか斉藤由貴を思い出してしまう

しぃちゃん

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