犬山紙子×ハヤカワ五味対談

結婚は夢物語!? 出産で友達は離れる? 犬山紙子×ハヤカワ五味が語る、女のリアル

2017/08/05 15:00
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ハヤカワ五味氏

 「子どもは欲しいですか?」現代において、これほど女子同士で聞きにくい質問はないのではないだろうか。

 『私、子ども欲しいかもしれない。結婚・出産・育児の“どうしよう”をとことん考えてみました』(平凡社)は、「子どもが欲しい!!」と強く思った瞬間が一度もなかった犬山紙子氏が、自分は子どもを産みたいのかわからず、子どものいない独身・既婚の友人、出産して仕事復帰している友人、子どもを持たない先輩、子育て中の同性愛者など、さまざまな人に、子どもについての考えを聞いて、聞いて、聞きまくってまとめた1冊だ。 

 当たり前だが、人生いろいろ。最終的に産む決断をする人もいれば、産まない選択をする人もいる。そのリアルな本音が詰まっていることに、「まさにこれが知りたかった」と、Twitter上で反応したのが21歳のハヤカワ五味氏。現役大学生であり、胸が小さな人向けの品乳ブラ「feast」などのブランドをもつ会社「ウツワ」代表兼デザイナーだ。Twitterでのやりとりをきっかけに、都内で2人によるメディア向けの公開対談が行われた。いまの20代は結婚・出産をどう考えているのか? 女の友情は結婚・出産で変わるのか? この日語られた内容をレポートする。

■結婚、出産はネガティブなイメージ

 対談は、犬山氏による「20代前半の人たちは、結婚や出産について、どう思っている?」という質問からスタート。それに対してハヤカワ氏は次のように答えた。

「どちらかといえばネガティブなイメージを持っているな、というのは体感としてあります。単純に、自分が食べていくだけで精いっぱいなのに、子どもまで養えるだろうか? という不安。あとは、仕事と両立できるんだろうか? と考えてしまいます。結婚したいなと思ってたとしても、女子からだと話題に出しづらい面もあり、なかなか考えづらく、少し遠くの夢物語的に見てしまう雰囲気がありますね」

 ほとんど30代と変わらぬ不安を、すでに20代が抱いていることに驚かされるが、それに対し、犬山氏が「結婚への不安は、何によってかき立てられているんですか?」と質問すると、ハヤカワ氏からはこんな回答が。

「私たちの世代は親が共働きの場合も多いため、お母さんがすごく働いている家の子は、『私も将来働こう』と思っている子が多い傾向がある気がします。一方で、親とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、仕事でなかなかかまってもらえなかったりで、これと同じことを自分の子どもにしてもいいのか、と思っている人は多いですね」

 共働きがスタンダードでありながら、共働きに疑問も抱いている。専業主婦の母親が多かった30代、40代とは、まったく状況が違い、時代の流れを感じる。ハヤカワ氏の世代は、母親が働くことに関しては、多くの人がポジティブに捉えつつも、寂しかったという自身の経験から不安も感じているようだ。働く女性に対しては、こんな印象も。

「30代後半から40代の世代は、女性の社会進出が叫ばれていた当時、すごく頑張ってくださって、いま私たちが当たり前のように働けるようになった。それは本当にありがたいと思っています。ただ、あくまでイメージですが、いわゆるキャリアウーマンは、すごくすごく大変で、寝ずに仕事ひと筋で頑張ってきた、という印象が強すぎるんですよね。自分がそれになりたいのかな? 憧れるかな? と、ちょっとひっかかる部分はあると思います」

 ハヤカワさんによると、仕事とプライベートの両方を取るのは贅沢と捉える風潮もあるらしく、大学生世代はガンガン仕事をしたい派と、仕事をしたくない専業主婦になりたい派とに大きく二極化しているようだ。けれど、実際に結婚・出産を体験した犬山氏はこう語る。

「夫との関係性や、周りがどれだけ助けてくれるか、という環境によると思うんですけれども、結婚相手を選ぶ段階から、夫がどの程度ジェンダーとか関係なく、役割分担について考えられるのかを見ていれば、案外両立できると思う」

 ハヤカワ氏が感じているという“出産=時間のロス”で、仕事復帰しづらい問題についても、「ネットのネガティヴな情報がそのまま自分にも当てはまるのかと思ってしまって、仕事復帰できるかビビッていたが、『意外とできるじゃん』と思った」と話す。

私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました
フリーランスだから、っていう下駄は履いてるけどね!
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