『ヲタ夫婦』座談会[後編]

「オタ仲間の義理と人情」「接触はジャニオタのウチワと同じ」ドルオタ夫婦2組の異色対談

2017/08/06 19:00

 『ヲタ夫婦: アイドルヲタクな2人はこうして結婚できました。』(出版ワークス)の作者・藍さん&“ヲタ夫”さん夫妻と、サイゾーウーマンの名物連載「ジャニーズツッコミ道場」を担当する太田サトルさん&田幸和歌子さん夫妻。2組ともジャンルは違えと、アイドルオタのご夫婦だ。前編に続き、後編は女性アイドルとジャニーズのサービスの違いや、今後のアイドル業界への思いを語ってもらった。

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『ヲタ夫婦: アイドルヲタクな2人はこうして結婚できました。』(出版ワークス)

【座談会出席者】
◎藍さん……マンガ家。『ヲタ夫婦』『ミリオンドール』(アース・スターエンターテイメント、既刊2巻)等、アイドルやオタクをテーマにした漫画を執筆している。不定期でアイドルに関するトークイベントも主宰。イチ推しアイドルは小林晏夕(東京パフォーマンスドール、以下TPD)。90年代女性声優から入り、高橋愛(元モーニング娘。)や松浦亜弥ほかハロプロ系、AKB48を経て、現在はライブアイドル(地下アイドル)までを幅広く愛する。

◎ヲタ夫さん……35歳の会社員。UNDER17・桃井はるこや田村ゆかり、新谷良子など声優を経て、長野県のご当地アイドル・オトメコーポレーション、BiS、そして現在は元BiSのヒラノノゾミが所属するBILLIE IDLE(R)に夢中。

◎太田サトルさん……ライター。「週刊朝日」(朝日新聞出版)「AERAdot.」「エキサイトニュース」などでエンタメ系のコラムやニュース、インタビューなどを執筆。ジャニーズ事情に詳しくJr.の若手ユニットまでをウォッチ。

◎田幸和歌子さん……ライター。著書に『KinKi Kids おわりなき道』(アールズ出版)『Hey! Say! JUMP 9つのトビラが開くとき』(同)『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など。ジャニヲタ歴が長く、太田さんと同じくベテランからJr.のユニットまでを愛する

 接触イベントはジャニヲタの「バーンして」と同じ

――同じアイドルでもジャニーズと女性アイドルでは、かなり違うところがあると思うんですが、お互いの現場をどう捉えていますか?

田幸 うちは最近、ハロプロの現場にも行き始めたんですよ。でも、そのクラスの大手事務所の子たちでさえ、テレビではほとんど活動を見られないじゃないですか。女性アイドルはグループが多すぎるから大変だなって。これから来るなっていう、新しいライブアイドルの子なんかは、どうやって見つけてくるんですか?

藍 Twitterの口コミがほとんどですね。今はライブフェスもたくさんあるし、あとはロックフェスにもアイドルが出るようになったので、そういうところから流れてくる人が増えた気もします。あとはAKB系列やハロプロとか、大手から流れてきてライブアイドルに来る人が主流です。

ヲタ夫 僕はライブアイドルにハマって現場に通い始めた友達と一緒に行くようになって、ライブアイドルの対バンイベントでBiSを見て、そこからですね。

田幸 ジャニーズの場合は、同じグループ内のほかのメンバーや、もっと若いグループや身近なグループに降りる「担降り」っていうのがよくあるんです。女性アイドルで、そういう現象はないですか?

ヲタ夫 担降りって言葉は聞いたことはあるんですけど……推し変に近いんですかね? 

太田 そうかもしれない。グループを変えるんじゃなくても、握手会とかの接触である程度顔見知りになったり名前を覚えてもらったりするようになったことで、グループ内で推しメンを変えたりしないですか?

ヲタ夫 たまにいますけど、そのコミュニティでは忌み嫌われますよね。

藍 “接触で対応がいい”という理由でチェンジしちゃう人は結構いるんですよ。アイドルといえばこの事務所、という1社だけの世界だったのがだんだん崩れてくると、なんというか、ファンにも「一途が美徳」というような奥ゆかしさがなくなるんですよね。女性アイドル=ハロプロの時代が長かったけど、今はそうではないから、アイドルオタクも自分たちは自由に好きな子を選んでいいということに気づいて流動するようになりました。もしかしたら今後、男性アイドルにもそういう時代がくるかもしれない。

太田 男性アイドルもどんどん細分化していってますしね。超特急とかBOYS AND MENとか、売り出し方やコンセプトがうまいグループが、ジャニーズ以外でも近年出てきてますし。

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