仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

三遊亭円楽、不倫謝罪会見から1年――開き直り発言に見る“売れてる芸能人”のズレてるところ

2017/07/27 21:00

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里enrakuhurinが、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「1年以上たったら、ヤメろ」三游亭円楽
『ウチくる!?』(フジテレビ系、7月23日)

 ネットやSNSの普及で、我々一般人は、簡単に“芸能人ごっこ”ができるようになった。かつて、ファッションのコーディネートやライフスタイルを語ることは、ゴールデンタイムの主役を張るクラスの女優や有名モデルにしか許されなかったことだが、今やSNSはそんな一般人女性であふれている。ネットがあれば、コメンテーターごっこもできる。芸能人がコメンテーターを務める時は、要求されるキャラと共演者とのバランス、スポンサーに配慮して発言しなければならないが、ネットなら好きなだけ罵倒し放題。その率直さがウケて、注目を集めたりもする。自分の顔や実名を出していない分、反撃されることがないのも魅力だろう。

 こういう芸能人もどきは、今後もどんどん増えていくだろうが、芸能人ならではの感覚も存在する。それは「数字が全て」という価値観である。

 例えば、会社員であれば、多少仕事の能力が劣っても、勤務態度が真面目であったり、努力する姿が見えれば、周囲は存在意義を否定することはあまりないだろう。けれど、芸能界はそれでは全然ダメなのだ。仕事を適当にやっているように見えたり、わがままを言って周囲に迷惑をかけたとしても、数字(視聴率やセールス)を持っていれば、それでOK。人気者が増長していくのは当然で、名の知れた男性芸能人の浮気や不倫は、「数字が全て」主義に乗っかって調子づいているように私には思える。

 しかし、芸能人と一般人の垣根が低くなった今、「芸能人は別の世界の人だから」という言い訳は通用しない。なので、芸能人たちは、不倫がバレれば厳粛に謝罪会見を行うわけだが、反省していないというか、“わかってなさ”を感じさせられることがある。

 例えば、三遊亭円楽。円楽は昨年、40代後半の家事手伝いの女性とのデート(銀座で食事、錦糸町の3時間4,500円の激安ラブホに滞在)を写真週刊誌「フライデー」(講談社)に撮られ、謝罪会見を開いた。「妻は『とにかく仕事を頑張りなさい』と言ってくれた」「(写真週刊誌に撮られたのは、身から出た錆だと言う円楽に対し、)『錆も味になるわよ』と言ってくれた」と、「うちのカミサンは度量が広い」というふうに、論理をすり替えた会見を行った。

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