角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第139回

敷地が狭い、線路沿い、騒音問題……保育園経営のマイナスポイントも、考え方次第でプラスに!?

2017/07/01 16:00

線路沿いという立地条件もプラスに!

 衾の森こども園、最大のマイナスポイントでもあり、プラスポイントと言えば、線路沿いという部分です。見学で、「線路沿いがネックです」と言う方もいるのですが、私は「いま話していて、線路の音は気になりましたか?」と逆に質問したり、「娘が、この保育園の前身に通っていたのですが、お昼寝もちゃんとできていて、心配ないとわかっていたので、この物件を選びました」と説明すると、少しは安心したのか、みなさん契約をしていただきました。

 実際、全員お昼寝ができているし、むしろ電車が通ると「副都心線!!」と喜ぶ子たちばかりです。あまりにもずっと見ているので、「次の電車が来たら、向こうにいこうね」と約束するほど。線路沿いということで、周りが音に対し寛容になって、騒いでも近所からクレームが来ることはないし、精神的にラクですね。

 駒沢の森こども園は、住宅街にあるため、オープン当時は、隣の分譲マンションからクレームが何度かあり、大家さんには「マンション側の窓は開けないで」「泣いていたら窓を閉めて」と言われていました。最近は近隣からのクレームがないので、地元に根づいてきたのかもしれません。

 保育園というのは、近隣とうまくやっていくことが大事で、給食で生鮮食品を購入する時は、スーパーではなく、近所のお肉屋さん(高級店)、魚屋さんを利用し、園で昼ごはんを食べ損なった時は、斜め横の和食屋に行ったりしています。近所の保育園の保育スタッフの視線が気になりましたが、目が合った時、私から挨拶したら、自然と向こうから挨拶してくるようになったのがうれしかったです。私の性格上、「ジロジロ見てんじゃねーよ」と言いそうになりましたが、ぐっと我慢。新参者は自分からオープンにしていかないといけないのです。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では9歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2017/07/01 16:00
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