ユニリーバ・Lux「女らしさを捨てて働くべき?」 設問自体がセクハラ。働く女性が「自分らしく輝くことを応援」するなら性別二元論をやめてください

ニリーバ・ジャパンのヘアケア・ボディケア製品「Lux(ラックス)」のTwitterキャンペーンアカウント「@LuxOfficial」が、「LUX 働く女性の意識アンケート」を行っている。

\働く女性の本音、教えてください/ LUXは、一人でも多くの女性たちが、自分らしく輝くことを応援する活動をスタートします。 その第一歩として、まずは、「働く女性たちの本音」を知る為にアンケートを実施! ぜひお気軽に投票してください。(https://twitter.com/i/moments/874177942741372928)

用意されている設問は以下の5つだ。

■バリバリ仕事で活躍するためには、“女らしさ”を時として捨てなければいけないって思いますか?

■「仕事だけじゃなくて、プライベートも充実させたい!でも、これからのことを考えると、今の仕事とプライベートを両立できるか不安…」そんなこと考えることありますか?

■働いているときのあなたの心の中を教えてください

■いまだに仕事上で、男女の格差を痛感することはありますか?

■「美しすぎる女性弁護士」のように、男性が多い職場で活躍している女性が取り上げられている現状について、あなたはどう思いますか?

そして自由回答方式ではない。それぞれ、4つの選択肢が回答として用意されている。たとえば1番上の設問への選択肢はこうなっている。

<バリバリ仕事で活躍するためには、“女らしさ”を時として捨てなければいけないって思いますか?>

・そんなのイヤだ!
・女を捨てなきゃいけない瞬間はある
・男には負けたくないから仕方ない
・仕事も女であることを活用すべき

これら選択肢の背景には、「バリバリ仕事で活躍する」イコール「長時間労働で成果を出す一部男性と同様の働き方をする」という認識がある。そもそも「女らしさ」とは何かの定義がなされていないが、口紅とハイヒールの絵文字が「女らしさ」を象徴しているのだろう。また、ヘアケア・ボディケア用品を取り扱うLuxだけに、艶やかな髪や潤いのある肌なども「女らしさ」のひとつのポイントなのだろうと思う。そうした「女らしさ」を捨てる、つまり髪をボサボサに振り乱すなど(あるいは極端なショートカット)して化粧も剥がれ落ちた(長時間休みなく仕事に従事していればそうなるが)姿で、仕事のみに一極集中する働き方を想定したうえで、「捨てる? どうする?」と問うている。

「女であることを活用」というフレーズにはいかにもなイヤらしさが漂う。実務ではなく「女らしさ」を評価されることで<バリバリ活躍>できると見ているのだろうか。また、もし「男に負けたくない」と勝ち負けにこだわって仕事をする女性がいるとすれば、それは「女だから」という性別由来の理由で評価を下げられることがあるせいだろう。

この設問からは、<女のままではバリバリ活躍など出来ないはずだ>ということが読み取れる。幅広い世代・職域の女性をターゲットにした商品を展開しながら、「女らしさ」を侮辱するのはどういうことだろう? 性別二元論に基づいた設問自体が、「女が働くこと」を否定していると気付かないのだろうか。

自分が心地いいと思える服装・髪型・化粧が「女らしい」とされるものであったとして、それを「捨て」ることなく、かつ「活用」することもなく、働くことは可能なはずだ。しかしその選択肢は回答欄に用意されていない。仕事で「女らしさ」を求められることがセクハラだという認識も欠けている。

ファッションビル・ルミネの問題CMも、資生堂インテグレートのCMも、今回のLuxアンケートも、すべてに共通しているのは、「働いている女性」と「美容・ファッション」を安直に結びつけて煽っているところだ。どんな服を着ようと、どんなメイクをしようと、容姿の良さをサービス内容に含むような業務でない限り、仕事に直接関係はしない。しかし一連の案件は、今まさに「仕事中」である「女性」に対して、仕事とは無関係な「美容・ファッション」に気を配れとアドバイスをよこす。それが女であるお前のためなのだ、と。どこからどう見てもセクハラであって、働く女性を応援するテイを取りながら締め付けているのと同じだ。いい加減、気が付いてほしい。

◎ふつうに働けばいいじゃん。
3つめの設問<働いているときのあなたの心の中を教えてください>への回答選択肢はこうだった。

・仕事は大変だけどやっぱり楽しい
・できる女性になるべく頑張りたい
・プライベートを楽しみに乗りきる
・「これは仕事」と割り切っちゃう

男性を対象にしたアンケートだったら、こういった選択肢になるだろうか? おそらく「家族のために頑張る」とか「昇進したい」とか「起業のための修行期間」といった選択肢も用意されるのではないだろうか。しかし上記の選択肢では、なぜか女性が一般的に「仕事vsプライベート」という構図を内面化していることになっており、かつ“お気楽”な調子で仕事に従事していることがイメージされる。家族のために働く女性も、昇進や起業を目標にする女性も、さほど仕事を大変ではないと感じている女性も(男性も)いるはずだが……。

ちなみに筆者は、特に大変でもなく楽しい仕事をしている。運よく自分に合った仕事を自分の裁量で出来ているからだ。家族も含め生活するための収入は必要だし(お金はどれだけあっても困らない)、時にはやりたくないこともやるが、さほど苦痛は覚えていない。女らしさを意識して働いてもいない。キラキラでもバリバリでもない8時間労働の会社員だ。だからLuxのアンケート調査に回答しなかった。当てはまる選択肢がないから、回答しようがない。自宅でもキラキラ要素はゼロだ(夫の帰宅は22時以降が大半。キラキラ輝くママのワンオペ時間割に対抗して「輝かない頑張らないママの時間割」公開)。

あと<働いているときの心の中>って、今目の前にある業務のこととか、少し先の会議のこととか、今日の夕飯何にしようとか、昨日イヤなことあったなあとか、いろいろだ。仕事とプライベートを天秤にかけるようなことをモヤモヤ考えながら作業できるものか? 要するに設問そのものがおかしい、やり直し!

そもそも過剰なワーク>ライフのバランスで働くことを“バリバリ活躍”することと同義だとみなし、それこそが“男の働き方”であって、女もそれに合わせなければ活躍は難しいとする労働観って、誰が得するのだろう。時間外労働にも喜んで取り組む体育会系(奴隷根性ともいう)労働者の恩恵を預かるのは、経営陣だけである。そんな働き方に合わせず、“女性らしさ”なども意識せず、適切な働き方を模索したいものだ。

(ヒポポ照子)



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