婦人科医・松村圭子先生インタビュー

婦人科医に聞く、タンポン向き、ナプキン向きなのはどんな人? 布ナプキンは生理痛に効く?

2017/05/31 15:00
dr.matsumura1
成城松村クリニック・松村圭子院長

 先日、ユニ・チャームと女性向け動画サイトC CHANNELが共同で制作したタンポンの動画広告が炎上。「生理中の女性とのデートは、トイレに頻繁に行かれて寂しい」といった男性の意見を紹介し、タンポンの購入を促す内容であったため、「なぜ生理用品を男性の都合で選ばないといけないのか」と批判のコメントがネット上で飛び交った。

 そもそも、なぜタンポンを使う女性は少ないのか? という点に今回は着目し、成城松村クリニックの院長、松村圭子先生にタンポンの使い方について伺った。

■思春期の女子には「タンポン」という選択肢がない

――私自身、初めてきちんとタンポンを使ってみたのがつい最近です。なぜ、多くの女性はタンポンを使うことに抵抗があるのでしょうか?

松村圭子先生(以下、松村) 膣に異物を挿入するわけですから、やはり「怖い」という思いがあるのだと思います。一方、ナプキンは膣の外で経血を吸収するので、お手軽感があります。わざわざ、怖いと思うものを使わないですよね。

――中学生の頃、友人にタンポンの使用について相談したことがあったのですが、彼女から「タンポンは子どもを産んだ後じゃないと使えないって、お母さんが言っていたよ」と返されました。娘にタンポンを使わせたくない母親は多いのでしょうか?

松村 それはあるのではないでしょうか。私の家庭もそんな感じでしたし、まず、子どもだとタンポンという選択肢がないですよね。それに、日本は欧米と比べると「遅れている」という言い方はよくないですが、性に関することに消極的ですよね。

――親が思春期の娘にタンポンを使わせたがらないのは、やはりセックス経験前ということも関係していますか?

松村 関係していると思います。膣に何かを挿入したことがないので。

――タンポンを膣に入れたときに違和感を覚えることがあるのはなぜでしょうか?

松村 タンポンは直径1cmほどです。個人差があるので一概には言えませんが、中高生でまだセックスの経験がないと、膣が狭かったり硬かったりして、タンポンを挿入する際に痛みを伴うことはあるかもしれません。

 また、「慣れ」も大きいです。女性器の構造を理解していないと正しい位置に挿入できないので、あちこちにタンポンが当たって刺激で痛むことがあります。膣の奥に神経はないので、正しい位置に入っていれば、痛みや違和感はありません。

――正しい位置がわからない方もいると思うのですが、手鏡などで確認して入れるべきですか?

松村 お風呂で手鏡に写して見てみると、よいと思います。イメージとしては、(上向きではなく)少し後ろ側に入れる感じです。

――先生自身は、タンポンは何歳くらいから使ってもいいと考えていますか?

松村 タンポンのサイズもバリエーションがあって、「初めてでも簡単」などと表記されているものもあります。だから、初潮を迎えたら使っていいと思います。

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