【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

初めて殴られたときDVだと気づいた。夫から逃げるためにシェルターへ【別れた夫にわが子を会わせる?】

2017/05/23 15:00

書き置きをして家を出た

 そうして、倉橋さんは準備を進めてから家を出た。

「夫が旅行に行っている間に、黙って引っ越しました。『とにかく家を出ないことには、DV夫とは離婚の話し合いはできない』とアドバイスされたので。『弁護士と話してください』と書き置きをして。引っ越し先は教えませんでした。

 出ていくとき、『もう無理なので、パパとは別れようと思う、あなたたちは、どちらについていきたいの?』と2人の子どもに尋ねました。すると『ママ』と2人とも即答しまして、それで2人とも連れて行くことにしたんです。そのとき、上の子は中学生で、下の子は小学生でした。

 引っ越し先は、子どもが転校する必要のない、もといた家のすぐ近くでした。転校の説得をする時間がなかったため、子どもにも家出の話はギリギリまで内緒にしていました。相談した人からは、『近所だと、子どもがお父さんに待ち伏せされるからダメだ』と助言されていましたが、私は、『まあ大丈夫だろう』と、甘く考えていたんです。

 案の定、その後が大変でした。夫がストーカーになったからです。実家に連絡されたり、子どもたちを学校帰りに毎日待ち伏せされたりしてしまいました。弁護士から夫に『近づかないように』と警告してもらったんですが、まったく聞く耳を持ってくれませんでした。その挙げ句、夫は子どもを脅して私の住所を聞き出し、『明日ママに会いに行く』と子どもに言ったんです。そう言われて怖かったんでしょう。家に帰ってきて、私に報告してくれたとき、子どもは顔面蒼白でした。

 それを聞いて私、すぐに警察に相談したんです。生活安全課に。すると、親身になって耳を傾けてくれた上に、『今すぐ逃げたほうがいい』とアドバイスされました。さらにはシェルターへと連れて行ってくれました」

(後編へ続く)

最終更新:2017/08/14 21:20
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