38歳と偽り31歳年下のタイ人男性を囲った巨額詐欺容疑者・山辺節子62歳の「若すぎる声」

2017/04/18 20:00

 演歌歌手の藤あや子(55)が、先日30代前半の男性と再婚した。なんでもお相手は、藤の娘よりも年下なのだという。4月18日に配信されたネットニュースで、藤の再婚について恋人・夫婦仲相談所長の二松まゆみ氏がコメントをしている。二松氏いわく「50代の女性は<小料理屋の女将>。相手の気持ちになって話を聞き、アドバイスをする。若い子と違って男性への寛容さがあります」とのこと。その魅力にまいってしまう若い男性がいたとしてもなんら不思議はないという自論のようだ。

 普段の藤はデニム姿がよく似合い、ロックを好んで聞き、性格もサバサバ系。着物姿で演歌を歌いあげるあの妖艶さとのギャップはたしかに大きそうだ。それに加えてあの美貌である。たとえ二回り以上年が離れた男性であっても惹かれてしまう……。わかる。藤なら、わかる。年齢を重ねた女性が持つ魅力を余すところなく発揮していると思うからだ。ではこの人の場合はどうだろうか? 山辺節子、62歳。3月30日にタイで身柄を拘束された日本人女性だ。

 山辺容疑者が不法滞在容疑で身柄を拘束された時の映像は、日本ではテレビのニュースで繰り返し流された。多くの視聴者は彼女の容疑よりもまずその容姿に目を奪われたのではないだろうか。年齢は62歳とテロップが出ているものの、遠目からの映像ではとてもその年には見えない。昔懐かしい前髪がこんもりと厚めの聖子ちゃんカット(おそらくウィッグだろうが)に、カチューシャ。大胆なオフショルダーブラウスに、太もも丸出しのショートパンツ。あんなに短い丈のパンツやスカートを履いている人は、40代であっても筆者の周りにはいない。だが恐ろしいことに山辺容疑者のショートパンツから出た脚はすらりとしていた。太ももの肉がぶよぶよとたるんでいる様子もない。脂肪吸引でもしているのか? と疑ってしまうレベルの美脚である。それに、立ち姿も綺麗だ。アラフィフ、アラカンともなると、どんなに気をつけていても背中が丸くなってしまうものだが、山辺容疑者にそんな様子は見られなかった。

 見た目だけでも驚きなのに、喋りだすとさらに驚きであった。声が若い! 若すぎるのだ! 可愛い声、と言ってもなんら大げさではないレベルの声で話す山辺容疑者。女性の場合、50代になり女性ホルモンが減ると、声帯がむくんで太くなる。そうなると声が低くなり、さらには喉の潤滑油が渇いてしまうことで声帯の潤いがなくなり高い声も出せなくなるといわれている。そのはずなのだが……拘束時に何者かに携帯電話をかけ会話する山辺容疑者の声は若く可愛らしいものだったのだ。喋り方もねっとりゆっくりで、まるで一昔前のアイドル気取りなのである。

 不法滞在で身柄を拘束された山辺容疑者だが、実は熊本県警が出資法違反容疑で国際手配していた人物であった。山辺容疑者は日本国内で<つなぎ融資の女王>と呼ばれており(実態はない)、その肩書きを信じ込んだ男性らに「有利な運用方法がある」として出資話を持ちかけ、合計で7億円もの大金を集めたあげくに所在不明となっていたというのだ。ではこの大金を山辺容疑者はいったい何に使っていたかというと……。なんとタイのパタヤビーチにあるホストクラブで出会った31歳年下のホストに入れあげ「夫婦として2年間暮らしてくれたら、1000万バーツ(約3200万円)を支払う」と交渉を持ちかけたというのである。男はこれを承知し、ふたりはタイに豪邸を建て仲良く暮らしていた。山辺容疑者は男性には自分を「名前はエリコで、年は38歳だ」と偽り、ひと月に6~8万円のお手当を渡していたのだとか。だがこの男性、一緒に旅行に行った際に山辺容疑者のパスポートを見たようで、実はとっくに実年齢を知っていたのだという。それでも日本のテレビ局のインタビューでは「優しかった」「可愛かった」と容疑者について語る交際男性。お金をくれるからそう言うのか、はたまたそこに愛が芽生えていたのか……真相はわからないが、年齢を知っていながら知らないふりを続ける男と、62歳で38歳だと偽り続ける女の金でつながる関係。なかなか切ないものがある。

 山辺容疑者は、タイ人男性に入れあげる前にはフィリピンで若い男性にビル一棟をプレゼントしたとされており、2015年には新宿のホストで豪遊していたことも明らかになっている。ちなみに新宿で名乗っていた名前もエリコで、年齢は42歳と話していたそうだ。彼女がホスト遊びで一晩に使った金は平均して100万円、多いときで400万円だったという。

 高校生の頃から男性関係が派手だったという山辺容疑者。ふたりの子供を持つバツイチで、離婚後はスナックを経営し、地元の名士と呼ばれる男性に次々と言い寄り手玉に取って大金を貢がせていたようだ。山辺容疑者を知る地元の人たちはインタビューでは男性も女性も口を揃えて、彼女の声と喋り方について語っていたのが印象的だった。なんでも声と発する言葉に色気があるらしいのである。ある年配の男性はこんな風に表現していた。「あんなふうに喋られるとどんな男もイチコロだ」――う~ん、そうか声と喋り方というのは実はとても重要なのだな、と筆者は自分の早口を深く反省した次第である。

 62歳になったいまでも、おそらく自分の見た目や若さを武器にして生きていた頃のことが忘れられずに、山辺容疑者の精神は30代で止まったまんまとなってしまっているに違いない。けれど現実はシビアで、昔と違い言い寄ってくる男性も少なくなってしまった。となると、お金に物を言わせて男性の気を引くしかない。そんな単純な動機で詐欺を仕掛けたとしたらあまりに短絡的だが……。タイを強制送還となった山辺容疑者は今日、4月19日に日本に帰国予定だ。帰国時はおそらく大勢の報道陣に取り囲まれることだろう。果たして彼女はどんな姿で日本に返ってくるのか。怖いもの見たさでまたチャンネルを合わせてしまいそうだ。

(エリザベス松本)

最終更新:2017/04/18 20:05
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