【連載】プウ美ねえさんのエプロンメモ

「食欲をおさえられない自分が憎い」プウ美ねえさんが考える、我慢しない体重キープ術

2017/03/26 21:00
epumemo30
(C)熊田プウ助

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

【今回のお悩み】
「本当は太りたくないのに……」
 くだらない相談で恐縮なのですが、太りたくないと思っているのに、おなかがすくと食欲がおさまらず、食べまくってしまいます。40を間近に控え、体重がどんどん落ちづらくなってきました。痩せないこともそうですが、欲求をおさえきれない自分に嫌気が差します。プウ美ねえさん、アドバイスをお願いします。(かすみさん、37歳)

【プウ美ねえさんの回答】
 くだらないどころか、たいへん多くのことを考えさせられるご相談です。プウ美おねえさんは、したいことをのびのび楽しんでいるひとが好きです。すてきなひとには他にすてきな部分があるから好もしいのであって、禁欲的というだけではちっとも魅力になりません。ですから、かすみさんにも、たいくつな我慢とは無縁な、太らない方法を実践してもらいたいのです。

 まずは、食べること以上に好きなことを一つ選んでごらんなさい。もしもあなたが踊り好きならば、バレエ団に入り、プリマ・バレリーナになるのです。50kgを超えると多くの男性舞踊手がパ・ド・ドゥでのリフトをいやがるので、主演をつとめられなくなります。また、もしもセックスが好きだった場合は、SMの女王様になるのもよい手です。細身好きの豚奴隷に慕われれば、もう太る事はゆるされません。太れば職をうしなう、もしくはそれと同等の不具合がおこる、そういう設定に身を置けば、かならず体重をキープできます。情熱を傾けられることとセットにするのがコツです。

 他人のものを盗みたいとか、殺人をしたいという気持ちをおさえるのはすてきなことですが、無害な食欲や、ただ自分を甘やかしたいなどの欲求を、なぜひとは恥じるのでしょう。意志の強さとはなんでしょう。モテたくてジムに通うひとや、自己満足ために勉強するひとなんかは、怠け心こそおさえていますが、己の欲だっておなじていどに強い。そういう強さより、怪我人を見たらためらわず介抱するひとや、乱交パーティーのしょっぱなにモジモジせず盛り上げられるひと、そんな意志の強さのほうが、ぐっと周囲を明るくするものです。

【今月のエプロンメモ】
具体的な目標と、ごほうびを決めることも有効です。「3回ジムに行けたら、週末ハプバー」「一ヶ月理想体重をキープできたら、高級セクシー下着を買う」などと決めて、目標と欲望のバランスをとると、日々の気分にハリがでます。

熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『本日もおひとりホモ。中年マンガ家生活』(ぶんか社)、『世界一周ホモのたび 狂』(同)、『TOKYO中年駄ホモ生活』(同)など。

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最終更新:2017/03/26 21:00
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