仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

工藤静香、インスタでの「漬物作ってます」投稿に見る“メリー喜多川並み”のしたたかさ

2017/03/09 21:00

 このように、“目上のオンナ”への接し方に長け、“家庭的な一面”を随所で覗かせながらも、一方で“目下の女マネジャー”を粗雑に扱うという工藤の特徴を追っていくと、昨年のSMAP解散騒動での立ち回りを想像せずにはいられない。

 まずあの騒動には、“家庭的”な事情が絡んでいた。「週刊文春」(文藝春秋)が15年、ジャニーズ事務所のメリー喜多川副社長に対してインタビューを行い、その際、メリーは、「文春」側が娘の藤島ジュリー景子副社長を、次期社長“候補”と書いたことに、激昂。対立候補とされるSMAPの女性マネジャーを呼び出し、「もしジュリーと飯島が問題になっているのなら、私はジュリーを残します。自分の子だから。飯島はやめさせます」と“家族優先主義”を宣言し、これが遠因となり、SMAPは女性マネジャーとともに独立を決意したが、直前になって木村が翻意したといわれている。騒動の真相は藪の中だが、確かなことは、SMAPは解散し、木村はSMAP育ての母、工藤風に言うと「女マネージャー」と手が切れたということだ。

 しかし、工藤の立場になって考えれば、SMAPは解散したものの、木村は彼女のものである。木村の人気は一時的に不安定になるかもしれないが、事務所の功労者として地位は安泰だろう。工藤が事務所に残るように説得したからともささやかれており、これが本当なら、“目上のオンナ”であるメリーが、工藤に対する評価を高くしたことは想像に難くない。

 それに、木村のアイドルとしてのイメージを死守していた“目下のオンナ”である「女マネージャー」がいなくなった影響もあってか、工藤は今年に入ってインスタグラムのアカウントを立ち上げ、これまで見せることのなかったプライベート、主に料理の写真を上げることが多くなっている。ある日の更新で、個性的なクリスチャン・ルブタンのブーツをアップしており、なんでもこの靴と革パンをはいてランチに行くつもりだったそうだが、届いた野菜の鮮度がいまいちだったので、ランチを取りやめて「今朝からずっと漬物作ってます」と結んでいた。工藤は今、好きなだけ漬物をインスタにアップし、“木村拓哉の妻である自分”をアピールできる状況を手にしている。

 工藤がSMAP解散の糸を引いていたというつもりはないが、この解散劇で結果的に一番トクしたのは、工藤ではないか。ジュリーは母親のやり方をまねた業務スタイルを取ることから、「ミニメリー」といわれているそうだが、他人の工藤こそ、上下関係と血縁を重んじるメリー的な因子を強く持っているように思えてならない。

 ちなみに「文春」によると、メリーは肉が大好きで、野菜はほとんど食べないものの、漬物は欠かさず食べるそうだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2017/03/16 16:40
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