花粉症がつらいこの季節……

花粉症は「肩コリ」「首コリ」まで引き起こす!? 呼吸器医師が、春特有の“ダルさ”改善に助言

2017/03/20 21:00

kahunnyou20713
Photo by tsuda from Flickr

 大谷先生の患者である20代の学生は、授業中に咳やくしゃみが出るたび周囲へ気を使ってしまい、自然と姿勢が前のめりになって、背中や腰にコリを感じているという。また、30代のビジネスマンは、花粉症の症状によって呼吸がしづらくなり、眠りが浅くなった結果、体が疲れ、肩や背中にコリを感じるように。ほかにも、くしゃみを連発することで腹筋や全身が痛くなったり、公共の場で咳やくしゃみを抑えようと力を入れることで、全身に痛みやコリを訴えたりする患者が多いという。

 そこで、大谷先生がピップ株式会社との共同研究として、アレルギー症状とコリに関する意識調査をインターネットで実施。その結果、約8割の人が「咳やくしゃみをする際に体を縮こまらせるため、力が入ってしまう」と回答した。うち7割が、「体を縮こまらせるのは、周囲に迷惑をかけないため」と回答していることから、「インフルエンザを念頭に、ここ数年で咳エチケットという概念が広まり、飛沫を飛ばさないため必然的に体を縮こまらせていることがうかがえる」と、大谷先生。

 さらに、「アレルギー症状が原因でコリの経験があるか」も調査したところ、「ある」と回答したのは4割ほど。中には、激しい咳やくしゃみで体に痛みやコリを覚え、「骨が折れた」「肺炎になった」と勘違いする人もいるそうだ。また、コリを感じている人の4割が、「息苦しい」とも感じているという。

■花粉症で生じるコリのメカニズム
 では、なぜ咳やくしゃみでコリや息苦しさなどの症状が生じるのか? 大谷先生が解説したメカニズムによると、「咳やくしゃみをするとき前傾姿勢になると、肺が圧迫され、呼吸が浅くなって、酸素の取り込み量が少なくなる。それにより、酸素と二酸化炭素の交換が悪くなったり、血行不良を起こしたりと、軽い酸欠のような状態になってしまう」とのこと。また、酸素が足りないと、エネルギーとなるブドウ糖を分解しにくくなって疲れやすくなるため、結果的に、「疲労感や息苦しさ、コリを全身に感じるように」。なお、咳やくしゃみを1回するごとに2キロカロリーほどを消費するというデータもあり、余計に疲れてしまう人もいるようだ。

 なお、大谷先生がピップ株式会社と行った共同研究によると、正しい姿勢と猫背の状態における肺活量の検査では、33歳の被験者が正しい姿勢では肺年齢・18歳だったのに対し、猫背では41歳という結果に。姿勢によって肺が圧迫されただけで、肺年齢に23歳差が生まれたことになる。それにより、「人間は1分間に15回、1日にすると約2万回の呼吸をしているので、呼吸が浅くなるか深くなるかの違いで、1日の酸素摂取量や、酸素と二酸化炭素の交換量はかなり変わってくる」ことが裏付けられる結果となった。

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