【連載】知られざる女子刑務所ライフ4

元女囚が明かす、刑務所の「臭い飯」の実態! 誰ですか、「ムショ飯はうまい」なんて言ってるのは?

2017/01/22 15:00

■お菓子を食べられるのは、所内イベントの時

 出された食事しか食べられないムショでお菓子を食べられるのは、年末年始やひな祭りなどのほか、盆踊りや運動会、慰問、カラオケ大会などの所内イベントの時です。運動場や体育館などの会場で食べる時と舎房での喫食(食べたり飲んだりすること)が認められる時がありますが、やはり舎房でおしゃべりしながら食べられるとうれしいですね。

 お菓子は普通にスーパーや100円均一ショップで売られているもので、「コアラのマーチ」や「チップスター」みたいな箱入りのお菓子のほか、ロールケーキのような生菓子、かりんとうのような袋菓子も出ます。私が楽しみだったのは、コンビニのレジ前でよく売られている「黒糖まんじゅう」とかですね。

 シャバと違うのは「取っておいて明日また食べる」ことができないので、おなかがいっぱいでも必死に食べるところです。だいたいは昼食後に配られて、舎房での喫食が認められても、その日の夕食後までに食べなくてはなりません。もちろん誰かにあげてはダメ。バレたら懲罰が待っています。シャバにいればいつでも食べられるお菓子も、ムショでは超貴重で、何日も前から楽しみなんです。まあ、懲役に行くようなことをしなければいいんですが……。

 あとは、同じ受刑者でもマジメに勤めている(受刑態度が特に良好)かどうかで「第1類」から「第5類」までランク付けされて、いわゆる「模範囚」(第1類から第3類)には特別にお菓子やジュースが支給されたり、面会や手紙の発信の回数を増やしてもらえます。

 まあ第1類の人は見たことがありませんけど、法律ではCDを聞いてもいいことになっていますし、シャバへの電話も許されています。ビックリでしょ!! でも、トラブルを起こさずにおとなしくしている受刑者は、お菓子や面会が目当てなだけで、反省なんかしてませんよ。というか「違反が見つかったこと」は反省して、「次はうまくやる」と考えます。懲りませんね。

 ちなみに私はお年寄りの受刑者におかずを分けてあげたりして、しょっちゅう懲罰を受けていました。悪いこととは思っていないのですが、規則違反は規則違反ということです。では、また次回。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

最終更新:2017/04/20 20:21
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