今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

『2016 FNS歌謡祭』、ほとんどラップだった長渕剛のステージが教えてくれたこと

2016/12/09 21:00

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる

2016nagabuchi
富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015』/ユニバーサルミュージック

◎センシティブな心の持ち主
 メッセージの情報量が多すぎて、シャウトというより、ほとんどラップ状態だった長渕剛@『2016 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)。「ボブ・ディラン、ノーベル賞受賞」に、なんだかんだですんごい影響受けてんなアレは。

 何よりあの長い説法に字幕がついてたことに驚いた。「事前申告済み」なのか。想いが思わずメロディに、ってことじゃないのか。一字一句がリハ通りなのか。ウォォォォーッ!!

◎広がる夢
 「週刊文春」(文藝春秋)に就労の様子を掲載し、ユニクロを解雇された潜入記者。次はワタミ、ヤマダ電機、セブン‐イレブン、ドン・キホーテ、年末年始の日本郵政と、流しのブラック企業覆面社員として、ぜひいろんなところへグイグイ潜っていってほしい。

 そのうち東京電力とか、フジテレビとか、電通にも入ったりして。正社員で。「入れちゃうんだ、そこに」という。搾取される側からする側まで網羅した、別次元の潜入をぜひ!

◎和歌ネエは大丈夫!?
 「芸能界引退します」「やっぱやめます」かぁ。うーむ。SNSは便利で楽しいだけじゃねぇな、ホント。人が病んだり滅びていく様子も刻々と。ダウンタウン・松本人志に「名前を変えた頃からおかしくなった」って言われたのもつらい。無意識下で「もう共演はないだろう」と判断されたってことだもんなぁ。

 と、草葉の陰みたいな扱いの元ほっしゃん。であるが。今も平日、毎日TBSの通販番組に出演中。ハイテンションだが砂を食むようにルーティンで日々商品をこなしている、元ほっしゃん。元々、目の面積が小さく、変化率の低い顔つきなので、テンションと表情が釣り合ってないこともしばしば。あの番組、以前から同じ商品がしょっちゅう出てくるのが気になってたんだが。……まさか繰り返し再放送? 次回から「この収録は〇年〇月〇日に行われたものです」というテロップを入れてもらいたい。我々が見ている元ほっしゃん。の姿は、一体いつのものなのか。「4年前」って言われたりしそうで怖い。ま、生放送のレギュラーもやってもますけれども、元ほっしゃん。

 芸能界を辞めるのが幸せなのか、留まるのが幸せなのか。こうなると、どっちの状態も見ていてヒヤヒヤものだ。しかし、ヒヤヒヤさせられっぱなしだった小川宏は90歳まで生きたわけで。まあ何とかなるさ、元気出せよ。は、言っちゃダメなのか。そこも微妙なのか。あー。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

最終更新:2019/05/21 20:36
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