押しかけ同居、孫プラン…成人した娘に忍び寄る親の“希望”“心配”という名の要求

2016/11/27 20:00

 安倍政権がぶちあげた『一億総活躍社会』関連予算の目玉事業の一つとされている「三世代の同居に対応した新築住宅取得促進支援事業」。少子化対策として祖父母世代との同居をすすめるものであるが、ご存知の通り、これを疑問視する意見も多い。親子だからといって良好な関係を維持している家庭ばかりではないし、この祖父母世代が相当なくせ者である場合もあるからだ。小町を眺めても、これじゃ祖父母世代との同居はとても無理だと思うようなトピが多々みられる。

「娘にわたす金額がわからない。」

 トピ主(女性・年齢不明)夫と2人の子どもとの4人暮らし。本当は子どもは4人いるが、長女は結婚し車で2時間ほどの都市部に夫と2人で住んでいる。トピ主一家は、田舎に住んでいるそうだ。ちなみに「子ども」という書き方をしているが、同居している子らはおそらく成人済みである。

「婿の実家が用意した、新築狭小住宅です。都会はあんな小さい家が立ち並んでいるんですね。ビックリしました。15坪もない家ですが3LDKです」

 おっと~、いきなり婿の実家族&娘の新居をdisですか? しかもこれはただのジャブで、本題はとんでもないのだ。トピ主は勝手にその“新築狭小住宅”へ押しかける計画を立てたという。

「私の夫も高齢ですが退職後も働いてましたが、いよいよガタがきはじめました。退職前は社宅暮らしでした。年金は払い込み月数が少ない為、少ないです。私が働こうと思い、働きましたが私も高血圧のため無理でした。今、住んでいるアパートの家賃にさえ、事欠く始末です。同居の娘の入れてくれるお金は食費・光熱費・携帯に消えてしまいます。大家からやいのやいのと催促されてホトホト困っております」
「この際、長女の家でお世話になろうかと思っています。都会で働けると娘たちも喜んでいます」
「勿論、お金は入れます。その額でご相談ですがいかほどが適正価格でしょうか。家事・炊事・洗濯は私が頑張ります。娘夫婦は共働きなので助かると思います。生活保護の受給は考えていません」

 いやいやいやいや、金額うんぬんの話じゃなくて! トピ主は“長女も喜ぶ”と思い込んでいる様子で、長女夫婦へひと月にどれくらい支払うのがよいのだろうか、という相談だ。そもそも娘2人も一緒に引っ越すつもりって……。15坪もない土地に建てた3LDKに、長女夫婦・トピ主夫婦・成人した娘2人の6人で住もうって? 危険な臭いが漂いまくりだ。「びっくり」投票は軽く1万を超えている。今年見たトピの中でもかなりの食い込みっぷりである。

「狭いを難癖つけた家に 家族4人で転がりこんで 家事をするから 感謝されると思い込んでいるストーリー…滑稽です」
「正直(現時点で)田舎で家賃も払えないのでしたら、適正価格が払えるとは思えません。まずはいくら払う気があるのかが前提です」

 と、トピ主一家の支払い能力を疑問視する声や、最初に都会の家を狭いとdisっておきながら……という批判が噴出。「まずは長女夫婦がトピ主一家を受け入れてくれるのか、その意思を確認して内諾をもらってから相談すべきでしょう」と、そもそも許可も得てないのに先走り過ぎという意見も多かった。このトピ主はこれまで、多くのことにおいて娘に相談なしに色々と要求していたのではないか……と伺わせる見事なトピ文ではある。

 この手のトピ主がコメント欄の批判にはひるまないことは小町の通常の流れであり、案の定レスで反論を始めた。

「私的には娘ふたりの今まで入れてたお金 計六万円と夫の分二万円の合計八万円が妥当かなと思っています。私の分は家事をするので免除して貰うつもりです。都会ではこの金額では無理なんでしょうか」

 いや、だから、長女に話もしてないのに勝手に話を進め過ぎなところに皆「ビックリ」してるのに……。てか同居の娘には月3万円もらっていたのであれば、その金額を上げるなりして、それまで通り4人で暮らせば良いのではないか。娘たちも一緒に長女の家に引っ越すのは……長女および長女の旦那および長女の義家族の心境、一切想像できないのか?

 これにも引き続き「先方の意見も聞かず勝手に決めていいことではない」というコメントが並ぶがやはりトピ主は気にしない。「3LDKに6人は無理と書かれている方が多いですが、大丈夫ですよ。社宅は3DKで6人で住んでましたもん」など、我々は条件をクリアできるのである、といわんばかりに主張を続ける。じゃ早く長女に相談しなよ!

 だがトピ主はなかなか長女に相談することなく、延々と自分の希望を語り続ける。

「都会なら娘達も良い男性と巡り合えるかもですし、何より給料が違います」
「長女が私達の事で婿さん(と)揉めるのは不本意ですから、もしそうなれば(同居ではなく)家賃の援助をお願いするのもありかなと思っています」
「長女が離婚になる事はないと思います。長女だけは鳶が鷹産んだといわれる位、容姿端麗・頭脳明晰な子で唯一大学も出ました(自力ですが)そんな子なので婿から熱烈な求愛をされた経緯があります。本心を言えばもっと金持ちで私達ひっくるめて面倒みてくれるような婿ならと思うこともあります」

 ヒィ~怖い。そんな主張の中にもしかし「今のアパートの家賃を二か月間滞納しており連帯保証人の長女に近々連絡がいく」ことや「長女の下の唯一の息子は勝手に婿養子に入り、手切れ金とやら貰って疎遠になったままです」ことなどがサラッと書いてある。てか息子から手切れ金って、このままだと長女からも手切れ金もらうことになるよ!

 そうして引っ張った挙げ句トピ主はようやく長女に話したが……。

「大激怒です…。罵詈雑言を浴びせられました。滞納分の家賃と二か月分先払いで大家さんに月曜日に振り込んでくれる事になりました。二か月の間に市営住宅に移り、私が働けとの事です。来週なら平日休みがとれるようで、長女も市営住宅の申込みに同席するらしいです。ハローワークにもいくつもりみたい。同居が無理なら家賃の援助をとお願いしましたが、ダメでした」
「『アンタ(トピ主)が働けるのに働かず、何故私が家賃はらわなきゃいけないのか。私も○○のようにお金払ってでも縁切りしたい位だ』と他にも言われました」

 だがトピ主は自分が考えてきた勝手な妄想が、長女にとってどれほど困った話かは考えることはないようだ。

「一人で大きくなったように勘違いしてるけど、子供の頃の色んな苦労が思い出されて空しくなりました。私だって言いたい事、我慢してましたが、子供は言いたい事言えるんですもんね。皆さんの仰る通り金額なんて考えるだけ無駄な事でした」
「返済計画書と借用書を来週会うときまでに用意しろとの事…。負担してくれると思っていたら、なんか怒られ損でしたわ。私の体の不調を訴えると『150位で何が高血圧だ、死ぬまで働け』ですと…。鬼のような娘…。」

 家賃を支払ってくれたにもかかわらず、鬼扱いされる長女が心底気の毒である。とっとと縁切りするが吉。

「娘を結婚させる方法」

 トピ主(女性・年齢不明)には25歳で就職3年目になる娘がいる。資格職で年収もよく、旅行、ショッピング、趣味、習い事、友達とのお出かけ等、それなりに若い世代を謳歌しているそうだ。友達もみんな独身で、娘は結婚に全く興味がなく「結婚なんて今の時代、気をつかって、相手に合わせてそんなことしたくない、ママとパパを見てたら結婚は墓場だ」と言うらしい。だがトピ主は企んでいることがある。

「私のプランでは、26歳で結婚28歳で第一子、その後30歳くらいまでに3人(長男、次男、長女)子供を産み終わってほしいのです。いっそのこと、でき婚でも、シンママでも、財産狙いでも構わないと思うくらいです。高齢出産は心配ですから」

 おいおい、なんだかずいぶん他人のライフプラン細かく練ってくるなぁ。そもそも30歳くらいまでに3人……って、25歳のいまから結婚しても間に合うかってスケジュールだよ。

「子育ても、日常生活のサポートもするから、子どもを産むだけでいいからと譲歩するものの、ボーイフレンドはいても、彼はいないです。婚活させるべきでしょうか? 早く孫を確実に抱きたいのです。主人の両親が高齢で、早くしないと祖父母にも可愛がってもらえません。急いで、とにかく結婚、出産。宜しくお願い致します」

 彼氏がいない25歳のスタートで30歳までに3人の子ども、しかも男2人に女1人を産め、とは、仕事でもこんな無理な案件そうそうない。これも先のトピ主と同じく娘にブチ切れられるんじゃないだろうか。コメントでは先のトピ主と同じようなことを言われている。

「子供の人生はあなたの人生ではありません。放っておいてあげなよ」
「トピ主さんは、娘さんに『結婚は墓場』と教えてしまったのでしょ。もう遅いと思います。しかも娘さんを結婚させたい理由が『早く孫を確実に抱きたい』ですもんね。勝手です。『子供を産むだけでいい』という話も酷い」

 そう思うな~。娘の幸せを願っての結婚じゃないところが恐ろしい。孫をなんだと思ってるんだろう。人間だぞ。だが、トピ主はコメントでこのように考えた理由のひとつを明かした。

「『結婚なんてしたくない子供なんて考えられない』と言った意味のことを豪語されていたバリキャリの女性何人かが35歳や40歳位で焦って、あるいは友達が結婚すると聞いて独身の仲間が減り、婚活や、不妊治療をしていらっしゃるのを見たことがあるからです。どうせ結婚するなら、ずるずる伸ばさず良い時期で婚活にしても年齢的に、有利な20代がいいからです。女性の人生としてひと通り、結婚や子供をと考えるのは、娘の幸せにならないのでしょうか?(中略)娘の人生、王道を歩ませたいのです」

 王道。トピ主はトピ文に書いたような人生を“女の王道”と考えているようだ。だが、もう女性も普通に働く時代。体力のある若い頃に出産育児をすることは確かにメリットもあるが、娘さんにも今やりたいことがあるだろう。

 またトピ文で娘さんが「パパとママを見てたら結婚は墓場だ」と言ったことについてもこう釈明した。

「自由で誰にも束縛されず、お金も時間も、好きに自分のペースでできる気楽な独身の生活に比べて、主人の仕事のサポートや親戚に気をつかう私を見て独身よりは、大変かなという意味で、多大なマイナスで言っている訳ではないです」

 本当だろうか……?『墓場』とまで言われたのだからもう少し重く受け止めた方がよいのではないか。娘さんはひょっとしたら結婚自体をするつもりがないのかもしれない。

「娘は恋愛や結婚に関しては、のんびりしているので、心配してるんです」

 と、最後まで諦める素振りは見せなかったトピ主、今後も何かと娘にこの『王道の人生計画』をすすめ、手切れ金を渡されないことを祈るばかりである。

(ブログウォッチャー京子)

最終更新:2016/11/27 20:00
アクセスランキング