笑顔のマッチョはセクシーだ! 興奮するも良し、癒されるも良しの筋肉アイドル「マッチョ29」を楽しむ

◎筋肉、お好きですか?

 筋肉フェチの女性が最高の笑顔になれる“筋肉メンズアイドル”をご存知でしょうか? その名も「マッチョ29(トゥエンティーナイン)」(29人いるわけではありません、筋ニクの29でもありません)。ローカル局のテレビ番組やイベント出演など、来る依頼をパンパン打ち返す地道な活動を続けてきた彼ら、はっきり言ってブレイク間近です。というわけでこのたび、東京は中野で毎月開催されている「マッチョカフェ」(@nakanoF)にお邪魔。10月末のハロウィン目前だったこともあり、1時間交代制で入れ替わり立ち替わり、コスプレ姿で遊びに来たファンの方々を、「いらっしゃいマッチョ~!!」と迎え入れ、店員として動き回る「マッチョ29」の皆さん、エネルギーがすごいです!

 彼らをプロデュースする仕掛け人は、非マッチョの男性、鈴木秀尚(すずきひでたか)さん。2013年に学生時代の同級生と「分野を問わず、世の中の話題になるコンテンツ企画を行う」べく株式会社ハイを設立、2014年12月には『日本お姫様だっこ協会』を発足し、マッチョ29を企画しました。なぜ筋肉にこだわった男性アイドル集団を売り出すことに?

◎「好きなことをやっているけど、貧乏」はナンセンス

――現在13名のマッチョが在籍している「マッチョ29」の仕掛け人でいらっしゃる鈴木さんですが、ご自身も高校卒業とともに渡米してプロレス団体で活動されていたマッチョ時代があったそうですね。日本のプロレス団体ではなく、渡米を選んだのはなぜでしょうか。

鈴木 年収です。日本の場合だと、年収のトップが限られてしまっているんですが、世界一の団体はアメリカ。だから渡米した、という単純な考えです。どうせなら年収高い方を目指したいじゃないですか。語学も現地に行ってから学びました。

――行くまでの行動力も驚きですが、では何のツテもなくアメリカへ? プロレス団体には誰でも入団できるものなんですか?

鈴木 アメリカで借りていた家の近くに、たまたまプロレス団体のジムがあって、門を叩いて仲間に入れてもらいました。そのうち仲間が車で送り迎えしてくれるようになって……って、何だかすんなりいきましたね。それから2年半から3年くらいプロレス団体で活動していましたが、当時契約していた会社とビザ申請の支払い関係で揉めて帰国することに。プロレスをするならアメリカで続けていきたかったので、「そういう運命だったんだろうな」と割り切って、プロレスは帰国と同時に辞めました。

――アメリカのプロレス団体で活動していた、という経歴は、日本のプロレス界に入るとしてもハクがつくし話題性がありそうですが。

鈴木 それは、僕にとってはまったくのナンセンスです。日本のレスラーは海外のトップ団体と比べ、天と地ほどマックスの年収が低い。好きなことをやるからといって貧乏になるのは、僕の中にはない考えなので……。例えば「好きなことを追っかけられるなら、金なんか必要ない」という考えの方もいるかもしれないですが、僕は「自分がデカくなってから、好きなことやればいいじゃん!」って思うんです。地位・名誉・名声がある人の意見がその業界のルールになるわけじゃないですか。だから自分がそこまで行くのが一番手っ取り早い、という考えです。

――下積み・修行期間は貧乏で当たり前、という価値観が日本社会には浸透しまくっていますよね。鈴木さんはレスラーを辞めて起業されていますが、起業ひとつとっても、行動に起こすまでの勇気や自信、あと現実的にお金の工面だったり人脈作りなどを自分には到底できない大変なことだと捉えて尻込みしちゃう方も多いのかもしれません。

鈴木 深く考えてしまうから、悩みはじめちゃうんじゃないですかね。もちろん、アメリカのプロレス団体にしても、門を叩いてからすんなり進んだのも、本当にありがたかったし、運が良かったとも思っていますが、僕は多分、そこまで深く考えていなくて。例えば、アーティストになりたいとしたら……毎日レコード会社に土下座しに行って、レコード会社内でフリーCDを置かせてもらえるようにお願いしたら、1回は制作に携わる方が聞いてくれるかもしれない、と考えます。そうやって1番手っ取り早い方法を考えます。

――失礼ですが、もともと親が会社経営者だったりとかでもなく、高校卒業してすぐの渡米や帰国後の起業まで全て自分だけの判断で行動されていたんですか?

鈴木 そうです、「えいっ!」と。やろう! と決めて固めて、自分を逃げられない状況にします。

――「逃げられない状況」とは?

鈴木 恋愛にたとえると……好きな人が出来て「好きな人は〇〇(名前)っていうんだ」。って周りにめっちゃ言ったら、告白せざるを得ないじゃないですか。それと同じく早い段階で周りに宣言しておいて、自分を追い詰めるっていう感じですね。

――会社は、元同級生とお2人で立ち上げたと伺いました。

鈴木 中・高と一緒の同級生ですね。僕は、ずっと男だらけの世界にいて、“プロレスラー”という演者側だったので、演者を支える人達ってどういう人たちなんだろうって興味があった時期に、そいつは当時、広告代理店で勤務していたんですが、自分で何かやりたいと考えていたみたいで。たまたま渋谷のラブホ街でバッタリ会って(笑)。久しぶりに会って、その時にそんな会話をして、「じゃ、一緒にやろうよ」ってトントン拍子に進みました。

◎マッチョが集まっている画が、ツボだった

――2014年12月から「マッチョ29」の活動をスタートさせています。この「29」はどんな意味が込められているんですか?

鈴木 肉です、肉(笑)。ノリで決めました。

――この集団に属するマッチョの方々は、それぞれ本業をやりながら「マッチョ29」の活動もされているのでしょうか。

鈴木 インストラクターや他の業種など、本業を持っているメンバーもいますし、「マッチョ29」の活動だけで生活しているメンバーもいます。僕は「マッチョ」を職業にできたらいいと思っています。あれだけの筋肉をつける人たちって、生活のほとんどを筋肉に捧げてるんですよ。筋肉コンテストで優勝しても、それだけで食べれられる賞金は貰えないんです。日本はそういう文化だから仕方ないことなんですが、僕らは「芸能」という仕事で道を作って、この活動だけで生活できるようにしたい。職業=マッチョを作れたら面白いし、何か変えられるかなって思っています。

――鈴木さんが、「芸能」という業界で尊敬しているのは誰ですか?

鈴木 「細くて中性的な男性が格好いい」っていう文化を作り出して、日本に根付かせたジャニー喜多川さんはすごく尊敬しています。逆に、黒いテカテカのマッチョ=性的というイメージを作った、チョコボール向井さんのことも本当に尊敬してます! 現役の時を知らない僕らの世代でも有名なくらい、チョコボール向井さんが残した文化はすごいと思います。

――チョコさんが「黒いテカテカのマッチョ=性的」というイメージを作っちゃいましたけど、マッチョ29のメンバーたちの方向性って、性的なアプローチではないですよね。そもそもマッチョのタレント集団にしようと思ったのは、何故ですか?

鈴木 ただ単純にマッチョがたくさんいると絵面が面白いんじゃないかと思いました。ボディビル大会の様子なんかを見ると、異質で面白いじゃないですか。でもテレビではズラッとマッチョが並ぶ絵は見かけないな、と。巨乳アイドルさん勢ぞろいとか、肥満芸人さん勢ぞろいとかはあるのに、マッチョはないぞと。テレビ画面に5マッチョ映っているだけでもだいぶ面白い。それが個人的にずっとツボなんですよ。単純に僕のツボっていうだけです(笑)。

――今夏、とあるイベントで「マチョ氷」という企画を出展していましたよね。イマドキ珍しい手動のカキ氷機を、マッチョが渾身のパワーで回して氷を削り、筋肉を見せつけるという……。その時のチェキ撮影会で女性の方々が長蛇の列になっていて衝撃的でした。

鈴木 インスタ層のおかげです。インパクトがあるから投稿しやすいし、その投稿写真を見て興味を持ってくださった方がイベントに遊びに来て下さって……という好循環があります。それと男性の場合、セクシー系の女性アイドルさんがオッパイを強調した衣装だとテンション上がる方は多いんですけど、多分女性も同じで、発達した胸筋とか割れた腹筋にテンション上がるっていう気持ちはあるんじゃないでしょうか。それに、昔から、強い男はモテるじゃないですか。筋肉を鍛えているからケンカが強いかどうかは置いといて、見た目的にはマッチョは強そうですよね。

――今回イベントにお邪魔させていただいて、「マッチョ29」の皆さんが、ファンの方たちと非常にフランクに会話をすることに驚きました。ファンの方たちも、おしゃべりに来てる! って感じがしました。

鈴木 マッチョ企画は全部、“大人の文化祭”って感じなんですよ。ファンの方たちの見方もそこまで一面的ではないはずで、元気なマッチョとのおしゃべりを楽しみたい方もいれば、筋肉を性的に見てる方もいらっしゃると思いますし、マッチョを可愛いマスコット的に見てる方もいたり。あるお客様から頂戴した意見なんですけど、彼らと会ったり話したりしてると、小さなことで悩んでる自分が馬鹿らしくなるんですって。うちのマッチョたちは体もデカけりゃ声もデカいし、ノリがいいんです。男性のお客さんも来てくださるのですが、マッチョと触れ合って、大笑いして帰られる方もいますよ。

(撮影:尾藤能暢)

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