「バカ田大学 夏期講座」コシノジュンコ講師

「流行なんてバカバカしい」コシノジュンコが語る、第一線であるための流儀

2016/10/30 21:00
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登壇したコシノジュンコ氏

 2011年にNHK連続テレビ小説『カーネーション』でファッションデザイナーである母・小篠綾子氏の生涯が描かれたほか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 文化・教育委員に就任するなど、近年さまざまな面で注目を浴びているデザイナーのコシノジュンコ氏。

 そんな中、今夏、赤塚不二夫生誕80周年記念企画として「バカ田大学 夏期講座」が開催され、9月29日にはコシノ氏が講師として登壇した。これまでに本企画では、斉木しげる氏、田原総一朗氏、しりあがり寿氏など錚々たる著名人が教鞭に執ってきた。赤塚イズムの「バカ」を、さまざまな解釈を通して再発見するものとして、各々が独自の仕事論、クリエイティブにまつわる話などを自由に語り、各回盛況を博している。

 今回はコシノ氏の講座の模様をレポートする。

■コシノ作品のルーツとなっている、岸和田だんじり祭り

 この日の講座では、これまで手掛けた仕事の話、自身のルーツや美意識、仕事観など、世界で活躍するコシノ氏ならではの話を聞くことができた。登壇するや否や、ゴールドを基調としたワンピースを身にまとったコシノ氏のオーラに、会場からは驚きと感嘆の声が漏れる。

 話はまず、地元で行われる岸和田だんじり祭りについて。高校2年生までだんじりを引いていたなど、「昔から走ることが大好きだった」というコシノ氏。祭りの日には人口20万人の街に100万人が訪れ、一本の綱を子どもも大人も一緒になって引いた思い出を話しながら、「子どもの頃の体験は一生影響する」と現在の視点で過去を振り返る。

 昼は男たちを中心に、怒声が飛び交う中で荒々しく綱が引かれ、夜は提灯が付けられただんじりがゆっくりと引かれていくという、昼夜で違った顔を見せるのが特徴的なだんじり祭り。コシノ氏は、「騒がしい昼と静かな夜という激しさと優雅さ。この極端な美は、私の作品のコンセプトになった」と、だんじり祭りから受けた影響について話す。

 続けて、「『こんな服を誰が着るの?』という突拍子のない、当たり前ではないものは永遠に生きる。当たり前で普通なものはすぐに廃れてしまう。だから流行なんてバカバカしいし、古くならないためには誰もやらないことを思い切りやるしかない」と、前衛的な作品を生み出し続けているコシノ氏ならではの流行観についても語られた。

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