• 「どんなカラダでもあなたは綺麗」を女性たちに伝えたいから、ヌードを撮り続けていく。/フォトグラファー・花盛友里さんインタビュー

「どんなカラダでもあなたは綺麗」を女性たちに伝えたいから、ヌードを撮り続けていく。/フォトグラファー・花盛友里さんインタビュー

モデルやタレントだけでなく、一般の方でも、撮影後にフォトショップや加工アプリで修正することが当たり前になってきている昨今。そんな中で、修正をしない“ありのまま”のヌードが一番キレイ、という考えから、今年2月に“女性が楽しむヌード”をテーマとした写真展「脱いでみた」を開催されたのは、フォトグラファーの花盛友里さん。なぜ“ヌード”にこだわるのか、“女性のためのヌード”とは一体どういう意味なのか……お話を伺いました。

◎ハローキティのおもちゃカメラから

――カメラに興味を持ち始めたのは、いつ頃ですか。

花盛 中学2年生からカメラは触っていて、友達とか空とかを撮っていました。その時に使っていたカメラは、プラスチックのキティちゃんのおもちゃのカメラでしたけど、それで撮っていたのが楽しくて。

――キティちゃんのおもちゃカメラを、一眼レフカメラに持ちかえたのは?

花盛 中学校を卒業してから1年間アメリカに留学していたんですけど、ホームステイ先のおじさんが芸術家で、一眼レフカメラが部屋に転がっているような環境だったんですよ。納屋もあって、そこには画家や、若手のファッションデザイナー達が集まったりしていて。その時に、一眼レフカメラで、誰かをモデルにして写真を撮る楽しさを教わった気がします。

――アメリカ留学の目的は何だったのですか?

花盛 ただの若気の至りです。何だか海外に憧れたりする年頃じゃないですか(笑)。 交換留学とかではなくて、アメリカにある普通の公立高校で高校1年生を過ごしていました。1学年に1,000人くらいいて、アメリカのティーンムービーにあるような感じで、ランチする場所はすごく広い空間で、私みたいなめっちゃミニサイズの日本人がちょこんと。最初はほんま過酷で、大変でした。

――語学学校ではなく、公立の高校に1年間通うのは、すごい行動力ですよね。アメリカ滞在中に、撮影の腕も磨かれましたか。

花盛 一眼レフカメラとの出会いはありましたけど、学校では、そんなに頻繁に何かを撮影するということはなかったかなぁ。アメリカでの高校生活1年間が終わって、帰国して高校2年生から日本の学校に戻ったんですけど、バイトを始めて、そのバイト代を貯めて一眼レフカメラを買いました。それから、写真をめっちゃ撮るようになりましたね。

――それは、趣味としてでしょうか、それとも高校在学中、すでに写真の世界で仕事をすると決めた?

花盛 まだ悩んでいる時でした。私が留学していた学校では、洋服を作るための最初の工程のパターン(型紙)をひいていく授業があったんですね。その作業が楽しくて、洋服を作りたいなって思い始めていて。将来のことを考えた時に、“洋服を作る仕事”と“写真を撮る仕事”「どっちにいこう?」って考えていましたね。

――結果、写真を撮る仕事を選んだ理由はどこにあったのでしょう。

花盛 洋服を作るって、1人で作業しようとするとなかなか難しいし、私、細かいことは不得意だったんでしょうね。その当時、矢沢あいさんの漫画でアニメにもなっていた『ご近所物語』(※服飾デザイン科に通う高校生が主人公。デザイナーになり、自分のブランドを持つ夢を実現させるために奮闘するストーリー)が流行っていたから、影響を受けていたのかも。でも、写真は1人でも素人でも撮ればいいですからね。

――バイト代で手に入れた一眼レフカメラで、たくさんの写真を撮られたということですが、最初から花盛さんの被写体は人間だったんでしょうか?

花盛 メイクをした友達に、それに合った洋服を着させたりして、作品撮りみたいなことをしていました。だからといって、撮り溜めて作品集を作ろうとか、そんなことは全く考えていなかったんですけど……通っていたのが単位制の高校だったんですけど、先生も好きなことを伸ばしてくれるような方で、「友里、写真撮ったんやったら、飾りー!」って言ってくれていたので、撮った写真は、学校の壁に貼らせてもらっていました。

◎友人に「ちょっと脱いでみようか」

――その当時からヌード撮影を?

花盛 高校の時はキャミソールとパンツの姿を撮影していたかなぁ。ヌードは、専門学校に入った頃くらいからですかね。高校時代の友達を引き続き撮っていたんですけど、脱がすようになった気がします……「ちょっと脱いでみようか」って(笑)。

――友達とはいえ、躊躇なくヌード撮影に応じてくれるものなんですか?

花盛 単位制の高校は、年齢も様々だし、本当に個性的な子が多かったのもある気がします。もちろん仲良しだった限られた友達ですけどね。お泊まりで一緒の部屋にいても、パンツ姿や裸で歩き回っているくらい、めっちゃ仲良くて、シャワーとかも一緒にしたりするくらいやったし。「今日、どの服着て撮る?」っていうのと同じ感覚で、「脱いだのも撮ってみよう!」って、ごく普通に撮っていましたね。その中で「ちょっと違う部屋を背景にして撮ってみよう」とか「この光で撮ってみよう」って、撮影の仕方に変化をつけて楽しんだりしてました。あと、なんか“ヌードを撮る”ってカメラマンっぽいじゃないですか(笑)。あとは、専門学校時代の友達も、ヌードを撮るということは普通だったから、男女の友人同士が裸で撮影し合ったりしてましたよ。客観的に見たら、不思議な光景でビックリすると思う。さすがにそれは私も衝撃やったなぁ。

――花盛さん自身、男性のヌードも撮影していたんですか?

花盛 私の場合は、男性の裸には全然興味なくって撮らなかったですね。私は、被写体は女性の方が好き。確かに男性の裸は、女性にはない筋肉とか、魅力を感じる女性も多いと思うし、私も腕の筋とかは格好いいなと思うことはありますけど……でも、上半身くらいでいいかな。全部脱がしたくないですね。個人的には、セーターを着ている男子が好きですっ!

――セーター男子、わかります。花盛さんの場合、カメラを手にした当初、影響を受けた写真家の方はいたんですか?

花盛 当時、写真家のHIROMIXさんがめっちゃ流行っていたんですよ。HIROMIXさんは、ずっと人間を撮っていて、その写真たちがすごく素敵で。あと、同じく写真家の蜷川実花さん。蜷川さんのファースト写真集(※『17 9 ‘97―Seventeenth September ninety‐seven』/メタローグ 98年に出版)って、主に妹さんを被写体とした作品だったんですね。それも本当に素敵だったんです。HIROMIXさんも蜷川実花さんも、とにかく格好いい作品ばっかりだったんです。私の撮る被写体に人間が多いのは、このお2人も影響しているのかもしれないですね。

◎「寝起き女子」は“みんなそのままでも可愛い”というメッセージ

――2014年に発売された写真集『寝起き女子』。これは17名のモデルさんだったりタレントさんだったりが被写体だということもあって、“寝起き”を装いつつ実はこだわった演出をされているんですか?

花盛 3名の方は撮り下ろしなので、部屋を借りて“寝起きという演出”ではありますが、その他の14名の女子たちは、行く時間だけ伝えて、本当に朝に彼女たちの自宅に行って撮影しました。

――えっ!!正直、「寝起きっていっても、元々可愛い子ばっかり!」って思いました。

花盛 この写真集はね、私自身が寝起きを見たい子を選んでいます(笑)。あと、こだわったのは、ショートカットの子も選んでないんですよね。ショートの寝起きは、寝癖とかも含めて難しいんですよ。女子でショートで、可愛い寝起きが出来る人は、最高に美人っていうことですよ。

――昨年からはインスタにて、毎月第2、4週の月・水・金で「寝起き男子」をアップしています。「寝起き女子」と同じように、日程と時間を伝えて撮影しているんですか?

花盛 「寝起き男子」はもっとガチです。日にちだけは伝えてますけど、時間も伝えずピンポンで起こしています。でも男子って、眠りが深くてすごい寝起き悪くて、ピンポンくらいじゃ起きない人も多い。それを自分でわかっている人には、鍵を開けといてもらって。入ってしばらく撮っていても全然起きない子とかいます。あまりに寝入っていると「起きてくださーい」って起こしたりすることもありました。

――「寝起き男子」の男性も綺麗ですよね。

花盛 めっちゃ男前を選んでますもん(笑)。モデルさんとか読モとか一般の方もいますけどね。

――一般の方はどうやって見つけるんですか?

花盛 周りの人に「男前知らん?」って聞いたりとか、一緒に仕事をしているエディターのツテで聞いたり。本当は一般の人をもっと増やしたいなと思うんですけど、なかなか難しいんですよね。確かに男前なんだけど、「寝起き男子」は、“男前”というだけじゃなくて、寝起きの腫れぼったいけど“いい目”をしてる。とか、寝癖の感じとか、私の求めるイメージとはちょっと違うんだよなぁとか。

――モデルさんは特に、カメラ慣れしているでしょうし……起きてから、格好つけちゃったりしないものなんでしょうか。

花盛 実は、撮影前に、その人のインスタとかめっちゃチェックします。一枚の写真だけを見て、被写体を決めることは絶対にないです。インスタとかSNSで、自分をよく見せているだけの写真で出来上がっている人は、寝起きにも格好つける。もしかしたら、めっちゃ早くから起きて、スタンバイしている可能性もあるから……。そんな予感がする人は選ばないです。

辿り着いたのは、“一般人の女子のカラダ”っていうシンプルなもの

――今年2月に個展「脱いでみた」を開催しましたよね。インスタで一般の女性9名をヌードモデルとして募集したというのが衝撃的だったんですが……いきさつを教えていただけますか?

花盛 最初は、東京の色んな場所(外)で、脱がせて撮りたくて。日本や東京らしさを感じるところで撮影して、その作品を海外に持っていきたい! って思っていたんです。例えば、日本らしく満開の桜の木の下だったり、東京のコインランドリーやスーパー、そしてラブホだったり。その撮影の時は、プロのモデルさんをお願いしていたんですよ。その頃はヌードよりも、下着って可愛い! という想いが強くて。女性って下着でテンション上がったりするじゃないですか。私も大好きだし。下着可愛いし、女の子可愛いし、世界の誰が見ても好きなんちゃうかな?って思ってやっていたんですけど、「やっぱり、ちゃうな」って……。

――そこまで、はっきりとしたビジョンがあったのにも関わらず、新しいテイストのものを撮り始めたのはどうして?

花盛 撮影を進めているうちに、もっと……シチュエーションだけじゃなくて、「自然体の姿、女の子のカラダだけでも、充分綺麗やな」って思いはじめてきたんです。そもそも、“東京を舞台に”と描いたビジョンも、その前の『寝起き女子』で、柔らかい雰囲気の作品をものすごく撮っていたから、真逆のこと(エッジィな雰囲気の作品)がやりたい衝動に駆られて。だから、東京の街とモノとモデルさんで……と、尖ったイメージをつくりあげていたんです。ただ、やっていくうちに「やっぱり、ただ綺麗なものを撮りたいなぁ」って思うようになって。それから、“女子のカラダ”っていうシンプルなものを撮るようになったんです。

――学生の頃の原点に戻った感じですね。

花盛 だけど、撮っていく中で今度は、「綺麗な人だけ撮っていて、意味あるんかな?」って思いはじめたんですよ。というのも綺麗な女の人のヌードを撮って、その作品を見せて「女の人のカラダって綺麗やで」って言っても説得力ないじゃないですか。

――「そりゃ、モデルさんですからねぇ」と思いますよね。

花盛 でしょう? もうひとつ、一般の方を撮ると嬉しいことがあって。作品作りではなくてプライベートで、今まで一般の方のヌード撮影もしたことありますが、写真の仕上がりを見てすごく喜んでもらえるんですよ。カラダにコンプレックスがあって自分では綺麗だと思っていなくても、写ってみると「お願いしてよかった」「残せて良かった」って……そういう言葉を貰っているうちに、「やっぱり一般の人を撮らないと意味ないかもしれん!」って思うようになったんです。

――たくさんの自問自答を繰り返して、一般の方からのモデル募集を決めたんですね。

花盛 そうです。それで「脱いでみた」の個展を開催することが決まってから、インスタで募集したんです。「女子のカラダって素敵。どんなカラダでもあなたは綺麗やで」っていうのを伝えて説得したかったから、インスタで募集した時も「写真も添付しなくていい」ってお伝えしたんです。“20歳以上”というのと、人となりが少しはわかるような情報源となるURLだけ教えてもらうのを条件に、募集をしたんです。

――9名の方を選出しましたけど、応募はどれくらいきたんですか?

花盛 めっちゃきましたよ。30名以上は送ってきてくれましたね。未だに「撮って欲しい」って言う人から連絡いただきます。

――今、自撮りも含め、自分自身が写っている写真を、不特定多数の人が閲覧しているSNSに投稿することが、ごく普通にやっている人が多数いますが、“ヌードを撮らせる”という点で、時代の変化を感じたことはありますか?

花盛 きっと、昔から、みんな脱ぎたい願望はありましたよ。だけど、今はSNSというものがオープンにする機会を増やしているんだと思います。文明の変化ですよね。『寝起き女子』が発売されてから、同じように自分の寝起き写真をツイッターでアップする方とか結構いましたしね。受け取る側も、ここまでSNSが普及する前は、自分の写真をアップしている人に対して、困惑してしまう感情の方が強かったと思うけど、今の時代って見せるのが当たり前みたいな感覚なのかな。と思います。

◎シャッター音が気持ちを高揚させていく

――なぜ「撮られたい」んでしょう。ルックスに自身のある方だけが応募してくるわけではないですよね。

花盛 自信がある方もいらっしゃると思いますけど、コンプレックスを克服したい、っていう方もいっぱいいましたよ。大体一般の方だし、撮ったことも、撮られたこともないし、ましてや裸なんて……だけど、「自分を好きになるために撮ってほしい。残したい」って言ってくれる人もいましたね。

――「花盛さんなら、きっと素敵に撮ってくれるんだろうな」っていう期待感を持って応募されたとしても、やはり「はじめまして」の人の前で“脱ぐ”というのが……ハードルが高い気がするんですよね。

花盛 確かに、すっごい悩んで、悩んで、送ってきて下さる方もいっぱいいらっしゃいました。でも、悩まれてるうちに締め切り日が過ぎていたっていう(笑)。「募集します!」っていう瞬間に、すごいスピードで応募してきてくれた方たちって、ずっと「撮られたい」っていう気持ちがあったんだと思うんですよね。「失恋したばかりで、今痩せているから撮ってほしい」っていう方もいらっしゃいました。今の自分を残したい。という思いがあるのだと思います。

――どういう環境で撮影されたんですか?

花盛 撮影はAirbnb(エアビーアンドビー)で部屋を借りて、余計なシチュエーションとか背景などは特になしで。1人1時間の撮影で、1日で撮影しました。

――1日で撮影ですか! 9名だから9時間撮り続けていたわけですね。でもたった1時間で、撮影という状況に慣れていない素人の方を撮るって……花盛さんとしては、自然な感じを撮りたいけど、どうしても緊張感が出てしまうのではありませんか?

花盛 時間もないし、一瞬にして私に心を許してもらわないといけないし、なんせ、即、脱がせないといけないわけですからね。いつも私が携わっているような、女性誌や音楽誌などに掲載するためのポートレート撮影だったら、ヘアメイクの時間があっておしゃべりして、「最初だけ、カーディガンとかバスロープとか羽織ってからやる?」とか出来るけど……「こんにちは~! じゃ……脱ごっか?」ですからね(笑)。 でも、やっぱり緊張していると感じたら、その人に合った感じで、頭を切り替えてもらえるよう努力はしますね。

――例えば?

花盛 場所(背景)を変えたりとか、 “本人が気付いていないけどすごく綺麗な部分”を最初に撮ることからはじめたりする時もあります。「あ、この人はお尻はイヤなのかも」っていうのを感じ取ったら「ここのラインすっごい綺麗やから、ここを撮ろう!」って撮影して、本人に見せると「私、こんな綺麗な部分あったんだ」って発見があって自信がつくから、そうすると、もっと見せようって気持ちが変わっていってくれたりするんですよね。

――花盛さんの洞察力が鋭いんですね。

花盛 友達といる時は全然発揮されないですけどね。1対1の被写体との関係では大事ですよね。「あ、今めっちゃ緊張したな」とか、瞬間の相手の気持ちはちゃんと読み取ってあげたいって思っています。あと、盛り上げも大事。「今日私、こんな下着つけてんで!」って自分の下着を見せて距離感を近づけたり、撮影中も「ほんまヤバイで~、このカラダ~!」って言いながら撮ってましたね。あと、よく思うんですけど、シャッター音の効力なのかもしれない。シャッター音によって、って撮られている人の気持ちが高揚していくような気がします。

――「脱いでみた」のポストカードやポスターを見させていただいて……モデルさんと違って、一般の方達のリアルな美しさに引き込まれますね。すごくリアルなのに、妙なエロさがなくて。

花盛 私自身、男性が好むような“エロ”のヌード写真じゃなくて、同性である女性の目に魅力的にうつるヌード写真が撮りたいんです。そして、化粧で足していく「綺麗」じゃなくて、見てくれている人に向上心を持ってもらえる作品にしたいっていう想いがあるんですよね。年齢を重ねるごとに、変化していく体型に対してもネガティブになりがちですけど、モデルさんたちを見て「あの人になられへん」っていうネガティブな感情じゃなくて、身近な“女性”を見て「今の自分も綺麗や」って、ポジティブな感情になってほしい。

――アイドルの写真集のように、一般の方でもインスタやfacebookでの自撮り投稿で“加工”することが当たり前のようになっていますが、花盛さんは加工や修正に対してどう思いますか?

花盛 う~ん、あまり好きじゃないです。インスタの色味の加工なんかは楽しいから使うけど私自身加工ソフトの使い方がよくわからないくらい、使ったことがない。例えば、撮った方にアザがあっても消さないようにしていて。それも含めてその人の綺麗さだと思っているから。

◎将来は、家族写真もヌードも撮れる「花盛写真館」

――私生活では、結婚されて、お子様もいらっしゃるんですよね。

花盛 2013年に結婚して、2014年には息子を出産して今、2歳です。

――母親になってから、プライベートで撮る写真の被写体はもちろん息子さんになったり、変化はあると思いますが、フォトグラファーとしても、視点が変わったりしたのでしょうか?

花盛 とにかくもう、プライベートは子供の写真ばっかり。ほんま息子ばっかり。昔は、ごく普通に景色だけでも撮っていたのに、今は、この景色に息子が入らなきゃ意味ないやん! ってなっているんですよ(笑)。 結婚して出産したことで、被写体に対してどこかお姉さん的目線になったかな、と感じることはありますね。「寝起き男子」やメンズを撮る時も、変な緊張感がなくなって、「かわいいな~」と思っちゃったり。緊張感があった方がいい場合もあるんですけどね。正直、出産するまでは、ちょっと怖かったんですよ。

――怖かった?何がですか?

花盛 自分が母親になることで変わる部分があるのは当然ですけど、自分が撮る写真も変わってしまうんじゃないかって思って、すごい不安になったもりしたんです。でも今は、“今までの自分”と“お母さんになった自分”が合わさって、視野が広がった気がしています。

――お子様がいることで、写真を撮るペースも今までとは変わってきましたか?

花盛 写真をもっと撮りたくなっているかもしれないです。というのも、子供がいることによって、やっぱり写真を撮れる時間が限られてきているから、フォトグラファーとして、自分が劣化しないように、集中的に写真を撮ることを大事にしたいです。出産前は長いスパンでやっていけばいい、と思ってたけど、今は自分だけの時間じゃないから、「寝起き女子」の時は妊娠中に営業に行って、撮影して、出産して、産後2~3カ月の時に校了・入稿してました。今まで築き上げてきたものも失いたくないし、これからもフォトグラファーとして活動していきたいっていう気持ちが強くて、産前・産後は頑張りました。

――今後、新しく考えている企画や夢はありますか?

花盛 今、『脱いでみた』を出版できるように頑張っている最中です。そして、また撮り下ろしをして、今度は関西のほうで個展したいなぁって思ってます。京都の小民家でしたいなぁ。将来は、写真館やりたくて。「花盛写真館」を開くのが夢なんです。小さい頃から毎年撮りに来てくれてる子に「ボク、大きくなったね」って迎える場所にしたいんですよ。で、ヌードも撮れるっていう。

――夢が盛りだくさんですね。

花盛 それで、将来は地方で暮らしたい。長野がいいです。ゆかりはないけど(笑)。ヌードはライフワークとして。ずっと撮っていきたいなと思っています。

――最後に……スマホでも誰でも簡単に実践できる、上手な撮り方を教えてください!

花盛 携帯に連写機能がついているから活用した方がいいですよ。「ハイチーズ」で1枚だけ撮るのってうまく撮れないですけど、連写機能使って撮影すれば、必ずどれかはいい写真があります。あと、お父さんとお母さんを撮る時とかは、話しながら撮ります。「ちょっと顔を見合わせてみてや~」「イヤやわ、そんなん~」って言ってる間にバババババって連写します。自然な、いい表情の写真が撮れますよ。

(編集部)

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