【連載】永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報21

国会中継は知名度を上げるチャンス!? 議員が有名になりたがるワケ

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Photo by MIKI Yoshihito from Flickr

 国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。

■なぜ予算委員会でスキャンダルを質問?

 臨時国会の会期中ですが、今国会の目玉は、補正予算の審議です。予算といえば予算委員会で、NHKがリアルタイムで中継することも多いですよね。ただ、じっくり委員会中継を視聴する方もなかなかいないとは思いますが……。

 ところで、「なんで『予算』委員会なのに、スキャンダルとか国家予算に関係のないことを質問しているの?」と疑問に思われることもあるのではないでしょうか。神澤も子どもの頃から不思議でした。政府予算案の是非を審議するはずの場で、総理大臣の愛人問題とか、各種不正疑惑などのスキャンダルを取り上げるのは、違和感を覚えますよね。

 秘書になってわかったことは、予算委員会だけが質問内容に制限がなく、唯一の「なんでも質問していい委員会」なのだということです。ほかの委員会、例えば農林水産委員会であれば、質問できるのは農林水産政策、またはそれに関連する事柄についてのみですし、具体的に審議する法案が決まっている場合は、その法案に関連したことしか質問できないのです。

 しかし、予算委員会だけは、何について質問をしてもいいのです。特に私たちが「テレビ入り」と表現する、NHKで中継される予算委員会で目立つ質問をすると知名度も上がるため、議員たちは張り切って質問します。質問の持ち時間は議院運営委員会が各会派の所属人数などで決めますが、実はけっこうウラがあります。このお話もいずれまた。

 新人議員や日頃目立たない議員には、なかなかテレビ入りの時に質問の順番は回ってきません。そんな中で、やっと巡ってきた短時間にどう質問するかは、チャンスである以上にその議員のセンスが問われる試練でもあります。

 たぶん野党は、「追及している姿勢を国民に見せなければいけない」と思い込んでいるのでしょうね。何かと詰問調で総理はじめ、閣僚に問いただしている姿を見ることが多いです。海外の方たちからすると、討論の場である委員会で、詰問調というのは理解できないようです。それは、皆さんも同じかもしれませんね。とにかく、目立とうとする議員が多いので、そういう視点で中継を見ると面白いかもしれません。

 でも、テレビ入りの時に質問をする議員の秘書たちは大変なんですよ。だって、放送中はずっとクレームの電話が事務所にかかってきますから。電話が鳴り響くので、自分のボスの質問の様子を見ている余裕なんてありません。議員事務所にクレーム電話をする「マニア」が全国に大勢いるようで、通常の電話がつながらず、悲惨な状態になるんです。

 こういう苦労を議員たちは知らず、華やかな場を求めて、予算委員会のテレビ入りで質問をしたがるんですよ。時には、目立ちすぎて自滅することもあるのに……。過去には、目立ちすぎてバッシングを受け、自殺に追い込まれた議員もいました。知名度が上がることは、いい面ばかりではないのです。

 ここにきて、年内に解散総選挙があるかもしれないと言われ始めているので、この機会に知名度を上げたい議員たちがどのような質問をするのか注目です。

目立てばいいってものでもない

しぃちゃん

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