【連載】ヤリマン女の性生活報告

「ハプバーと素人投稿写真雑誌」セックスのためにジム通いするヤリマンが性を解放したきっかけ

第2回 OL チアキ(後編)

(前編はこちら)

■ハプバーと素人投稿写真雑誌が、性のリミッターを外した

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チアキさん

 愛知県で暮らしている、40代のOLチアキ。「絶対にセックスの誘いを断らない」という彼女のセックス観を決定付けたものが、2つあるという。

「私のセックス史において衝撃だった、リミッターを外すきっかけになったのは、“ハプバー(ハプニングバー)”と“素人投稿写真雑誌”。“こんな人たちがいるんだ!”“仲間いっぱいいた!”って思って、私も“これでいいんだ”って思えたんだよね。あと、人前でのセックスって見た目のいい人がやるものって思ってたんだけど、投稿雑誌を見たら、太ったオバサンがすごいことしてる(笑)。それに、ハプバーに行ったらキレイな子でもチヤホヤされてなかったり、デブで気のいい子の方がモテモテだったりすることもある。ああ、“セックスって、ぱっと見で決められないものがあってすごいな”って思ったんだよね」

 晴れてリミッターが外れたチアキは、東京へのハプバー通いを始めた。今から5年ほど前に知人に連れられて行ったというその場所で、彼女は数々の伝説を作った。名古屋で生活し、東京でセックスをするようになったのも、この頃からだ。

「生活圏とセックスを分けてて、セックスした相手に道で見かけられても嫌だったから、東京に行くっていうのはすごくよかった。あとで思ったんだけど、ハプバーってセックスが絡むから、人間関係がグチャグチャになってる人がいっぱいいたのね。カップルで来てた人が揉めたり。でも私は名古屋だから、“関係ありません”って帰れるじゃない?」

 東京=セックスするところ。東京自体が、チアキにとってはデカい風俗店のようなものだったのだろう。

「楽しいんだよね。あの非日常の感じ? ディズニーランドやスノボー行って楽しいのと全く同じ」

 そんな、楽しいハプバー通いの日々に達成した不滅の記録が、「1日で27人と連続セックス」である。

「ハプバーが開くのが15時なんだけど、その時間から行って、閉店の翌朝6時まで一歩も出ないで、ずうーっとヤッて26人。でも1人、閉店までに間に合わなかったから、その辺のホテルでヤッて、ホントは27人。あと1時間あれば、もっとヤレてたと思う。時間の問題だよね」

■セックスのためにジム通い

 こういう展開を想定して、いつも宿を取らずに上京している。ヤリマンは、いつも背水の陣。しかし、なぜそこまで人数を? と思う向きも多いだろうが、彼女はできるだけ多くのセックスをこなすために、血のにじむような努力をした。

「“ハプバーでいっぱいセックスするために、どうしたらいいのかな”って思って、お洒落したり、メイクしたり、テクニック磨いたり、いろいろしてみたんだけど、結局、好みって人それぞれじゃない? 太ってるのが好きな人もいれば、痩せてるのがいい人もいる。じゃあ何かって考えた結論が、体力だったの」

 そこで彼女は、セックスのためにジムに通い始めた。

「朝までヤリ続けるには、まず“寝ない”ってことと“体力”だと思って。お酒なんて飲んじゃダメだから、ハプバーの“バー”の部分はいらない。お酒飲まないのは、セックスの気持ちよさがわからなくなるからっていうのもあるよね。お酒で気持ちいいのか、セックスが気持ちいいのかが」

 行動のすべては、セックスのため。

「あとはそこに15時間もいるから、だいたい店でフードを注文したり、外出して食べたりって人が多いんだけど、それをやると休憩しちゃうから、リスタートに時間がかかって目いっぱいいけない。だけど15時間食べないと『ハンガーノック現象(激しく長時間にわたるスポーツ時に、極度の低血糖状態になること)』になっちゃって危ないから、シャワー浴びる時にウィダーinゼリーを飲んでエネルギーを補給しながらヤッてましたね。だって、自分がやりたいことがやれなかったら嫌でしょ? ディズニーランドに来て乗り物に乗らないなんて、バカみたいじゃない? “10人とヤッて疲れてるから、この人とヤレない”っていう、そんなガッカリは嫌。だから普段はジムで走ったり泳いだりして体力作って、金土日は東京に行く」

 ハプバーに通い詰めて1年ほどで、経験人数は飛躍的に伸びた。今は千数百人じゃないかという。100人は10代でいった。最初は熱心に、名前と年齢をノートにつけようかと思ったが、100を超えたらホントにどうでもよくなったそうだ。そして、意外なことに、ハプバーでのヤリマン伝説が独り歩きし、チアキはイベントやメディアで引っ張りだこになった。

「私がすごいヤる人だってわかったら、みんながおもしろがってくれて、女の子が“話聞かせてください”って来たりしてビックリしたの。私もともと女の子と仲良くできると思ってなくて、それまでは“誰にも言うまい”って思ってたんだよね。でも、最初にロフトプラスワンっていうライブハウスの100人以上のお客さんの前でしゃべったらすごいウケて、“セックスで人を楽しませられるんだ”って思って」

 今まで、“ヤリマンの作家”“ヤリマンの女優”“ヤリマンの芸能人”等々、ほかの肩書付きでメディアに出るようになった女性はいたと思うが、チアキに至っては、肩書が“ヤリマン”としか言いようがない。その意味では、“ヤリマン”として有名になった最初の人物なのかもしれない。

■10人の向こう側にいる人ともヤる

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バッグの中身

 では、なぜチアキがここまで各種イベントでウケているかといえば、そのヤリっ放しな人生のせいもあるが、それは彼女の口から出るその言葉である。まず衝撃的なのは、“10人に誘われたら何人くらいとセックスする感覚か?”という質問に対しての答え。

「もちろん10人とやるし、私はその10人の向こう側にいる人ともヤる。私は日頃の人間関係もそう思っていて、“いい会社の合コン行ったけど、いいのがいなかった”なんて言ってるのを聞くと、“そいつはダメでも、そいつの同僚はいるわけだから、そのコネクション、ツテをみすみす捨ててどうするんだろな”って思うの。いきなりダメ出しはないなって。簡単に1人を断ることで、それ以上を捨てることになるんだから」

 まさにネットワークビジネスのような性的関係の築き方といおうか。セックスの相手を、目の前の人間だけで捉えていない。これは前回の有奈めぐみと同じで、性の対象である男を《点ではなく、線で捉えている》といえるだろう。

 続いて、“一番気持ちよかったセックスは?”という問いに対する、“ない”という回答。

「だって、一週間前に食べた米の品種って覚えてないでしょ?」

 ただ誤解しないでほしいのは、彼女にとってセックスが、日々の惰性で積み上げられるものではないということ。チアキのセックス観は、その数千の男たちとの経験を経て、極めてリベラルな持論に行き着いている。もはやセックスの技術格差はほとんどないと言い切るのだ。

「世の中に、そんなにセックスがヘタな人っていないよ。それよりも、うまいヤツが酔っぱらってダメなときの方がよっぽどダメだよ! ヤリチンだって風邪ひいてたら“箸にも棒にも~”だよ。それ考えたら、うまくない人のセックスの方が全然気持ちいい。すごいうまい人とすごいヘタな人って、そんなに変わらない。それはそれとして、“なにがダメなの?”って感じ。ヘタなのも、セックスのうちの1個じゃんって」

 これは、驚くべき量をこなしてきた人間にしか言えない言葉だ。我々一般とは、ものさしの目盛りが違いすぎる人間の、“聞くに値する言葉”だ。

「うまくてもヘタでも、全部好きなんだから。わかるよ、(うまい人の)良さは。“うまい人とまたやりたい”って思うし、“この人、ヘタだな”ってのもわかるけど、じゃあそういう人と二度とヤラないかっていうと、そうではない。『かつぜん』(銀座のトンカツの名店)を必要以上に崇めないし、『かつや』(ご存じトンカツチェーン店)を見下さないってことかな。だって、どっちもトンカツじゃない?」

 そこまで悟ったような言葉を吐きながら、果たしてチアキはセックスになにを見いだしているのだろうか?

「相手の人が喜んでたら、それは喜びになるよ。“ありがとう!”とか言ってくれたら、うれしいじゃん。人助け? けっこうあるよ(笑)。おなかすいてる人に、ご飯作るようなもんだよ、“ほら、食べてきなさい”って」

 ならば、チアキ自身の欲望は、一体どこに向かっているのだろうか?

「性欲が強いかどうかは、比べたことがないからわからないけど、ほかの人よりはたくさんヤレるんだと思う。“大食いの人”がみんなとバイキング行って、“えっ、もう食べないの?”って思うのと一緒。おなかいっぱいにはならないんだよね。“まだあるんだったら食べようよ”って思う。だからといって、一人前で不満ってこともない。“食べていいよ”って言われたら、全部食べられるってこと」

 言っていることはフードファイターのそれであるが、セックスの話である、念のため。どこまでも、セックスの人生なのである。確かに、チアキの口からは、社会規範やモラルとは程遠い話しか出てこない。労働や生活、結婚、血縁、それらすべてから独立したところに、チアキのセックスがあるからなのだろう。チアキの思うヤリマンは、「性に対して奔放で自由な人」。だから、彼氏にセックスは求めない。

「彼氏の条件は、セックスじゃないかな……人柄とか性格の方が重要。それと、“アタシのことを、どれくらい好きか”」

 チアキの人生はセックスがほとんどであるが、辛うじてそれだけではない。
(文・写真=福田光睦/Modern Freaks Inc.代表/@mitutika

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