特別インタビュー

【嶽本野ばら】収入は電子書籍の印税「月100円」?家族に“媚びて”過ごす故郷・京都での日々

【サイゾーpremium】より>

――作家・嶽本野ばら氏が久しぶりの新刊を上梓する。これまで自らの言葉であえて語られることのなかった、秘められた思いとは?

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(写真/三浦太輔・go relax E more)

 2015年4月、所持していた危険ドラッグに麻薬成分が入っていたとして、作家・嶽本野ばらが逮捕された。過去には、『下妻物語』(小学館)や『ロリヰタ。』(新潮社)といった乙女心を追求した小説が女性ファンを中心に支持を集め、“乙女のカリスマ”とまで呼ばれた氏だが、07年にも大麻所持によって逮捕されており、薬物による逮捕は2度目のことだ。

 あれから1年5カ月――氏が書き下ろしエッセイ集『落花生』(小社刊)を刊行する。およそ30年ぶりに戻った故郷・京都での麻薬依存症治療、母・妹との同居生活、その中で味わった苦境が著書には綴られている。

「(15年に)逮捕された時は、全然蓄えがなくて。裁判費用や引っ越し代を払ったら無一文という状態で、京都に戻ったんですよ。昔だったら定期的に不労所得が入ってきてたんですけど、最近は電子書籍の印税で『月100円』とかですから(笑)。ほとんどないに等しい状況です」

 これまで『下妻物語』が映画化されるなど、ヒット作を生んできた氏だが、月にわずか数百円~数千円程度の印税しか見込めない現在、まともに生活するのは難しい。

「今は家族に養われている状態なので、食べることは食べられるけど、外に出かけるにもお金がかかっちゃうし、できることといったら作品を書くことくらい。薬物治療で通っている精神科病院に行くことが、唯一の楽しみみたいな生活です。しかも、これまで誰に対しても媚びなかった僕が、今は家族に媚びまくっていますからね。養われているという負い目があるし、母や妹が不機嫌にならないように、面白いことを言ってみたりして」

 1998年に作家デビューして以降、著作の売り上げは順調に伸びていたが、最初の逮捕によって潮目が変わったという。

「1度目の逮捕のあと、本の売り上げが一気に減っちゃったんです。だから2度目の時は、相当悲惨な状況になるのだろうと、覚悟してました。でも、意外と変わらなかったんですよね。昔は、自分の支持者がどれぐらいいるのかって、数字では見えなかったんですけど、今はSNSなんかでそれが見えてしまうじゃないですか。僕のツイッターのフォロワーが1万人ちょっとで、その中で作品をちゃんと読んでくれてる人って、2割くらいだと思うんです。きっとその2000人くらいが、すごく売れても、今のようになろうとも、常に僕のフォロワーでいてくれる数じゃないのかなって気がしてます。

 僕の作品って“はしか”みたいなもので、ある年代になったり、ある程度社会経験とかを経たら、醒めていく。通過点なんですよ」

 自身への評価は冷静。かと言って、残りの8000人を取り込もうと、“読者に”媚びたりはしない。今回上梓する『落花生』でも、文体も態度も、これまでの“野ばらイズム”が相変わらずだ。

「もともと僕は、フリーペーパーっていうインディーズな媒体から出てきて、そこでの連載(『それいぬ-正しい乙女になるために-』)を国書刊行会という、これまたインディーズのような出版社で単行本化し、小説デビュー(『ミシン』)もそれまで文芸の部署がなかった小学館からと、常にインディペンデントなところで始めてきました。そして今回は『サイゾー』という、これまたインディペンデントな新興勢力の出版社から復帰作を出します。今回のエッセイには、デビュー作の時のようなインパクトが必ずある。そもそもエッセイが書きたくて作家になったので、エッセイは僕にとって、小説よりも大事な文章表現の仕方なんです。内容も、装丁もかなり攻撃的なものになっているので、期待は裏切りませんよ」

 嶽本野ばらが戻ってくる。今回はどれほどの人がはしかにかかってしまうのか――かつてその洗礼を受け、通過儀礼を終えた者として、注目したいところである。

(文/高橋ダイスケ)

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嶽本野ばら(たけもと・のばら)
京都府生まれ。小説家・エッセイスト。 1998年に『それいぬ-正しい乙女になるために-』(国書刊行会、後に文春文庫)でエッセイストとして、2000年には『ミシン』(小学館)で小説家としてデビュー。代表作に、『下妻物語』(同)、『エミリー』(集英社)、『ロリヰタ。』(新潮社)など。

★「落花生」試し読みはコチラhttp://cyzo.tameshiyo.me/9784866250663

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