最近のおかしなCM

「個人の感想です」「演出です」過剰反応CMの細かすぎる「注意書き」、どこまで広がる?

activacm.jpg
ダイハツ公式サイトより

 目下、テレビ業界全体を覆っている「コンプライアンス」という言葉。日本語で「法令遵守」といい、つまりは社会の規範に背くことなく良識に基づいて行動するという意味だが、これが業界人のクリエイティビティを萎縮させているのではという向きもある。
 
「コンプライアンスという言葉が独り歩きした結果、“とにかく視聴者やスポンサーからクレームが来ないようにすること”という一義的な解釈が広がりました。例えば番組の会議で、ある企画が面白そうだと判断されても、『太った人を差別している』とか『動物虐待だ』といったクレームが来たら怖いから、やっぱりやめておこうといった話にはなりますね。とはいえ、これは視聴者にはまったく関係のない話。プロならその範囲で面白いことを考えろ、という意見はもっともです」(制作会社AD)

 そんなマスメディアの中で、最も視聴者からのクレームを恐れているのが、テレビ局にCMを出稿している企業だ。それは、CMに流れる「注意書き」に如実に現れている。

 例えば、ふとんクリーナーの「レイコップ」。UVランプを照射して、ふとんの奥に潜むダニやハウスダストを叩き出すという優れ物で、日本では2012年の発売以来、累計出荷台数400万台を突破している。

 さてこの大ヒット商品、もともと内科医がハウスダストアレルギーの予防のために開発したものだが、そのCMの「過剰反応ぶり」に驚く。というのも、「医師が快眠のために作ったのがレイコップ」というナレーションとともにCMの画面には白衣を着た男性が登場するのだが、画面の下には「白衣はCM上の演出です」というテロップが入っているのである。
 
 つまりは、「画面に映っているこの白衣の男性は本物の医師ではありません、CMのために起用した役者ですよ」と言いたいのであろうが、クレーム対策でここまで注釈を入れるとは恐れ入る。

 企業の“自主防衛”はまだある。家具・生活用品メーカーのニトリで売られているソファのCMでは、ソファの中の構造を示すため、真ん中を真っ二つに切っているのだが、ここにも「CM上の演出です」と入っている。CMは商品の良さをアピールするためのもの。一見、真っ二つにして何が悪いと思うが、視聴者の中には「もったいない!」「子どもがマネして二つに切ったらどうしてくれるんだ」とクレームを入れる者もいると考え、“防衛”しているのだろう。

 金融会社アイフルのCMでは、忍者が屋根伝いに走りながら、また水の中に潜りながらスマホで話しているのだが、ここにも「CM上の演出です」というテロップが入る。これはどんなクレームを想定しての注釈なのだろうか? 歩きスマホがマナー違反といわれている中で、走ったり水の中で電話をかけているのはよろしくない、と目くじらを立てられることを恐れているのか? まさか常に自らを律し、死と隣り合わせのなか使命を全うする忍者ともあろう者が、率先して風紀を乱すような行動をとっているとは! というふうに怒る視聴者までも想定して、テロップを打っているのではあるまい。

 ダイハツの自動車「キャスト・アクティバ」のCMでは、若手俳優・山崎賢人がタツノオトシゴのくるりと丸まったしっぽに、指をからませている。そのときに「特別な許可を得て撮影しています」と出てくる。誰が、水族館などの専門機関の許可を得ずに勝手に撮影していると思うだろうか?

 そして、「個人の感想です」。このフレーズもよく聞く言葉だ。「皇潤プレミアム」というヒアルロン酸サプリのCMでは、女優の倍賞千恵子が子犬を散歩させている映像に、「倍賞千恵子です。皇潤、始めたんですよ。これからも毎日元気に歩きたいから。ほんとに始めてよかった。家族も喜んでくれてるみたい。これはほんと、たくさんの人に実感してもらいたいですね」という本人のナレーションが入っている。
 
 そして、その間ずっと「個人の感想です」 というテロップが表示される。わざわざ名女優に語らせておいて「個人の感想」と片づけてしまう、その突き放し感……。

 こうした注意書きで違和感のないものは、金融会社の「収入と支出のバランスを大切に」や「無理のない返済計画を」か、医薬品の「これらの医薬品は『使用上の注意』をよく読んで正しくお使いください」くらいではなかろうか。

 ちなみに前出の制作会社ADの弁。
 「スポンサードしている企業が、ここまで『自主防衛』している今、例えばテレビドラマでも『ドラマ上の演出です』、バラエティ番組でも『個人の感想です』と事あるごとに入れないといけなくなっていくのかもしれません」

 この、いきすぎたクレーム対策は、どこまで広がりを見せていくのであろうか……?
(後藤港)

日本臓器製薬くらいぶっ飛んでるCM待ってる

しぃちゃん

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク

アクセスランキング

  1. りゅうちぇる、ビジネス結婚報告の手法
  2. 「二度と仕事したくない」勘違い女優
  3. 葵つかさ「ヌード披露」で売名説激化?
  4. 芸能プロ震撼させた「暴露ブログ」
  5. 「GENKINGの二の舞」とウワサの芸能人
  6. 「婦人公論」で小保方連載スタート
  7. 「臨場」シリーズもご臨終……。内野聖陽がショックのあまり白髪に
  8. 上戸彩、激ヤセ&髪バッサリで会見登場
  9. 香里奈『嫌われる勇気』、視聴者総スカン
  10. 『A LIFE』初回14.2%にテレビ関係者絶句
  11. ジャニーズ生写真売り上げ【12月】
  12. テレビとギャップありなジャニーズ
  13. “もう終わった”イケメン俳優3人
  14. 評判の悪い“二世タレント”を実名暴露
  15. GENKING、元カレ質問で大失態
  16. 藤原さくら、違和感だらけの起用
  17. 西内まりや、なぜ月9主演受けた?
  18. SKE48、“未成年飲酒”疑惑のツイート流出?
  19. 篠田麻里子、「老婆のように」劣化!!
  20. 松潤の飲尿プレイ疑惑にショック

ジャニーズの人気記事

  1. 葵つかさ「ヌード披露」で売名説激化?
  2. 『A LIFE』初回14.2%にテレビ関係者絶句
  3. ジャニーズ生写真売り上げ【12月】
  4. テレビとギャップありなジャニーズ
  5. SMAP・中居が熱愛報道に渋い顔

カルチャーの人気記事

  1. 「婦人公論」で小保方連載スタート
  2. 猫トラブルの原因は人同士のいさかい?
  3. 「捨てられる妻」の典型とは?
  4. こなれを捨てた「CLASSY.」が暴挙へ
  5. 「日本が独裁国家に」映画監督が警告

海外ゴシップの人気記事

  1. マイケル・ジャクソン再現ドラマに、娘・パリス「ありえないほどの侮辱」! 炎上騒ぎに
  2. ケイティ、年末年始に日本を堪能
  3. リアーナ、J. Loをアンフォロー
  4. 発禁レベルのジャケ写の洋楽アルバム
  5. カニエ、親族にゆすられていた