セックスした相手を特別扱いしないことは「嫌われる」一因になる/紫原明子×枡野浩一【1】

紫原明子×枡野浩一対談
「無計画」で「仕方ない」夫婦と男女~離婚と自立とセックスレスと~

最新小説『愛のことはもう仕方ない』(サイゾー)を上梓した歌人・枡野浩一さんをメインホストに、結婚・離婚・恋愛・家族・セックスを赤裸々に語りつくす対談シリーズ「心から愛を信じていたなんて」――。第1回ゲストはデビュー作『家族無計画』(朝日出版社)が発売され注目を浴びるエッセイスト・紫原明子さんです。

ふたりの共通点はともにバツイチ、つまり離婚経験者であること。そしてともに、かなり強烈な旦那さんと奥さんに振り回された、妻と夫であった(と認識している)ことです。夫婦論からスタートして離婚論、回を追うごとにキャバクラ論・新宿2丁目論、さらには不倫セックスレス論議にまで縦横無尽に突き進んでいきます。ジェンダーフリーかつタブーフリーな「無計画で仕方ない」対談のはじまりです。

(構成/藤井良樹)

◎「『家族無計画』は元気が出る本で、僕の本は実用性がない」(枡野)

枡野 歌人の枡野浩一です。今日は紫原明子さんをお迎えして、私たちの著作の発売記念としての対談です。(枡野、そう言いながら本を出し)あっ、間違えて、こっちの本出しちゃった。『絶望手帳』[注]……。

紫原 ええっ、間違いって、間違いがうますぎじゃないですか(笑) あまりに出してほしくない本……(笑)。

枡野 (『絶望手帳』は紫原さんの元夫の)家入一真さん[注]という人の本で、僕の短歌[注](手荷物の重みを命綱にして通過電車を見送っている)が引用されているんです。

紫原 そうですよね。

枡野 (本の)帯にも引用されていて。

紫原 (家入一真『絶望手帳』と紫原明子『家族無計画』[注]を)同じコーナーに置いてくださる本屋さんが多くて。斜め上とかに陳列されています。

枡野 (その2冊は)色合いとかも似ていて。素敵な。

紫原 でも私の本は希望に満ちた内容にしたつもりで。「絶望」とは正反対のものにしようと思って。

枡野 そうですね。

紫原 まぁ、彼の本を意識して作ったわけではないんですが。

枡野 なるほど。それで家入一真さんは、また選挙(東京都知事選挙)に出られるんですか?

紫原 はっ!? やっはっは……。

会場 (笑)

紫原 本当にタイムリーで。その話、ほんとありがとうございますって感じなんですけど(笑)。最近、cakesというサイトで『家族無計画』のプロモーションの一環として、『あの都知事選と離婚』[注]というまえがきを無料公開したんですけど、それがちょうど舛添さん(舛添要一元東京都知事)が「これから辞任します」って表明した日で。記事がけっこうバズって……。元夫は苦々しく思ってるかもしれませんね。「蒸し返すなよ!」って。

枡野 忘れてしまいたいことなんですかねえ?

紫原 みんななかったことにしてほしいと思ってるんじゃないでしょうか……。

枡野 それで絶望してるのかなぁ?

紫原 いろいろ言われますもんね。「公約はどうなった!?」とか。

枡野 ああ……。

紫原 「『インターネッ党』[注]はどうなった!?」とか、よく言われるみたいです。

枡野 僕は家入さんとは共通の友人がいて……。『美人時計』というサイトの創業者で実業家のHくん……。

紫原 ああ、Hさん。

枡野 (それで家入一真さんの)お名前はよく知っていて、「家入さんが有料メルマガを始めたけど全然書かない」って(当時のネットで)けっこう話題になってたんですよ。

紫原 けっこう問題になってましたね。

枡野 みんなで騒いでいて……。僕、当時、メルマガを始めていて。(メルマガ『毎日のように手紙はくるけれど』[注])。わりと毎日毎日、真面目に書いていて。だから(逆にメルマガを書かないことに)「すごいな、この人、度胸あるな」って思っていて。

紫原 けっこう深刻なことになっていたみたいで。いまはもう編集者の人がひとりついているので、順調に発行されているはずです。

枡野 そうなんですか。なんかいろいろありましたもんね。お金を請求されたとか。Twitter上で。なんか(家入さんって)見えやすいところでやるんですよね。

紫原 そうなんです。(ギャランティが)支払われていないイラストレーターの方と(未払いでTwitter上で揉めたとき)、その方の奥さんが参戦してきて、もっと炎上が広がったり。そのイラストレーターの方はどうも奥さんと揉めていらっしゃったんですよ。女性問題が起こっていて。

枡野 複雑なんですね。

紫原 奥さんが「そんな、あんた、(家入さんに)文句言ってるけど、あんただって女関係ドロドロでしょ?」って……。そうしたら(ブロガーで投資家の)山本一郎さんにブログで「もう奥さん同士で話し合えば?」って書かれたことがありまして。

枡野 Twitterって恐ろしいですね。

紫原 インターネット村って本当に怖いなと思いました。

枡野 怖いですね。僕、自分の離婚のときにまだTwitterがなくて本当によかったと思っていて。

会場 (爆笑)

枡野 時々、男性が女性に嫌われて、しょぼ~んとしたツイートを始める人がいるんですよ。ほんとに気の毒で……。

紫原 Twitterの怖さってツイートの内容だけじゃなくて、行間が見えてしまうというか、ツイートされてない時間に何かがあったことが見えてしまうことですよね……。

枡野 すぐ(まとめサイトに)まとめられちゃうしね。

紫原 そうですね。まとめ方で、いかようにも編集できますもんね。

枡野 それで、そんなふうにダンナさんを知って、まだお名前が「家入明子さん」だったときに文章を読んでいて、実際にお目にかかったときにはもう名字が「紫原」になっていたんですけど。そのとき僕、「紫原明子さんて何者だろう?」って思ってて、家入明子さんと一致しなかったんですよ。だから、ご挨拶もろくにせずに失礼しました。

紫原 とんでもない。

◎「みんな寛容って言ってくれるけど、元夫はそう思ってないと思います」(紫原)

枡野 それがついに今度、本を出されたという……。本はずっと読ませていただいて。それで僕は、自分の本がなんにも実用性がない本なんですね。

紫原 そんなことはないと思いますよ(笑)。

枡野 でも『家族無計画』はとにかく読むと元気になるように書かれていて。今日もさっきAmazonレビューを見たら僕の本はゼロ件で、紫原さんには2~3件満点がついていて。

紫原 あはは。ありがたい。

枡野 “誰も敵にしたくないです”とか(の紫原さんの文章態度すごい)。あの、自分は(まわりを)敵にばっかしてるから……。痛いレビューを読みましたよ。

紫原 でも私は枡野さんの本を拝読して、すごく悪意あるコメントというか中傷的コメントも「そうじゃないですよ」って丁寧に返信されてるところに優しさを感じたというか……。

枡野 それを優しさと感じる人は優しい人なんですよ。それをヤな奴と思う人はヤな奴なんですよ。

紫原 あはは。それで、枡野さんと最初に会ったのは田中開くんっていう田中小実昌さん[注]のお孫さんと枡野さんがトークイベントをされたときでしたよね。

枡野 田中小実昌さんっていう直木賞作家がいて、その娘さんが田中りえさん[注]っていって、僕、その人大好きなんですよ、結婚したいくらい好きで。その息子さんが田中開くん。

紫原 その開くんはうちの子どもの数学の家庭教師をやってくれていたんです。

枡野 そうなんですか。

紫原 そういうご縁があって……。それでトークイベントのとき、枡野さんがとても落ち込んでおられて。

枡野 僕、いつでも落ち込んでいるんです。

紫原 いつも風邪をひいていて、いつも落ち込んでらっしゃるというか……。

枡野 今日は風邪が治っているのでよかったです。

紫原 口数が少ない印象で、けっこう暗い方なんだなっていう……。

枡野 暗いんですけど。

紫原 けどこれ(『愛のことはもう仕方ない』)を拝読して、なんか暗いけど、ひょうきんな方なのかなって(笑)。

枡野 そういう風に思ってくださる方はいい人なんですよ。

紫原 あははは。

枡野 僕の結婚相手だった人は、僕がね、愚痴を面白い話のつもりで話すんですよ。「こんなことがあったんだよ」って……そうしたらそれを“この人(枡野)は愚痴ばっかり言ってる”って……。それを本人に言ってくれればいいのに、まわり(の人にだけ)には言ってたらしいんですよ。漫画家だったんですよ、別れた奥さん。

紫原 あははは。

枡野 自分の喋り方が全然伝わってなかったんだっていうショックがありましたね。

紫原 ただ、そっち(奥さんが捉えた枡野さん)が本当かもしれないっていうか……。パートナーには他に見せないとこ見せるじゃないですか?

枡野 う~~ん、どうでしょうねえ……。

紫原 たとえば私のことをすごく寛容って言ってくれる人、多いんですけど。でも元夫はそうは思ってないと思います、絶対。

枡野 そうか! 僕ね、きっとね、あんまりそこで区別がないことがダメだったと思う。

紫原 ああ……。

枡野 つまり、妻だった人にも他の人にも、全部同じ態度で接してしまうんですよ。

紫原 あ~~!

枡野 愛って、えこひいきじゃないですか?

紫原 そうですよね。

枡野 それが自分にはないんですよ、ちょっと。

紫原 執着とかもないんですか? 奥さんに対して?

枡野 だから、僕のこの本、『愛のことはもう仕方ない』に書いたんですけど、僕は全然肉体関係がない女性にも好きな人がいて、その人と…肉体関係がある人との差が……あんましないんですよ、僕の中では。

紫原 ………。

枡野 むしろ、肉体関係のない人とのほうが素敵な関係を持ち続けていられる、みたいな。そういう話をしたら、すっごく嫌がられました、妻に。

紫原 あはははは!

枡野 「なに、それ!?」って。

紫原 肉体関係を持ってしまうと何が変わるんですか、逆に? 想い続けていられなくなる?

枡野 たぶんね、セックスをしないといいやつなんです、僕。

紫原 じゃあセックスすると?

枡野 すると面倒くさいんじゃないかなぁ。態度が変わるとかじゃあないんですよ。

紫原 セックスが面倒くさいんですかね?

枡野 優先順位が低くて、性的なことの。セックスしてる人とセックスしてない人の差がない……。してる人のことを優しくしたりとかしないんですよ、あんまり。

紫原 でもなんか、(肉体関係を持つことで)距離が密になることによって、ふたりだけの世界ができるじゃないですか?

枡野 そういうのヤなんですよね。

紫原 イヤって……気持ち悪いってことですか?

枡野 なんか……ほら、あんまり僕、経験も少なくて、つきあった人も少ないんですけど、一晩すごしただけで「下の名前で呼んでいい?」って聞かれたことがあって。「いやだ」って答えて、別れたことがあります。

紫原 そういう話聞くと、「枡野さん、嫌な男だなぁ」って思ってしまいます(笑)。

枡野 ほんとですよね……。

紫原 そのためにヤッてるみたいなもんじゃないですか! 女性としては!(笑)

会場 (笑)。

枡野 でもその人も訊かなきゃいいじゃない、そんなこと。訊かずに「浩一」って言えばいいじゃない。訊かれたらさぁ、「いやだ」って言うしかないんですよねえ……。

紫原 や、でも、訊かずに「浩一さぁ」って言われても、それはそれで嫌なのでは?

枡野 でも、ちょっと引きますけど、それだとなんとなくペースに巻き込まれて終わるじゃないですか。

紫原 う~~ん……はぁ……。

枡野 今はね、もちろん当然、当時の自分は子どもだったんだなって思いますよ。そんなことぐらいでね、相手にイラつくなんてね、「おまえはまだ修羅場を知らない」と。

紫原 もっと引くことがあると。世の中には。

枡野 と、今は思いますけど。

「もしかしておふたりは童貞くんとヴァージンさんだったんですか?」(枡野)

(サイゾーイベントスペースにて)
(サイゾーイベントスペースにて)

紫原 そうですかあ……。元奥さんには嫉妬とかしなかったんですか? この本の中にも(元奥さんの)前の旦那さんとか後の彼氏さんの話はけっこう出てきますよね?

枡野 妻の男性関係、たくさん知ってるんだもん。バイセクシャルだったんですね、前の奥さんて。だから(つきあっていた)女性も知ってるし。こんなこと言っていいのかな……元妻って誰かの愛人だったことがあって。そのある人(元奥さんの元愛人)の記事とかもよくネットで流れてくるんだもん。偶然見ちゃう……。だからできるだけ見ないようにしてるの。(元奥さんの)前の旦那さんの本、すごく好きだったんだけど、なるべく読まないようにしてたんですね。ところがある日、古本屋さんに入ったら、目の前にブワーンと、僕に見ろとばかりに本が置いてあったことがあって。ついふらふらと見ちゃったことがあって。

紫原 なぜ見ないようにしてたんですか?

枡野 やっぱり礼儀として。情が移っちゃうと。前の旦那さんは漫画家だったんですね。亡くなられたんですけどね。

紫原 はい。

枡野 嫉妬かあーー! やっぱり(元旦那さんへの)嫉妬ってありました?

紫原 別に、目の前で浮気されてるとかじゃないので。目の前では良い夫なんですよね。嫉妬に狂って怒るというよりは、期待に応えてくれなくて怒るほうが多かったですね。どちらかというと。

枡野 期待かあ。それで、出会ったとき(元旦那さんは)21歳だったんでしょ? 紫原さんは18歳?

紫原 17歳ですね。

枡野 犯罪ですね(笑)。

紫原 (地元の福岡に)『紳士服のフ○タ』っていう安い紳士服屋さんがあるんですけど、そこに1万円くらいの安いスーツセットがあって。(元旦那さんは初めて会ったとき)その安いこげ茶色のスーツを着ていて。すごいダサいこげ茶のスーツ……。「フ○タでしょ?」って言ったら「フ○タだよ」って。でも仕事が成功してお金持つようになると、だんだんオシャレになっていって。

枡野 あの、旦那さんイメージして僕、今日、帽子をかぶってきたんですよ。

紫原 どうもありがとうございます(笑)。

枡野 余計なことしました(笑)。敢えて聞きますけど、出会った頃、旦那さんって女性経験はどうだったんですか? もしかしておふたりは童貞くんとヴァージンさんだったんですか?

紫原 元夫はどうかわかりませんが、私は違ったんです(笑)。私は性に対する関心が強くて、割と。

枡野 17歳で?

紫原 そう17歳で。

枡野 じゃあ(家入さんのことは)年上だけど童貞かなって思ってたんですね。スーツもフ○タだし。

紫原 そうですね。

枡野 あのね、男性は苦労をともにした(いけてない時代の自分を知っている)奥さんのことをむしろ忘れたいっていう心が働くから。だからミスターチルドレンの桜井さんとかも(売れてしまってから)別の女性にいってしまったという説がありますよね。

紫原 そうなんですね。元夫を見てて思ったのが、男の人ってコンプレックスをバネにのし上がっていく人が多くて。夫だけじゃなく、他の実業家の男性とか見ていても。でも成功してスタイリッシュになったからといってコンプレックスを克服できたかのかといえば、コンプレックスがあったことがコンプレックスになってるっていうか……。輝かしい道を辿ってないことがコンプレックスになっちゃってますよね。

枡野 (元旦那さんでいえば)美大(美術大学)に行きたかったとか?

紫原 夫がどうかはわからないですけど、一般的に、昔からイケイケの男じゃなかった人、スクールカーストの下のほうだった人がそれを克服しても、ずーっと後々まで残るもんじゃないのかなと……。まぁ、人のことなんでわからないんですけどね。

枡野 紫原さんはむしろクラスの人気者タイプだったんですか?

紫原 全然……。私も早くからインターネットを知ってしまって、椎名林檎とかを聴いて、リスカしてる人のブログを読む……みたいな。あはは。

枡野 17歳らしいですね。

紫原 17歳で「死にたい死にたい」みたいなのをブログに書くみたいな。

枡野 ポエムをね(笑)。なんかインターネット始めると、みんなポエムを書くんですよね。

紫原 なんかアンダーグラウンドのドロドロした背景画像を使って……血みどろの赤黒いやつ……。そういうときありますよね。

枡野 僕、加藤千恵ちゃん[注]という歌人の女の子が(知りあった)当時17歳だったんですけど。その子の短歌が良かったから(僕がプロデュースして)本にしたことがあったんですけど。今や『オールナイトニッポンZERO』のパーソナリティやったりして売れっ子になってるんですけど。その加藤千恵ちゃんのひとつ上くらい?

紫原 私は82年生まれ、33歳です。

枡野 芥川賞の綿矢りささん(84年2月生まれ)とか加藤千恵ちゃん(83年11月生まれ)とかと同世代なのかな? それを考えると、あのときの17歳がいまこんなにご立派になってみたいな感じですよね……。

紫原 82年生まれでいうと(神戸連続児童殺傷事件の)「酒鬼薔薇聖斗」とか、西鉄バスジャック事件の「ネオむぎ茶」とかが、みんな同世代ですね。

枡野 そうですか。そういう本、お書きになるといいですね。これはいい切り口じゃないでしょうか。

紫原 1982年生まれという時代。

枡野 (紫原さんは)インターネットへの接し方がすごく洗練されている感じがして。この文章の書き方とかも、僕はいちいちツッコまれたら反応しちゃうんですけど、書き方も最初からあんましみんなを敵にしないように書いてる感じも良くて。どう考えても大人ですよ、『家族無計画』のほうが。男性性があるくらい、あるベクトルに向かったちゃんとした文章になってる……。

紫原 私が枡野さんの本を拝読して思ったのは、枡野さんの本は「男性らしくないといけないの?」っていう、そこに正面から抵抗されてるっていうか……。本の元になった連載の『神様がくれたインポ』[注]も、男性らしさに抗うってことかなと思ったんですけど……。

枡野 はい。

紫原 私の周りって経営者やビジネスマンの方が多くて。正面から敵にぶつかってもしょうがない世界なんですよね。ビジネスって、隙間を縫って入って、いつの間にか当たり前になっている――みたいなやり方がけっこう多くて……。なんかそっちのほうが自分が楽というか、抵抗が少ない分、ひょひょいって自分を楽な状態にもっていけるなっていう思いがあって。敵を作らないようにはしているんですよ、そういう敵を作らないようにしつつ、自分の好きなようにやる、楽なように持っていくやり方がいいと思っていて。それを狙ってやっているというか……。

枡野 すごいですね。

紫原 周りからすれば、面白くはないと思います。闘ったほうが見世物としてはおもしろいじゃないですか?

枡野 まあねえ。でも(敵ばっかり作って闘ってばかりいる僕としては)ちっとも楽ではないですけどね。

紫原 あはははは。

[第1回目の注釈]

■『絶望手帳』
家入一真の編著書。≪ポジディブ啓発書に傷ついてきた人たちへ、今を生き抜くための最終兵器的一冊。ニーチェからニートまで。偉人、有名人、一般人の「絶望名言」を219点掲載! 「僕はよく「死にたい」と言います。これは、「生きたい」と同義語です。今、多くの人が弱さをさらけ出せずに悩んでいます。だからあえてネガティブな言葉を集めたいと思ったのが、この本のはじまりです。」――家入一真。引きこもりから起業、当時最年少で上場を果たした起業家・家入一真。本書は、彼のアイデアに共感した編集チームが、古今東西の「絶望」の言葉を集めた名言集です≫(amazon内容紹介より)

■家入一真
1978年生まれ。企業家・実業家・政治家・作家。20代で企業したネット事業を成功させ、会社の株式上場を果し。数十億円の資産を得る。だが、わずか2年後にはその資産をほぼ失ったといわれている。2014年には東京都知事選挙に立候補した。著書に『こんな僕でも社長になれた』『我が逃走』『絶望手帳』などがある。

■僕の短歌
『絶望手帳』に収録された枡野浩一の短歌。 <手荷物の重さを命綱にして通過電車を見送っている><ギクシャクと向こうからひょろひよろはショーウインドーにうつった自分>

■『あの都知事選、と離婚。』
ウェブサイトcakes記事。 https://cakes.mu/posts/13224

■『家族無計画』
紫原明子のデビュー著作。≪「正しい家族」は、もうやめた。キャバクラで月2000万円豪遊、思い余って都知事選に出馬。「日本一炎上しがちな夫」こと起業家・家入一真氏と18歳で結婚し、即出産。31歳で離婚し、腹をくくって社会人デビュー。ネット育ちの新世代エッセイストが、なにかと息苦しい現代家族の渦中から“寛容”と“自由”を提言する。強く愉しく新しい〈家族論〉エッセイ≫(amazon内容紹介より)。朝日出版社刊。

■『愛のことはもう仕方ない』
枡野浩一の最新小説。サイゾー・刊。宣伝コピーは「嘘つきな男たちへ。正直者を受け入れられない女たちへ」。帯文は「人があなたを理解してくれないなんて、当然ではないですか! ――中村うさぎ」。

■インターネッ党
家入一真氏が東京都知事選挙に立候補した際に立ちあげた政治団体。中野区長選をスタートに、2020年までに東京23区の全ての区長選挙に候補者を擁立することを宣言していたが、結局、候補者を擁立しなかった。現在では党の公式サイトも閉鎖され、活動停止状態とされている。

■『毎日のように手紙は来るけれど』
メルマガサイト『まぐまぐ』の枡野浩一による有料メルマガ。以下、枡野浩一による紹介文。≪前略。私は女優の加藤あいさんに短歌をおしえる先生役でCMに出たこともある有名な歌人です。このメルマガの名前は、《毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである(枡野浩一)》という一首からつけました。「手紙」を「メール」や「電話」におきかえたバージョンもあるのですが、あえて「手紙」という言葉を残しました。週三回以上、可能なかぎり毎日のように届けたいと思います。短歌が一首だけの日もあれば、長い長い論考の日もあるでしょう。すべての言葉は、あなたへ宛てた手紙です。どうぞよろしくお願いします。草々。≫

http://www.mag2.com/m/0001272552.html

■田中小実昌
1925年生まれ、2000年没。小説家、翻訳家、随筆家。1979年、『ミミのこと』『浪曲師朝日丸の話』の2作品で直木賞を受賞。往年の深夜番組『11PM』をはじめとして、テレビドラマ、映画、CMといった様々な場面で活躍。ピンク映画でカラミを演じた事もある。代表作に『ポロポロ』『香具師の旅』など。

■田中りえ
1956年生まれ、 2013年没。小説家。田中小実昌の娘。著作に『おやすみなさい、と男たちへ』『ぞうさんダンスで、さよならモスクワ―シベリア鉄道で行ってきたよ』『中沢けい・田中りえの部屋』(中沢けいとの共著) 『ブレーメンから飛んで、チベットに着陸』『ちくわのいいわけ』がある。

■加藤千恵
1983年生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。高校生時代に処女短歌集『ハッピーアイスクリーム』でデビュー。短歌集としては異例のヒットとなる。その後は小説も手掛ける。作家の朝井リョウとともにラジオ番組『オールナイトニッポンZERO』パーソナリティも務めた。最新の著作は『アンバランス』『ラジオラジオラジオ!』。

■『神様がくれたインポ』
枡野浩一がmessyに連載した「小説」。毎回のコメント欄に枡野を非難する投稿が相次ぎ、一部で話題となった。連載のすべてが『愛のことはもう仕方ない』に収録された。

◆枡野浩一
歌人。1968年東京生まれ。小説『ショートソング』(集英社文庫)ほか著書多数。短歌代表作が高校の国語教科書(明治書院)に掲載中。阿佐ヶ谷「枡野書店」店主。二村ヒトシさんとのニコニコ動画番組『男らしくナイト』(第1回は9/24夜)、中村うさぎさんとのトーク企画『ゆさぶりおしゃべり』(第1回は10/7夜)など、最新情報はツイッター【@toiimasunomo 】で。

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