一ノ瀬文香の「夜のお店で働いてみた」レポート

SMバーに女1人で行く楽しみとは? 縛りや鞭打ち体験だけじゃない魅力

2016/08/24 15:00

■性的な会話がオープンにできる空間

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自分を解放して!

 苦笑といえば、会話の流れで「処女の定義」についてお客さんたちと議論になりました。私はレズビアンで、男性器を挿入された経験はありません。でも指や道具を自分の膣に挿入したことはありますし、女性に指を挿入する側になったことは数え切れないほどあります。議論の結果、性行為をしまくっていてもチ◯コを自分の膣に入れたことがなければ、世間では「処女」と言われるだろうという答えに落ち着きました。自分が処女と言われようがそうでなかろうが、どっちでもいいのですが……。

 ということで、私は働いている途中から「新人の処女です! よろしくお願いします!」と、初めてのお客さんたちにご挨拶していきました。すると、お客さんも従業員も苦笑。私は処女のイメージを壊してしまうダメな存在なのでしょうか……(笑)。ただ、苦笑はされるものの「新人の処女」とご挨拶すると、「どういうこと?」と聞かれ、会話のネタにはなりました。どのお客さんも性的な会話をしても動じずにのってきます。

 初めて来店した異性愛の女性客の1人は、「私、ドMなんです~」と自らの変態エピソードを聞かせてくれました。そこで、「じゃ、私が履いているペニバンのディルド部分に、コンドーム付けて」と言ってみると、「私、コンドーム付けるの下手なんです……」と躊躇しながらも、席を立ってやろうとしてくれたんです。ところが、裏表が把握できていなくて、やはりうまく付けられません。「ノンケ(異性愛者)でコンドーム付けられないってダメでしょ!  ほら、こうするんすよ」と、私が自分でディルドを使って、付け方を教えました。コンドームは避妊のためだけでなく、性感染症の予防にもなり、大人のおもちゃを使うとき衛生的にもなりますので、性別も性指向も関係なく、ぜひスムーズに使えるようになってほしいなと思います。

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檻がテーブルになっています

 そんな中、女性客の1人がこう言っていました。「日常生活の中では性的な会話をすることができないけど、ここに来るとできるから、開放的になれて楽しい」と。従業員のコたちも堂々と性的な会話をしますからね。そんな楽しみ方もできる空間になっています。

 朝方4時まで楽しく働かせてもらった後、従業員にどんなお客さんが好かれるのかを聞いてみました。

 「そりゃ、気前良くて、飲み方がきれいなお客さんでしょ。お目当ての従業員が忙しくて代わりのコがついても、嫌な顔しないで普通に接してくれるようなお客さんは好かれるよね。気遣いを感じさせてくれるお客さんには、こちらも最大限楽しんでもらおうと思って、より接客がんばっちゃう! “慎みのあるマゾ”は大好き!」と、本音を教えてくれました。

 “慎みのあるマゾ”になる必要はないと思いますが……従業員も人間なので、1杯飲ませてあげたり、どのコでも普通に接してあげると、より自分が楽しめる環境にできそうですね。私もまた、お客さんとして楽しみに行きたいと思います。みなさんもいかがでしょうか?

アマルコルド
東京都新宿区新宿 2-18-7 S3ビル1F
03-6457-7477
営業時間 20時〜翌4時
年中無休
男性:チャージ60分 2.000円/延長60分 2,000円
女性:チャージ60分 1.000円/延長60分 1,000円

一ノ瀬文香(いちのせあやか)
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属タレント。コメンテーター、アクション女優。お酒は弱いのに飲み屋が大好き。特に新宿二丁目や三丁目、ゴールデン街あたりに16年以上前からよく出没している。六本木の高級クラブFの元ホステス(5年間)で、二丁目のミックスバーで雇われママをしていたことも。現在も二丁目のミックスバー“プチ!NATURAL“のプロデュースをしていたりと、水商売のプロでもある。2009年に週刊誌でレズビアンをカミングアウトし、2015年にはミュージカル女優と挙式している。プロフィール

最終更新:2019/05/21 16:48
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