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プロレスラーを夢見てカラダを鍛えていた20歳前後、たまたま見かけたAV男優の募集に応募し、トントン拍子に人気男優の道を開拓したチョコボール向井さん。慣れからくるインポや急性腰痛に悩まされながらも、スター街道まっしぐらだったチョコさんは、憧れのプロレス業界にも足を踏み入れることができました。しかし、そんな日常を一変させた、あの「逮捕」。一体何があったのでしょう。

駅弁・腰痛・インポ…チョコボール向井、AV全盛期を語る/インタビュー【1】

◎AV男優とプロレスラーのかけもちの日々

――チョコさんは、プロレスラーになるという夢も叶えられていますよね。

チョコ 99年の終わり、「FMW」というエンタメ路線のプロレス団体の興行に、AV女優が出演していたんですよが、男優も出してみようってことで、「チョコボールさんやってみませんか?」とお声をかけていただいたんです。エンタメ路線といっても、私は、本気でやってましたよ。AV男優として仕事してからちょうど10年ほどのタイミングで、夢だったプロレス界に戻れたと思って。2000年から7年間は、AV男優とプロレスラーのかけもちでしたよ。朝からAV撮影して、夜には後楽園ホール行って試合して……大変でしたけど、でも一番自分のやりたいことを出来ているのは、充実していましたよ。

――AV男優とプロレスラー、お仕事の比重としてはどれくらいの割合でやっていたんですか?

チョコ 私が団体に入った年は、プロレスの試合に月10本くらい出ました。後楽園で月1~2回、その他は地方公演に行くんですよ、東京から福井や九州へ。キャリー片手に日本中どこでも行っていましたね。どこかでAV男優っぽさを見せたくて、ヴィトンのベガスを愛用していました。チャラチャラして見えたかもしれないけど、プロレスの試合の時だけは、本人はいたって真面目。本当は、エンターテイメントな部分を求められていたでしょうから、最後に「えきべーん!」と叫びながらキメる「駅弁固め」という技は持っていましたけどね。

――お客さんが湧いたら嬉しいですもんね。

チョコ そうなんですよ。それがプロレスの世界に入ってよかったなって思うところ。回り回って、やりたいことをやれたんだなって。AV男優をやっていなかったらプロレスも出来なかっただろうし、プロレスラーに憧れて肉体を鍛えていたからAV界にも入れたし、どっちが欠けても成立しなかった。

――かけもちで多忙だったとは思いますが……結構稼いだんじゃないですか?

チョコ AVだけでも、デビューからの5年間は一番ピークで、年収2,000万円以上はもらってましたね。ボディビル時代は月に20万円だったのが、いきなり100万円以上ですからね。まず最初にロレックス買って、良い部屋に住んで。男優にもいろいろいますけど、ひとつだけほとんどの男優に共通する趣味があって……車なんですよ。200万円の車から始まって、1,000万円とか1,500万円とか、高級車に乗り換えました。当時は、加藤さんはフェラーリで、私はベンツで。1年に1回は買い換えていました。今考えたら、どれだけ勿体無いことをしたか。

――でも、それで現場に行くのが、格好いいわけですよね。

チョコ そこなんですよ~、それがステータス。周りがワーッとなって、箔がつくっていう。家にこだわる、いい車に乗る、それが90年代の一番ピークだった頃の欲望。そして2000年になってAV男優からプロレスもやって好きなこと全部叶えられたんだよね。一番有頂天だった時期です。

◎有頂天人生から一転……「逮捕」そして、転機

チョコ で、2004年、逮捕。これが人生の分岐点でもあります。一気に落っこちた。

――逮捕について、あらためて詳しくお伺いしてもいいですか。

チョコ 忘れもしません。知り合いが経営していた六本木のハプニングバー。ショータイムやるから協力してくださいって言われて、出演した。その1回目が大盛況だったから僕も気を良くしちゃって、翌月の出演も喜んで承諾して。でも、既に噂が広まっていて、警察がベッタリと内偵で入っていたんですよね。本番行為をした瞬間にピカピカって写真撮られて「はい、逮捕」って。23日間、拘留されました。保釈されましたが不起訴にはならず、執行猶予3年がついて。AV業界ってクスリ以外は寛大だから、撮影はすぐ復帰は出来たんですけどね、でも風当たりが強かったし、テレビなんて地上波の出演はダメだし。そういうので、2004年の逮捕時以降は、仕事量がガクンと減りましたね。

――かけもちしていたプロレスの仕事にも影響が出ましたか?

チョコ もちろんプロレスの試合も休み。あのときは辛かったですねぇ。夜中に捕まって朝5時頃まで取り調べが続いて。翌日も撮影の仕事が入っていたから、警察に「こういう事情で出られなくなりましたって、監督に連絡だけでもさせてください」って頼んで。主演作品だったのに、キャンセル。仕事をドタキャンしなきゃいけなくなったことが、人生で一番辛かった。正直、自分は調子に乗ってたんだなぁって思いますね。

――それでもAV業界は寛大だったわけですよね?

チョコ とはいえ、業界の全体的な流れが変わって、結局、僕の仕事は大幅に減少することになったんです。同じ頃、AVの制作本数が月に100本単位だったのが1,000本に到達する勢いで激増しました。女優さんもめちゃくちゃ増えたけれど、男優は基本的に50人程しかいなかった。そうすると男優の仕事は増えるだろうと思うかもしれませんが、逆に、目立つ男優は敬遠されるようになったんです。かわいい・キレイな女優さんを撮るのがAVのメインになっていって、男優なんて顔も声も映らない、存在感のない奴が一番いいと。キャラの立つ男優は敬遠される。そこで一番影響を受けたのが、加藤鷹さんとチョコボール向井。このころから仕事が目に見えて減っていきましたね。でもいい機会だからプロレスに専念しようと思って、2004年から2年間は男優3割、プロレスは7割。

――しかしFMWは02年に消滅してしまいましたよね。

チョコ そう、潰れちゃったんで、色んなところ渡り歩いて……最終的にはフリーでしたけど、その時が一番プロレスをいっぱいやりましたよね。そんな中で、プロレスを介して新宿二丁目のバーを仕切ってるオネエに出会いました。06年末にプロレスを引退したんだけど、「体も辛くなってきたから引退する」って話をしたら、「今後どうするの? バーをやりなさい」ってアドバイスされて、この店を始めました。だからこの店もAVと同じく、たまたまのなりゆきなんです。

――店舗経営はおろか接客業も初めてだったんですよね?

チョコ 初めて。飲食店なんてやるつもりなんか全くなかったし、考えたこともなくて。でも、なんか、いいや! って。AV男優もそうですけど、やりたかったプロレス以外は、僕はなんとなーくでやってるんですよね。

――「なんとなく」で、新宿二丁目で、10年も続けられるって凄いですよね。

チョコ なんとなくやる方が成功しちゃったりするんですよ。

◎ED治療薬を飲みながら撮影…サヨナラの向こう側

チョコ それからは、男優の仕事は減っていたのもあったし、減らしていたのもあったし、自分の中では、プロレスラーがメインっていう感じでしたから徐々にフェイドアウト。AV男優って言われるよりも、プロレスラーって呼ばれる方が好きで、気持ちは確かにAVから離れてましたよね。3年間くらいは、店をやりつつ男優もやってましたけど、それが一番辛かった。

――どうして辛かったんですか?

チョコ 今から7年くらい前だから、43歳の頃のことなんだけど。この店を始めてから酒をガンガン飲むようになって。AVの撮影は朝が早いんですが、遅刻は絶対したくなかったから、ほとんど寝ないで行って、お酒も残ってるからヘロヘロで。そうすると、さすがの私も感じましたよ……勃ちがだんだん悪くなる。そしてED治療薬のレビトラ、シアリスにちょっと頼って。こんなの飲むようになったら男優としてはもう終わりだなと思いながら。とにかく、男優の区切りとして20年間は全うしようと続けつつ、辞め際を考え始めましたね。店もオープンから3年経ちこのまま続けられる自信がついてきて、こっちでやっていこうって気持ちになって、引退を決意しました。最後の3カ月くらいは、引退ご祝儀みたいな感じでいっぱい仕事がきましたね。

――最後の撮影は覚えていますか?

チョコ 最後の撮影、最悪でしたよ。2009年12月27日、都内のホテルで撮影があって。年末だから、自分のお店も7~8人連れの団体予約が入ってるわけですよ。21時半から開ける予定だったんですけど、19時くらいには終わると思っていた撮影が押しちゃって、なんとスタートしたのが20時過ぎでしてね、「じゃ、チョコボールさん、ラスト! よーいスタート!」。でも、体内時計ってわかってて、正確に40分でキッカリで終わりましたよ。それが21時くらい。ラストの撮影だから、感動的に「お疲れ様でした」ってやらなきゃいけないのにそんな余裕なかった。射精した後に、礼儀として女優さんの顔は拭いてあげるの。それが終わった瞬間にダッシュ。すぐタクシー飛び乗って、何とかギリギリで、団体さん迎え入れて「いらっしゃいませ」って。

――ある意味、忘れられない思い出になりましたね。

チョコ 焦った。これが最後なんだと思ったら、せつないなぁって感じ。引退撮影とは別で、他の監督との最後の仕事で忘れられないのもありますね。引退のセレモニー、去り方を何かひとつ、やりたかったんですよね。山口百恵がマイク置くみたいな。その当時、朝青龍が確か引退の時、土俵に頭こすりつけて、サヨナラみたいなことをやったんですよね。だからチョコボール向井はですね、ベッドにチンコを擦り付けて、サヨナラってやったんです。そしたら、監督に「何やってんだ」って不思議がられましたが。それが最後の時でしたね。今思うと、去り際はどうかわかんないけど、時期が良かった。全部がうまく進みましてね。2010年以降に男優続けてても、なんもいいことなかっただろうなと思いますね。

<続くパート3では、チョコボール向井が感じるAV界の時代の変化。そして、溢れんばかりだった性欲は、50歳を迎える今……>

☆10周年イベントを11月に開催予定(加藤鷹デー予定)詳細はチョコさんのお店まで!

チョコボール向井の店『CHOCOBALL FAMILY』
東京都新宿区2-12-1 渡辺ビル2F
TEL:03-3358-5113

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