【連載】永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報11

史上初の女性都知事・小池百合子が誕生した裏事情 永田町から見た都知事選総括

2016/08/01 15:00
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小池ゆりこ公式サイトより

 国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。

■自分の顔写真のポスターが、都内全域に貼られる快感

 日本の首都である東京都の知事選挙が終わりました。2020年には、東京オリンピック・パラリンピックもありますので、世界から注目されていたと言っても過言ではない選挙だったのではないでしょうか。

 アメリカの民主党では、ヒラリー・クリントン氏が初めて女性の大統領候補に選出されました。国務長官として立派に任務をこなした実績が高く評価されたんだと思います。

 そして、日本では、東京都知事に小池百合子氏が選出されました。初の女性都知事です。「女のくせに」と言われ続けている永田町の女たちは小池知事誕生に感動した人も多かったのではないかと思われます。普段は仲良く会話をしている秘書同士でも、選挙となると応援する候補者が違う場合、なんとなくお互いに距離を置くので、まだぶっちゃけた話ができていないんですよ(笑)。

 それにしても、今回の都知事選挙は21名もの方が立候補されました。番号の上に選挙ポスターが貼られる「公営掲示板」は都内で1万カ所以上。その全てに初日のうちにポスターを貼ることができた陣営は、3つくらいだったのではないでしょうか? 候補者21人分の21枚が全部貼られている掲示板は存在しなかったと思います。

 候補者の皆さんにそれぞれの思いはあるのでしょうが、選挙って、とにかくお金がかかるんですよ。得票数が有効投票総数の10分の1に満たないと供託金の300万円は没収されてしまいますし(今回も、ほとんど没収でしょう)、防水など特殊な仕様の選挙ポスターの印刷代といった公費も供託金没収者には支払われないため、選挙費用は事実上、全額自腹になります。

 そこまでして、出馬するのはなぜなんでしょうか? ある候補者によると、「自分の顔写真のポスターが都内全域に貼られ、たくさんの人に見てもらえることが快感で仕方がない。やみつきになる」とのこと。そんなもんなんでしょうか……。

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