実は「何を見ても一緒」じゃない!

大沢たかおの怪演に、クマとの格闘シーンも! 絶対見るべき、スティーヴン・セガール出演作5選

2016/08/21 17:00

■『沈黙の鎮魂歌』 (2009)

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 俳優としては遅咲きだったセザールは、02年公開の『奪還 DAKKAN -アルカトラズ-』から徐々にメタボ体形に。その後、一気に重量感が増し、貫禄ある体格になってしまった。太ると体を動かすのが億劫になるのか、アリナミンCM出演時に発した「こう見えても、疲れまんねん」どころじゃないのか、動きが鈍くになったという声が上がるように。毎度毎度「圧巻の強さを誇る無敵のヒーロー」という内容なのも「いい加減飽きた」という声がチラホラ聞こえるようになっていった。

 そんなマンネリ化してきた、“沈黙シリーズ”(主演作の愛称)にパンチを与えた作品が、09年に公開された『沈黙の鎮魂歌』。髪の毛の生え際が不自然なV字になり、かなりデップリしているものの、その目力は衰えることなく健在。「無敵すぎてつまんない」と感じてきたファンに、「これがセガール・アクションだ!」と言わんばかりに、殴る、蹴る、撃つ、斬ると、あらゆる攻撃を駆使し、相手をバッサバッサと倒していくのだ。

 今作でスティーヴンは「ロシアン・マフィアのボスだった過去を持つ、ベストセラー作家」と、これまた男心をくすぐる設定のキャラで登場。ストーリーは、「結婚式当日に娘を瀕死に追い込んだ暴漢たちへ復讐を誓い、かつての敵の息子で、娘の頼りない結婚相手を巻き込み、復讐劇を企てる」というもの。敵を発見するたび、病院だろうが所構わず襲いかかり、街を混乱に陥れる。ロシアのマフィアという過去設定からか、ファイティングシーンでは時折軽快なロシア音楽が流れたり、スティーヴンがさらりとロシア語を口走るシーンがあったり。最後はエグすぎる方法でボスを殺害。スティーヴンを見くびり始めていた人々は、本作品で彼が繰り広げる殺戮にひれ伏すことになったのだ。

 なお、本作品の日本語のタイトルは、一般募集にて決定。スティーヴンは募集してくれたファンに「おおきに」と感謝の気持ちを述べ、「鎮魂歌=レクイエム」という単語に大満足。「エエやろ。ぜひ、みんな見ておくんなはれ」と、うれしそうに語った。

■『マチェーテ』(2010)

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 悪役を演じたら右に出る者はいない、と言われる極悪人面のダニー・トレホ主演の『マチェーテ』に、初の悪役&初の殺され役として出演したスティーヴン。同作でスティーヴンは、麻薬王を熱演。まるで北朝鮮の高官のような作業着風のシンプルな衣装は、ますます太ましくなっているスティーヴンの体形にぴったり。キャラ弁の海苔のような髪形にもしっくりくる。沈黙シリーズで洗脳されているファンは、赤いさやから日本刀を取り出し、主人公と戦うスティーヴンを正義の味方かと錯覚してしまうが、そもそも主人公を演じるダニーが正義の味方を演じるのに無理があるため、これは仕方ないことだろう。

 悪役のため、最後は主人公にナイフで刺されるのだが、腹部にナイフを突き立てられながらも平然としており、「オレはお前をまだ倒せる」と余裕しゃくしゃく。ひとしきりベラベラしゃべった後、「しょうがねぇな。先に地獄に行っとくぜ」と膝をついて、刺さったナイフを横向きにし、切腹して絶命。死ぬ演技に慣れていないからか、瀕死の演技が下手すぎるとシラケ気味だった視聴者も、まさかの「ハラキリ」に大喜びした。

 脇役として初出演した『エグゼクティブ・デシジョン』(1996)では、映画開始早々「あとは任せたぞ」と言い残し大空に散り、ファンをあぜんとさせたスティーヴンだが、同作では、はっきり「死んだ」とは描かれていなかった。そのため『マチチェーテ』で、「初の殺され役」「初の死に役」だとマニアの間で大きな話題になった。

最終更新:2016/08/21 17:00
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