『ロッキング・オン』元編集長・増井修氏×プロ童貞・山口明氏対談

介護のキーワードは「しのぎ」? 50代男性が語る、年老いた母親を見守る生活

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増井修氏(左)と山口明氏

 仕事に生きてきた男性が、親の老いをきっかけに介護にハマることは少なくないという。1990年から96年、音楽雑誌『ロッキング・オン』(ロッキング・オン)がいちばん売れていた時代にUKロックを盛り上げ、10万人の読者を巻き込んだ熱血編集長・増井修氏もどうやらその1人のようだ。その増井氏と80年代に交流があり、『東京都北区赤羽』(清野とおる/双葉社)をはじめ、単行本や漫画の装丁を手がけるデザイナーで、最近ではイベント出演などを通じて「プロ童貞」としても知られる山口明氏も現在、親の介護と向き合っているという。ともに仕事ぶりが評判だが、50代の男性が向き合う母親の介護とはどんなものだろうか? 旧知の2人に、語ってもらった。

■地震とともにやってきた認知症

――お2人は古くからのお知り合いだそうですね。

山口明氏(以下、山口) 増井さんと知り合ったのは、オレが写植の出入り業者としてロッキング・オンに出入りしていた頃だから80年代ですよね。会うのも25年ぶりだけど、最近、親御さんの介護をしているとか。

増井修氏(以下、増井) 介護は面白いよ。

山口 どんな状態なんですか?

増井 実家が新潟なんだけど、9年前に中越沖地震で被災したんだよ。周辺の道路はガタガタ、家が崩壊して両親がガレキの下にいて。命には別状はなかったけれど、家がなくなると途端に認知症が発症するんだよ。モノと記憶は結びついているから。

山口 じゃあ、今両親の介護をしてんの?

増井 父はもう亡くなったから母親だけなんだけどね。震災をきっかけに帰省するたびに、両親の衰えを実感したんですよ。それまで、年末年始とお盆くらいしか帰ってなかったから。今、熊本が大変だけど、罹災証明を取るのにも大変な時間がかかる。県や市の担当者と交渉を重ね、月に4回くらい帰省するはめになったんですよ。

■入所待機1,000人、年間700万円

山口 家が壊れて、両親はどうしてたんすか?

増井 最初は災害復興住宅にいて、新しく家を建てようにも、電気のスイッチひとつ覚えられなくなっている。だから、老人ホームに入ってもらって、今は特養(特別養護老人ホーム)に移って。そしたら介護する側はすごく楽になった。山口君のところは?

山口 今は、母親が要介護1で、そんなに進行してないから、デイサービスに行ってる。うちはまだ元気があって、動きまわったりするんだよね。

増井 徘徊か。下手に元気な分ね。うちは要介護重度だから。

山口 数字が高くなると楽勝?

増井 最初は「要支援」でケアマネージャーやヘルパーさんが来てくれる。それで今後どうなるか、どうするか相談して、進行すると要介護になり、要介護度が上がってくると特養に入りやすくなる。その他にも条件があるんだけど、ただ山口君はだめだね。「プロ童貞」だから。

山口 それ関係ある?

増井 介護してくれる人が同居してるとね。とにかく一緒に住んでると、なかなか難しいね。一度、母を東京の施設に入れようと思ったんだけど、調べたら1,000人待ちで年間700万円だって。

山口 知り合いにも月50万円払っているって人がいたよ。

増井 うん、地方はもっと安いよね。特養に入る前も私設老人ホームにいたんだけど、それもそこまでではなかった。

山口 オレ、今仕事を辞めちゃったんだけど、どうしよう。

増井 無理。お金と時間が途方もなくかかり、収入は途絶えるから「しのぎ」がないと。

山口 「しのぎ」って、EXILEじゃないんすから。

増井 特養は最初に何を契約するかというと、終末医療についての意思決定。死に際して、どの程度延命をするかということを相談する。それがないと、ほんの些細なことでも大変なことになりますよ!

山口 今は、どのくらいのペースで帰ってる? 

増井 3カ月に1回くらいになりました。姉が新潟に住んでいるから、時々行ってくれるし。ただもう完全介護だからやることはないんだよね。悲しくもうれしいことに。面会するくらいなんだけど、俺が息子だという認識もあやふやだね。認知症になると幼少時の記憶に戻っていくから。自分の子ども時代の闊達だったころを思い出して、かろうじて脳内元気を保存するがゆえに当然、俺の存在は希薄になります。ただし、認知症は昔なら、ただの老人ボケという自然な振舞いだった側面を忘れると、山口さん、方向を見誤りますよ!

山口 オレは若い頃の記憶は戻らなくてもいいな。写植があがらなくて増井さんに怒られた記憶とか思い出したくないわ(笑)。

増井 それは絶対に思い出せや。

介護が他人事ではない時代

しぃちゃん

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