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蜷川幸雄氏、ジャニーズとの知られざる秘話――SMAP・木村、V6・森田との出会い

2016/05/14 08:00

 前述のラジオによれば、蜷川氏に森田を引き合わせたのもジャニー氏だったという。蜷川氏は、同ラジオで森田と出会った頃の印象について、

「“おまえ野ねずみか?”って。『よくジャニーズ事務所にいられるよね』って言ったら、(森田は)『全然何も言われないです』って言ってたけど」

と語っており、「森田くんとか、ああいう変わった子をちゃんと(面倒を見てる)。ジャニーさんところは懐が深い」と妙に感心していたのだった。

 一方で、ジャニー氏が“顔見せ”したタレントの中には、中居をはじめ蜷川さんのお眼鏡にかなわなかった人も。少年隊・東山紀之は、かつて「蜷川さん、僕会いに行ったんだけど覚えてる?」と自ら確認してきたそうだが、蜷川さんは東山のことをまったく覚えていなかったという。

 とはいえ、東山も『PLAYZONE’90 MASK』での劇中劇『ハムレット』や、『さらば、わが愛 覇王別姫』(08年)、『ミシマダブル「サド侯爵夫人」「わが友ヒットラー」』(11年)で蜷川作品に出演しており、「蜷川さんと会う度に『またやろうな』と言ってくださいました。その言葉がうれしかったです。また、ご一緒したかったです。まだまだ勉強したかったです。蜷川さん、寂しいです」と、故人を偲んでいる。

 このように多くのタレントを送り出すなど、協力関係にあったジャニー氏と蜷川氏。ラジオの最後にジャニー氏は、蜷川氏が幅広い層に向けた舞台を作っていることについて「蜷川さんはさすが、大人の世界なんですよ。我々には子どもの世界しかないわけ」「僕、できないですもん。はっきり言ってこれは。羨ましいですよ」と、尊敬の念を明かしていた。

 蜷川氏の演出を受けたタレントたちが今後もさまざまな作品で活躍していけることを願いたい。

最終更新:2016/05/14 08:00

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『蜷川幸雄の仕事 (とんぼの本)』
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