新人の登竜門ではなくなった!?

NHK朝ドラヒロインの選考基準に異変!? 『べっぴんさん』決定の芳根京子は“安全策”

2016/04/09 15:00
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芳根京子オフィシャルブログより

 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(高畑充希主演)がスタートしたばかりだが、次期朝ドラ『べっぴんさん』(10月3日放送開始)のヒロインが芳根京子に決定した。

 ヒロイン・オーディションの応募者数は2,261人。芳根は2015年度前期『まれ』(土屋太鳳主演)以降、4回連続で朝ドラのオーディションを受け続け、4度目の挑戦で、ようやく念願がかなった。芳根は14年度前期の『花子とアン』で、主人公・花子(吉高由里子)の親友・蓮子(仲間由紀恵)の娘・富士子役を演じており、これが2度目の朝ドラ出演となる。

 同ドラマは、戦後の焼け跡の中、娘のため、女性のために、子ども服作りに邁進するヒロイン・坂東すみれとその家族、彼女の仲間たちの物語。モデルとなっているのは、1950年に子ども服店「ファミリア」(兵庫県神戸市)を立ち上げた1人である坂野惇子さんで、5月にクランクインする予定だ。

 脚本は、『息もできない夏』(12年/武井咲主演/フジテレビ系)、『サキ』(13年/仲間由紀恵主演/同)、『ファースト・クラス』第1シリーズ(14年/沢尻エリカ主演/同)、『戦う!書店ガール』(15年/渡辺麻友&稲森いずみ主演/同)などを手掛けた渡辺千穂氏が担当する。彼女はフリーアナウンサー・羽鳥慎一の妻でもある。

 芳根は13年4月期の連続ドラマ『ラスト・シンデレラ』(篠原涼子主演/同)で女優デビュー。その後、朝ドラ『花子とアン』に出演。15年7月期には、参加者1,000人以上のオーディションを勝ち抜いて、TBS系ドラマ『表参道高校合唱部!』の主演に大抜てきを受けた。また同年10月公開の映画『先輩と彼女』でもヒロインを務めるなど、今注目の若手女優の1人だ。

 今年1月期のフジ月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(有村架純&高良健吾主演)には、ラスト2話のキーパーソンとしてゲスト出演。また3月からはアサヒ飲料・三ツ矢サイダーのCMで福士蒼汰、高田純次と共演。さらに今夏にフジテレビで放送される大型スペシャルドラマ『モンタージュ 三億円事件奇譚』(福士主演)にも、ヒロイン役で出演することが決まっており、芳根にとっては飛躍の年になりそうだ。

 朝ドラのヒロインオーディションといえば、かつては演技経験がないか、ほとんどゼロの受験者が選ばれることも少なくなかった。だが、近年その傾向にも変化がみられるようになった。14年度後期『マッサン』のシャーロット・ケイト・フォックスは、国内ではまったく無名だったが、外国人ヒロインであったため、これは別格扱いだが、13年度後期『ごちそうさん』の杏、14年度前期『花子とアン』の吉高、『とと姉ちゃん』の高畑は、すでにそれなりの実績があった。12年度後期『純と愛』の夏菜や、13年度前期『あまちゃん』の能年玲奈も、売れているという立場ではなかったが演技経験があり、15年度後期『あさが来た』の波瑠も、脇役ながら、10年のキャリアを持っていた。しかも『まれ』以降で見れば、土屋、高畑、芳根の3人は一度朝ドラに出た経験がある。こうして考えると、NHKは明らかに低視聴率リスクの回避を優先して、朝ドラヒロインの選考基準を変えたように見える。明らかに“安全策”に走っているのだ。

 12年度前期『梅ちゃん先生』(堀北真希主演)から、『あさが来た』までの8作で、平均視聴率が20%を超えられなかったのは『純と愛』と『まれ』の2作だけ。朝ドラは好調が続いているだけに、NHKとしては、もはや「外すわけにはいかない」のだろう。素人同然のヒロインより、ある程度の実績がある女優を起用する方が賢明なのだ。

 典型的な清楚系少女の芳根は、NHKにとっては、うってつけの人材。初主演ドラマの『表参道高校合唱部!』は全話平均5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大爆死したが、NHKの期待に応えて高視聴率をマークし、真のブレークを果たせるか?
(森田英雄)

最終更新:2016/04/09 15:00
『とと姉ちゃん part1―連続テレビ小説(NHKドラマ・ガイド)』
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