法外なツケに注意!

ボッタクリには払わなくてもいい!? 弁護士が教えるホストクラブでのトラブル回避術

2016/04/08 15:00
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 たまにニュースになる、ホストクラブの売掛金(いわゆる「ツケ」)トラブル。3月には、ホスト(23)とその交際相手が監禁と傷害の疑いで逮捕された。報道によると、2人は客の女性(31)が約75万円のツケを払わなかったことで、車に監禁して殴り、顔が腫れるなどの傷害を負わせている。女性はホストの誕生日会などの費用として約180万円を請求され、105万円あまりを支払ったが、約75万円が未払いだった。

 31歳の女性が100万円もの金額をどうやって払ったのかは不明だが、弁護士のA氏によると、最近はこうした高額の売掛金のトラブルが目立ってきているという。

■払えないと、売春や振り込め詐欺の強要も

「80年代バブル期ほどではないにしても、一晩で50万円くらい使う女性は珍しくなくなりました。女性客にも格差が広がっているのでしょうが、油断しているとすぐにツケが200万や300万に膨れ上がってしまいます。いったんはホストが店側に払ったことにするのが『売掛』のシステムですが、言葉巧みにボトルを入れるように頼むようです。一定以上の収入のある女性だと、つい応じてしまうんですね」(A氏)

 「一定以上の収入のある女性」というと、まず風俗嬢やキャバ嬢が思い浮かぶが、A氏によると、経営者や医師、弁護士なども多いという。

「ホストにハマっているのは(診療報酬の不正請求をめぐる詐欺容疑で逮捕された)脇坂英理子さんだけじゃないですよ。先日も、『何回か飲みに行っただけなのに、300万円を要求された』という女医さんに頼まれて交渉に行きましたが、出てきた店のマネジャーという方がヤクザ丸出しでびっくりしました。この暴力団排除の世の中で、あからさますぎるだろうと(笑)。ただ、弁護士が出てくるのは珍しかったらしく、丁寧な対応で、半分以下にしてもらいましたけどね」(同)

 払えない場合は、どうなるのか?

「そこなんですが、脇坂さんの不正請求は『ツケを払えないなら、シノギに協力しろ』と言われた可能性がありますね。あくまでも仮定ですが、コワい人が出てきて、払えなければ別の形で協力せざるを得ないように仕向けるわけです。脇坂さんは医師ですから、医師にできる方法で、ということ。これからも逮捕される女医はいるかもしれませんね。また、医師でなければ、売春や振り込め詐欺の出し子(被害者から直接カネを取る担当)を強要されることもありえます」(同)

■ボッタクリは、早めに弁護士に相談するのが賢明

 おちおちホストクラブにも行けないが、A氏によると飲食店の債権は1年で時効になる上、ホストクラブの高額なツケは「ほとんどボッタクリ」なので、支払い義務がないケースも多いという。

「ただし、払わないにしても、相手との話し合いは必須です。無視していたら実家や職場に取り立てにくる可能性もありますし、早めに弁護士に交渉してもらったほうが安全ですよ。今は暴力団排除条例のせいで、表に出てくることは減りましたが、実は見えにくくなっているだけで、裏社会はちゃんと存在しています。ボッタクリのうちの少なくない額が『暴力団』の資金源になっているはずですから、注意してください」(同)

 トラブルを避けるためには、店に入る時に予算を決めておくしかないだろうが、アルコールが入ったところでイケメンに口説かれてしまうと、なかなか抵抗はしづらいのではないか。

「それから、営業電話もクセモノですね。営業とわかっていながら、仕事のストレスもあって、つい店に行ってしまうという女社長さんもいます。ステータスが高い女性でホストクラブでの豪遊が好きな人は多いですね。まあホドホドに、としか言えません。何かあったら、弁護士にご相談ください」(同)

 ステータスが高い人も低い人も、イケメンとのひと時を過ごすには若干の自制心も必要、ということなのか。
(春日部優)

最終更新:2016/04/08 15:00
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