「電子レンジを使うと体の弱い子が増える!」呪いの愛情料理教室潜入記

 〈昔はよかった病〉は、マナーをねつ造した江戸しぐさをはじめ、環境健康ライフスタイルなどさまざまなジャンルにありますが、〈食〉の世界にもバッチリ存在します。

 昔はなかった農薬や化学肥料、添加物を「悪!」とするのは定番ですが、さらに過激になると電子レンジや冷凍もよろしくないとされるアレです。その理由は、〈栄養素が壊れるから〉。そりゃとれたてをその場ですぐに食べたほうが栄養価は高いかもしれないけど、健康を害するほど問題のあるものなのでしょうかね?

「変わり果てた日本の食卓を斬る!」

 そんな勇ましいテーマで数多くの本を出版しているパティシェが主催する料理教室でも、ほんわかトークの中に、「昔の食はこんなに素晴らしかったのに、今の日本は嘆かわしい!」という、ディスりトークがてんこ盛りでした。

 料理教室は〈オトナ文化〉を発信する都心に隣接したスポットで開催され、私が参加した回では参加者全員女性で、パッと見20~40代くらいといった雰囲気でした。「皆、当然(教室主催者の著書である)料理本は読んだことあるのよね?」とチェックしてくる常連風の40代から、それに対し「全くありませ~んっ(笑)」と元気よく返す一見さん風までとさまざまなスタンスの人が来ているようで、野次馬的な私も完全アウェイではなく、まずはちょっとひと安心。

◎いまの日本の食卓は栄養不足

 料理教室がはじまるとレシピが配布され、講師の話とともに料理の実演見学が始まります。栄養があるという野菜の皮やあくは取り除かず、フライパンの焦げや塩によって野菜から出た水もまた戻して使うというのが特徴で料理そのものはとても面白く、かつ美味しそう。

 しかし調理をしながらの解説で、〈あーそれ言っちゃう?〉なコメントも早速お目見えです。

講師「最近の料理研究家さんなんかは、皮つきのまま調理したり、こういった切り方をしている人も増えてますけど、なんでだろ、うちの本もあちこちで見られているのかな。ふふ」

 〈巷の皮つき&歯ごたえ料理は、あくまでうちが元祖である〉といわんばかりのアピール。そういうのはご自身で言わないほうが、権威の品格漂うと思うのですが~。

 そしてキモは、いかに今の日本は栄養不足か、あく抜き皮むき電子レンジや下茹で、果ては化学肥料や農薬などの影響で、作物の栄養素が大幅に減少しているかというお話。

講師「実際そういうごはんを食べて、うちの子は潰瘍性大腸炎になりました(きっぱり)」

 よくある話ですが、料理のせいでそうなったのかどうか実際は因果関係がわからないのでは……。

 愛情料理研究家の土岐山協子氏が、趣味活動を楽しむ昨今のお母さんたちに「首絞めて水につけてやろうかこのやろう」とブログで毒づいていたアレも同様ですが(幼少期、自分の母親が趣味に没頭してみそ汁が不味くなったことを引き合いに出している)、つらい思いをしたのは気の毒だけど、怒りの矛先を食材やらそれぞれの家庭事情に向けないで欲しいです。これは、〈いかに手をかけて昔ながらのごはんを作らないと、愛情と健康が損なわれますよ〉という呪いでしょう。呪いの愛情ごはん。

◎レンチンやめれば不妊も治る?

 調理器具もディスられていました。ビンゴの景品やちょっとしたプレゼントに便利な〈シリコンスチーマー〉を、「あれ、もらっても困っちゃいますよね(電子レンジを使うから)」と、雑談のふりして破棄推奨。後方からはすがさず主催者である男性が、「悪魔のプレゼントだよ、あれは(笑)」とおもむろに合いの手を入れてきます。いいじゃん、シリコンスチーマー。蒸し野菜、美味しいじゃん。

講師「(電子レンジ調理は)何もいいこと、ひとつもありません」

 はい、失礼しました。

 そんなお話とともに、またもやプチ自慢が再登場。過去に有名エッセイストがこの料理教室にやってきたそうで、

講師「あのお年まで活躍されているのは、やっぱり食をおろそかにしていないからなんですね~」

とのこと。うちの料理教室に来る人は、意識高いのよと言わんばかりの自画自賛モードは、自分で「偉業」「前人未到」と言っちゃう谷亮子みたいです。セールストークとはいえ、ここまで自分上げを口にできるのって、すごいっす。

 教室では「昔の日本の食材は今より美味しかった」と言うけれど、それは主催者の記憶と味覚であるうえ、今となっては比較しようがないものなので、いくらでも好きなように言えますよね~という感じ。足りない味を補うために生み出されたという料理はとても美味しかったけど、〈こうすると美味しい〉だけじゃいけないんでしょうか。

 主催者のHPを見ると、この教室のごはんを実践した人たちからは〈肌荒れやくすみ改善、アトピー性皮膚炎、花粉症、潰瘍性大腸炎などの改善・快癒、不妊症からの出産、無月経からの通経、癌の改善〉などが報告されているそう。

 また、冷凍と電子レンジ、このふたつを使っている家庭には、明らかに〈アトピー性皮膚炎など体の弱い子が多い〉のだと、世の母親へもピンポイントで呪いをぶんなげてきます。どちらも一般的な家庭にはほぼ必ずある家電なのだから、〈アトピーの子の親は、必ず洗濯機で洗濯している〉と言われて該当するのと、変わらなくありませんかね。

◎「昔」というふわ〜っとしたイメージ

 講習終盤、料理ができあがってくると、室内にふんわりといい香りが立ち込めてきます。

主催者「今の日本の家庭からは、こういうニオイは消えちゃったからね!

 ちなみに主催者よりちょい年上であるうちの祖母がこれを聞いたらなんと思うでしょう。祖母の両親はともに忙しく働いていたので食事はたいそうシンプルだったそうで、こんな具だくさんなごはんはまず口にできていません。それを昔の家庭のニオイと言われても~と思うでしょう(そしてかなり食に無頓着だけど、90過ぎても超元気です)。

 そのように家庭の味なんてそれぞれですし、自分の家庭を引き合いに「〈現代〉は嘆かわしい!」と憤慨されても。それに体格、初潮の早さ、寿命などから見ても、現代人は栄養不足とはとても思えず、昔は病気になっても疾患が特定できなかったりしただけじゃないんでしょうか。

 肝心の料理教師の料理そのものは、感動的に美味しいメニューもありつつ、どれもとにかくかみごたえ抜群、食物繊維どーーーっさり。

講師「こういうごはんなら、いくらたべても太らないんですよ」

 そりゃそうだ、ゴロッゴロに切った野菜に、茶碗の半分は極太ひじきじゃなかろうかという混ぜごはん。かみごたえありすぎて、茶碗半分で満腹です。しかしこれを毎食食べている人は、消化力もあごの力も強靭になりそう。健康的であることは間違いないけれど、精神的に健全とは思えない料理教室でありました。料理は純粋に「美味しい! 楽しい!」だけで食べたいです。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

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