仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

三田寛子、“梨園の妻”としての熟練の技が光る「嫉妬されない自慢」の仕方

2016/03/03 21:00

 三田は生まれた年のワインを抜いて記念日を祝う友人夫妻や、もえを「うらやましい」とし、「もえちゃんみたいに(夫に)可愛いって言ってもらおうかな」「お姫様だっこしてほしい」と言うが、それでは三田が記念日を祝ってもらっていないかというと、そうではない。

 三田の50歳の誕生日を特別なものにしたいと、橋之助は、ホテルでのディナーやエタニティーリングを注文し、カメラマンに写真撮影を頼んでいたが、当日インフルエンザになってしまったため、橋之助抜きで食事をした話を披露していた。つまり、記念日は祝ってもらったわけだし、高価なプレゼントももらっている。

 もえの幸福アピールは「可愛いね」という言葉だけだったが、三田の場合は橋之助からの言葉こそ紹介しなかったものの、記念日を祝う気持ちとプレゼントという「夫から愛されている」二大証拠を披露したわけだから、自慢度は断然三田の方が高いのに、自慢しいの印象は残らない。さらにこのエピソードにより、家庭を大事にする優しい夫と、夫の株も上げることができている。

 梨園の妻は控えめが基本と言われる。控えめというのは、何もしゃべらないことと思いがちだが、嫉妬される要素をうまく抜いて、夫のいいところだけを話すのが梨園的控えめなのかもしれない。梨園妻というと、片岡愛之助と交際中の藤原紀香が思い出されるが、コンプレックスとそれを克服するための努力語りが大好きな紀香に、一番の梨園妻修業は、「三田寛子ウォッチだ!」と呼びかけたい気持ちでいっぱいだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2016/03/03 21:00
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