[官能小説レビュー]

“大人になった元子役”のセックスはなぜいやらしい? 官能小説における“背徳感”の作用

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『隣の熟女妻』(河出書房新社)

■今回の官能小説
『奥様は名子役』(渡辺やよい、河出書房新社『隣の熟女妻』より)

 先日、安達祐実が第二子を妊娠したというニュースがあったが、子役時代の彼女を知る者としては少々複雑な話題ではないだろうか? あどけない顔立ちに、オーバーオールとツインテールが印象的だった幼い頃の安達が、今ではバツ1の子持ちであるという事実は、頭では理解できるけれど気持ちが追いつかない。筆者の頭の中での彼女は、いまだに「オーバーオールとツインテール」なのだ。

 しかし、男性は若い頃からテレビで活躍していた芸能人が大人になり、結婚や出産を経ることで、“エロス”を感じるファンも少なくないだろう。では、例えばもし、引退した“元子役”が大人になり、目の前に現れたとしたら、どういった反応をするのだろうか?

 今回ご紹介する『隣の熟女妻』(河出書房新社)はタイトルの通り、人妻が登場する5本の短編が収録されたアンソロジー。その収録短編『奥様は名子役』は、元有名子役の人妻が登場するというストーリーだ。

 主人公の愛は、テレビドラマをはじめ、CMでも大活躍していた元売れっ子子役だが、現役を引退し、現在は専業主婦をしている。しかし、その生活は順風満帆ではなく、結婚した夫が経営している会社は、マルチ商法で摘発されて倒産。夫は仕事もせずに朝から酒浸りの毎日で、現在は貯金を食いつぶしたり、家財を売却したりして何とかしのいでいる。

 そんなある日、愛の夫がとある男性を連れてきた。有名画家の絵画を見せるため、自宅の2階にある寝室へ案内した愛は、突然その男に襲われることに。外から鍵をかけられ、逃げ場もなく抵抗できず、次第に男の愛撫に反応してしまう――。

 愛を“売った”のは夫であった。夫の会社への出資と引き換えに、有名子役であった妻を売ったのだ。男に抱かれている間に、口をついて出てしまった、出演作であるCMの決め台詞が、ますます男を興奮させた。
 
 それ以来、夫は度々“客”を連れて来るようになる。ある日訪れた夫婦は、子役時代の愛のファン。愛は、その夫婦に交互に入れ替わりながら弄ばれ、感じるたびについ昔言ったことのある台詞を口に出してしまう。こうしてますます彼らを歓喜させた愛は、さらなる官能の世界へと導びかれてゆく――。

子役の成長に驚いた分だけ、あたちらも年を取ってる

しぃちゃん

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