【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記6

夫と愛人を、このまま許すのか 裏切られたショックで体調不良のわたしが駆け込んだのは……

2016/02/25 15:00
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Photo by Korean Resource Center 민족학교 from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■ショックで眠れず、食欲はほぼゼロ

 夫の不倫問題は、愛人のさなえ(仮名)を呼び出し、目の前で別れを告げさせることで、一応の解決へと至りました。が、わたしの心の中のモヤモヤとした気持ちは、どうしても晴れないでいました。「もう、終わったから」という夫のことを信頼しようと思っても、一度裏切られている以上、「実は隠れて、まだ連絡を取り合っているんじゃないか」という疑心が常に頭から消えません。

 不安と裏切られたショックとが重なり、夜は2~3時間ほどしか眠れず、食欲はほぼゼロに等しい状態で、辛うじて喉を通るのはアルコールと、なぜか納豆、山芋、メカブといった柔らかくて粘り気を持ったもののみ。

 現状と動向をうかがうために、時たま、相手方のSNSをチェックして、そこに堂々と公開されている「バレンタインの手作りチョコレート」だとか、誕生日を祝ったのか、「お高めの店のディナー」といった、夫と過ごした愛の記録らしき写真の数々を目にすると、ムカムカと腹が立つと同時に、途端にキュウッとおなかが痛んで下る。精神状況が、これほどまでに肉体に影響するということを、初めて知りました。

■夫と愛人を、このまま許すのか

 そんな体調不良の中、ひとつ葛藤がありました。それは、夫と愛人をこのまま許すのか、という問題です。夫はこの期に及んで「お願いだから、相手方に慰謝料を請求するのだけはやめてくれないか。あのコにとっては、俺と別れることになったことが、十分に償いだから」などとホザいていましたが、配偶者および不貞関係を持った相手方に対して慰謝料を請求するのは、日本においては妻の正当な権利とされておりますし、それを行使するかしないかは、わたしが決めることです。

 とはいっても、正直なところ、億劫な気持ちのほうが上回っていました。なんせ、裁判を起こしたことなど今までないため、どうすればいいのかさっぱりわかりません。相手方に慰謝料を請求するとなると、弁護士に頼むことになる。弁護士の知り合いなどはいませんし、また、お金だって相応にはかかるでしょう。「既婚者と知りながらも、肉体関係を持っていた」という相手の言質を録音したテープは持っていますが、これだけで十分な証拠になるかどうかもわからない。彼女のSNSを探れば、夫との不貞を裏付ける証拠が転がっていそうな気もしますが、腹痛に耐えながら、そんなものを集めるタフさが自分にあるのか。そういうことを考えると、このままもう関わらないで終わらせ、時間が心の傷を癒やすのをただ待っているほうが、よっぽど楽です。

■心療内科を受診することに

 そもそも、夫とだって、この先どうするかも決められていないのです。とにかく、今は落ち着く時間が欲しい。けれども、落ち着いた頃になって、夫や愛人を相手取り、「いざ、裁判をしよう」と決めた時に、証拠不足だと判断されることは避けたい。「心を鉄にして、先を見据えた行動をしよう」という思いと「心がズタズタすぎて、今はなにもしたくない」という相反する気持ちに葛藤しながら、1つだけ、今すべきことを思いつきました。それは心療内科を受診することです

 心療内科を受診することには、2つのメリットがありました。1つは精神からくる体調不良が少しでも良くなるのではないかという希望、そしてもう1つは、いざ裁判となった時に、精神的苦痛を受けたという証明になるということ。しかし、今まで雑な性格が幸いして、メンタルに不調を来したことがなかったために、どこの病院を受診すればいいのかさっぱりわかりません。しかも、知識がないために「薬漬けにされるんじゃないのか」などという余計な心配が、これまた胸に広がりました。

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