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デビュー作と同じテーマである「大切な人の死」を、より生々しく力強く昇華させた若木未生『ゼロワン』

デビュー作と同じテーマである「大切な人の死」を、より生々しく力強く昇華させた若木未生『ゼロワン』

 小野不由美、前田珠子、桑原水菜、榎木洋子――1990年代、講談社X文庫ホワイトハートや集英社コバルト文庫といった少女小説では、異世界や超能力で少年少女が活躍するファンタジー作品が人気を確立していた。超能力を持つ若者たちを描いた『ハイスクール・オーラバスター』などでその流行を牽引していた作家・若木未生による、一般文芸書として初の単行本『ゼロワン』(徳間書店)が昨年12月に出版された。  若木の作家デビューは1989年。ライトノベル作家として多くの人気ファンタジーシリーズを生み出している彼女だが、デビュー作となった『AGE』は、高校生・西野の視点から描かれる、超能力は一切登場しない青春小説だ。とある悲惨な過去を抱えながらも、優しく大人びた雰囲気を持つ、西野より1学年上の山崎。山崎に憧れる西野とその友人・高岡。都立高校の屋上を主な舞台に、両親も1人の弱い人間であることに気づいた時の戸惑いや不安、先輩の不慮の死を、時に衝突しながら乗り越えていく2人が伸びやかに描かれている。この『AGE』を起点とするバンド小説『グラスハート』も人気を博し、2009年のシリーズ完結時には直木賞作家・山本文緒がその魅力を語るなど、ライトノベル内にとどまらない反響を呼んだ。...



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