東銀座ウェルズクリニック・大木美佳院長インタビュー

爪の変化は老化より病気を疑え 女性専門医が語る、本当に必要なネイルケア

2016/02/03 15:00
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銀座ウェルズクリニック・大木美佳院長

 爪は健康のバロメーターであり、全身の不調の影響を受けやすい部位でもある。年を重ねると爪のくすみや変形、爪が割れやすいなど、さまざまな変化が起きやすくなる。そんな爪のケアについて、専門医である東銀座ウェルズクリニックの院長・大木美佳先生に話を聞いた。

■爪の老化現象は縦線だけ

――爪の老化現象には、どのようなものがありますか?

大木美佳院長(以下、大木) 爪の唯一の老化現象は「縦線」です。体全体の細胞が老化または衰える段階で、「縦線が現れる」という変化があるというだけで、それ以外の変化は病気と思っていただいてかまいません。

 年を取ると、よく爪が濁ってくるといいますが、医学的には正しくありません。透明度は変わらないんですよね。赤ちゃんの頃が一番薄いので透明感があって、20歳前後から、厚みはほとんど変わりません。ですから、年を取ると爪が厚くなって透明感が失われるというのは、老化のサインではないのです。

 ただし、マニキュアなどによる着色でくすむということはあり得ます。特にベースコートを塗らず直接ネイルカラーを塗ったり、ベースコートに色素の入ったものを使用していたりすると、爪に色素が移って爪自体がくすんでしまうことがあるのです。

 また、爪の柔軟性も老化現象で失われるものではなく、赤ちゃんから20歳前後までで徐々に硬くなって、それ以降は爪の硬さは変わりません。若い頃は問題なかったのに、突然、爪が割れやすくなったりした場合は、爪に何らかの異常を来している可能性があります。

 爪の老化現象は縦線が現れるという症状のみですが、小学生など若年層にも多くみられる症状で、20歳前後が一番少なくて、40歳前後に増えてくるんです。そのほかにも爪の幅が狭い人にも出やすい傾向があるので、縦線が現れたからといって一概に老化とはいえないところもあります。ただ、40代以降は細胞が萎縮してきて細胞の並び幅が狭くなるので、縦線がより目立ってくるというのはあるかもしれません。

――では、爪の縦線を防ぐには、どうしたらよいでしょうか?

大木 残念ながら、防ぐ方法がないというのが現状です。どうしても気になるというのであれば、表面を削る、またはベースコートなどでカバーするという方法しかありません。

 縦線以外の異常が現れたら、何か別の問題が引き起こされている可能性があるので、爪の老化から全身の病気を見つけだそう、というくらいの気持ちで医師に相談されることをオススメします。

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