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 2016年1号めの「VERY」は重い。もちろん雑誌としての重量はいつも通りで、このご時世にたっぷり広告が入っているのは「売れる雑誌」だからなのだろう(計測したところ800グラムだった)。しかし重かったのは中身だ。重いというか、充実している。ただのファッション雑誌でも主婦向け家庭情報誌でもない。

 メインはファッションページであるけれども、「今期はこれが流行ってます! 買いましょう!」なんてストレートなメッセージで買わせようとはしない。今回は『卒業』がテーマに、子供の外遊びに付き合って汚れてもいい格好やダウン一辺倒にならざるを得ず、つまらない思いをしがちな育児期間の女性たちに、「子供がもう少し成長したら、好きなおしゃれをできますよ!」と希望を与えるような内容。

 妊娠期間はヒールを履かずにスニーカーやフラットシューズで安全第一、お腹を冷やさないことや無闇に肌を露出しないことなども考慮して地味な服装になる。産後も新生児を抱えてハイヒールで歩くと危ないため安全路線継続で、子供のよだれなどがつくから上質の衣類は着づらいしファーもアクセサリーも引っ張られると危険なので控える。乳児連れの外出は予備の衣類やおむつやNG、玩具やタオルなどをパンパンに詰め込める大容量のマザーズバッグ、こぶりな鞄で身軽に出かけるなど出来ない。着たい服を着られないことは、抑圧である。そんな日々を送るお母さん方にとっては、「大丈夫、その時期を過ぎればまたオシャレできますよ!」と励まされる気分になるだろうし、すでにオシャレ再開しているお母さん方にも参考になる企画が練られている。

 大特集は「働くママのマイルール」で、育児休暇を終えて会社復帰した女性、自宅で働く女性、夫が積極的に育児に携わる会社員女性、外国人パートナーを持つ妻、シングルマザー4人、などなどパターンも様々。別のページには、第三者の精子提供を受けて子をもうけたレズビアンカップルのインタビューも掲載されているなど家族の形態が多様だ。もちろん専業主婦の声もあるわけだが、もはやVERYは「セレブ専業主婦の雑誌」ではない。

 驚いたのは、極力メディア露出をしないよう心がけていると思われる、つんく♂の奥様・加奈子さんのフォトとインタビューが掲載されたことだ。夫ががんになったときどうするか、という重いテーマに取り組む企画。加奈子さんは元タレントでつんくが一目惚れしたというだけあって、今すぐレギュラーモデルになってもおかしくない美貌だった。

 とりあえず全体を紹介してしまったが、一番「重い」のはやはり、すでにTwitter上でも話題になっている『妻だけED夫座談会』だ。2012年7月号の企画【しのびよる「妻だけED」の真実!】に参加した既婚男性4人が3年半ぶりに結集し、妻とのセックスレスについて語る内容。

 東京都内で働く39歳~45歳の彼ら(妻も同世代の40代)、職業は映像制作会社の取締役だったり外資系貿易会社勤務だったり、相当稼いでらっしゃるいわゆる「ハイスペ男子」。で、「あなたのご主人がハイスペックホルダーなら、残念ながら浮気属性はデフォルトです」とのことで、あくまでもこれは社会的に高い階層にいるご夫婦たちのお話。ゆえに私自身は全然関係がないと思うこともできるが、この社会を大きく動かすのは底辺層の愛妻家ではなく浮気性なハイスペ階層の人々だと思えばやはり無視できない。

 ちなみに3年半前は、「もういまとなっては妻以外の人と、にはまったく抵抗がない、でも妻とは抵抗がある、というのが本音かな」とのことで、妻以外の女性とのエンジョイセックス(不倫相手だったり風俗嬢だったり)について彼らは盛り上がっていた。

 参加者4人は、「妻のことは愛している」と言いつつも、「妻とはセックスしたくない」本音を持ち、ほとんど家庭でセックスをしない。男にとって性欲は本能であり「発散しないと苦しい」から自分たちは家庭外でセックスをするし妻以外の女性といちゃつくけれども、仮に妻が浮気をしようものなら「即日中に離婚する」と言い切る。そして、妻とセックスしない自分たちの、妻に対する愛情について、「妻を全人格的に肯定する夫の深い愛」と言い放つ。

「カミさんのことはどの夫も間違いなく、大好きですよ。ムラムラしない、好き」
「(妻にたいしては)全人格的に受け入れている肯定感がある。夫婦は一心同体なのだから、そもそもケアをしなければならない関係というか感覚のほうがむしろ意味がわからない、水臭いと思ってしまう」
「毎日花を買ったり、好きだと言ったり、態度で示したら伝わるのか? という思いもあります」
「言葉や形が必要な時点で粋じゃないという気持ちがどこか、男にはありますからね」

 かといって、妻が夫をケアしないことは「あり得ない」のだから、単なるわがままの正当化としか読めなかった。前回の座談会以降、妻に「他に好きな人ができた」と告げられ離婚に至った男性を、全員が慰める構図は気持ち悪い。その男性は昇進に伴って多忙がピークを極め、「週の半分は家に帰れず、帰ったとしてもシャワーを浴びて着替えて、またすぐ出勤」の毎日が続く中、妻に離婚を切り出されたという。それでもこの男性は「放ったらかしている、という気持ちは毛頭ない。たっぷりの愛は伝わっているはず。妻は自分の仕事を応援してくれているはず」と思っていたそうで、寝耳に水だった。仕事に集中したい、否すべき時期だということに理解の及ばない妻は浅はかな女ということで非難対象になっている。

 しかし。仕事に自分の持てる全時間を注ぐのもその人の生き方だから悪いとは言わないが、結婚しておいてパートナーに一切のケアをせず「俺は仕事で忙しいんだから仕方ないだろ」って、本当に本当に、逆の立場だったらどう思うのあなたは? と投げかけたい。夫が「妻が仕事一辺倒で、家のことを何もしてくれない」と話せば、同情を集めるのはやはり夫で、非難対象が妻なのは変わらないだろう。一方的にケアを求められるハイスペ男性の奥様方よ。「高い収入の一部を生活費として渡されているのだから、妻として当然」なのだろうか。「有能な男の妻になったのだから、ケアし支えるのは妻として当然」なのだろうか。

 思いを言葉にしないし一緒の時間を過ごさないしケアもしない夫からの「全人格的に妻を肯定する愛情」を、一体どうやって妻は実感するのだろう。コミュニケーションをとらないままで、「妻はわかってくれているはず」というハイスペ夫たちの無根拠な自信はどこからくるの?

 男女のすれ違いがどこまでも深刻であることを強く実感したのは、次の発言だ。

「それにしても、世の女性たちはいくつになってもお姫様抱っこ級のケアをしないと満足してくれないものなのでしょうか」

 もう絶望した。この男性陣の考える「ケア」って、お姫様抱っこ級のチヤホヤを与えることだったのか。女性がいつまでもそんなものを最も強く望んでいると信じて疑わず、そしてお姫様抱っこ級のケアをすれば女性が満足すると思い込んでいるとは。おまけに別の男性からは、「例えば高級なペンダントで愛を示すよりも、うどんをふたりですすっているような、どうでもいい日常を共有することのほうが夫婦の愛が深まった証拠とは(妻に)思ってもらえないものなんですかね」という発言。繰り返しになるが彼らは、妻から夫に対する望みが「お姫様のように愛でて、高級ジュエリーや花束や愛の言葉や、金のかかるシチュエーションでのロマンチックなデートを与えてほしい」だと思っているのだ。そこじゃない、妻の求めている「ケア」って絶対にそこじゃないよ。彼らは自らの妻を根本的に、幼稚でバカな女だと見下しているのではないか?

 前述した特集『働くママのマイ・ルール』では、共働き夫婦の妻側から夫へのリクエストが6つ載っている。妻たちは「お姫様抱っこ級のケア」なる扱いを望んでいるわけではなく、日常的な家庭生活を営むうえでの最低限の要求をしているだけだ。

●自分のことは自分でして!それだけでいいから!
●子供が病気になっても休むのは私ばかりで、自分の仕事が軽んじられているように感じる
●子育てへのサポートは満足しているから、もう少し家事全般を手伝ってほしい
●気が向いた時だけ手伝ってくれるけど、気が向かなくてもやってほしい。家事は気分次第でやるものじゃない
●テレビに子守りさせないでほしい
●たまには(子供の)送り迎えもやってもらいたい

 ハイスペ男性陣においては、こうした妻からのリクエストがたとえあっても、「そんなこと言われても俺は仕事が忙しいし」ですべて通してきてしまったのかもしれないし、そうした日常の小言を聞き流して「結婚記念日に高級ディナーとサプライズ花束があれば帳消しでしょ」と思っているのかもしれないが……。

 最終的に彼らが「男は40歳過ぎに急激に人間として成長する。それに奥さんがついていけなかったり、取り残された気持ちになったりするのでは?」と謎のまとめに入ったのも驚いた。な、何を言っているの? 奥さん側としては、家庭を放棄され続けた不満と不安がついに抱えきれなくなるのが40過ぎ、だったのではないだろうか。やはり最後の最後、離婚の瞬間まで、通じ合えない夫婦は通じ合えないものなのだろう。

 欄外にある2本のコラムも凄まじい。『できる男は不倫する』(幻冬舎)の著者・松岡宏行いわく「男同士の飲み会では、愛人とのセックスは自慢になるが、妻とのセックスはむしろ恥ずかしいこと。結婚10年後も妻とのセックスが楽しみだなんて言ったら、おそらく変態扱いでしょう」。そういう価値観の男ばかりが集っていない場所もあると思うけれど、それがどこにあるのかはわからない。いたずらにVERY妻の男性不信が煽られるばかりだ。同ページを企画した男性編集者のコラムは一番破壊力が強かった。

『極論ですが、妻とセックスしているのは「モラハラ系」か「DV系」、という「偏見」が男にはあります、妻とセックスしているのは負け組、という意識もあり』

 そんなに妻とセックスしたくないなら、結婚するときにその旨をお伝えしておけばいいのに……。妻には「君とセックスしたくない、なぜならかっこわるいから」なんてさすがに言わないが、本音ではそう思っているとしたら、そこまでコケにされて、生活費や子供のためにその夫の妻であり続けなければならないなんて地獄でしかない。

 もちろん痴漢と同じで、すべての男性が「こう」なわけじゃない、Not All Menだ。家庭と仕事を両立させる男性はいるだろうし、妻とずっとセックスしたい男性も、不倫カッコ悪い派の男性もいるだろう。でもバリバリ働いて昇進していくハイスペ男性の一部はこんなふうだということだけはわかった。この特集全体をそのまま読むならば、浮気できない男は甲斐性なしで、妻とセックスする男は意気地なしだという価値観を持つ「漲ってる男性」=高収入ハイスペ男ということになる。ハイスペ男子狙いの女性の皆さんは、こうした危険性をよく自覚したうえで「私の彼は違う」と盲目的に信仰を募らせたり、己の審美眼に自惚れたりせず、「カネや地位と結婚するのだ」と覚悟して挑むのが良いだろう。

 『VERY』は一時期、「夫にもっと愛される妻になりたい」というスローガンを掲げていた時期もあったと記憶しているが、「夫のことはもう放っておいていいから、私たちは子供も仕事もオシャレも楽しんで気分良く生きましょう~♪」というのが今の『VERY』なのかもしれない。今号のファッション特集キーワードは『卒業』。そういえばゲスの極み乙女。の川谷絵音がベッキーとの不倫に際して本妻との「離婚」を「妻からの卒業」と言い換えた(離婚届けは卒論)ことが話題になった。仕事によりそこそこの経済力さえ持てればいつでもVERY妻は夫からの『卒業』を果たしてしまいそうだ。

(下戸山うさこ)

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