【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記2

夫の不倫に気づいていなかったのは、わたしだけ 別れさせるために最初にしたこと

2016/01/28 15:00

■政局争いの渦中のごとく、友人たちを値踏み

 まず、最初に思いついたのは探偵を雇うことです。我が家の家計は、生活にかかるお金を夫婦で折半する割り勘方式なので、少ないですが、個人で自由に使えるお金はあります。しかし、探偵なんていくらかかるか皆目見当がつかないし、そもそも信頼できるところを探すだけでもかなりの労力を必要としそうです。

 幸いなこと(?)に、夫とその不倫相手とは陰でこっそりと密会しているだけではなく、堂々と(わたしとの共通の友達も多く出入りしている)店に出入りをしています。だから、探偵を使わずとも、証拠を手に入れることができる可能性は高い。

 かといって、いくら店で2人っきりでいるところに乗り込んでも、「ただの客」と言い張られてはおしまい。なので、より確実なのは、夫とその女性との関係を知っている誰かに、口を割らせること。ただし、わたしよりも夫に近しい友達に詰め寄ったところで、「そんな事実はない」としらばっくれられてしまうかもしれない。

「誰だったら、こっちにつくかな」

 まるで政局争いの渦中のごとく、友人たちを値踏みし、「誠意を持って真実を知らせてくれるように頼んでも、素知らぬ顔をして裏切り続けられるかもしれない」「誰がわたしに協力をしてくれて、誰が不倫関係を続行する手伝いをするのか」と自分を試されるようなことに、ヒリヒリと心が痛む思いでした。ほんの数時間前まで過ごしていた日常に思いを遣ると、ペッタリとして現実味がなく、長い幸せな夢を見ていたように思えました。目覚めてみたら、こんな現実が待ち受けていたなんて――。

 「説得すれば夫の秘密をバラしてくれそうな誰かに目星をつけ、『相談がある』と呼び出して、泣き落としでもって、事実を確認するとともに証拠を固める」というのが最もベストな手段ではないか。わたしと中谷さんの間ではそんな結論に達しました。こうして、話をまとめたわたしと中谷さんは、様子を伺いに夫の勤める飲み屋へと向かうことにしました。すると、なんと、その日、夫の不倫相手と目されている女性さなえ(仮名)が、店にいたのです。
(まほ)

最終更新:2019/05/17 20:06
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