【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

「男がキャバ嬢を落とすのと同じ」2児の母は、なぜ家庭外セックスを辞められないのか?

2016/01/31 17:00
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(C)いしいのりえ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 婚外恋愛をしている女性は早婚であることが多い。早くに家庭に入ってしまい、育児などに追われているうちに、気づけば女としての青春を逃してしまったことに気付く。そして、婚外恋愛にどっぷり浸かってしまう。

 今回お話を聞かせていただいた美咲さんに取材依頼をしたときも、筆者は早婚の女性なのだろうと想像していた。取材当日、早婚ではない事実がわかり、筆者の読みが外れていたことを打ち明けると、「いえ、私はただの恋愛体質なだけですよ」 と、美咲さんは朗らかに言った。

 色白でほっそりと背が高く、明るい雰囲気の美咲さん。笑うと目尻がとろんと下がるところが愛らしく、ふんわりとウェーブがかかった茶色の髪も非常によく似合っている。年齢は筆者と同じ四十歳前後だろう。まだ幼い2人の子を持つ彼女は、どこから見ても「かわいいママ」である。美咲さんにそんな第一印象を伝えると、人懐っこい笑顔を浮かべて「じゃあ私、うまく化けられてるのかも」と言った。

■夫とのセックスは“お勤め”

「常に誰かを好きでいたいんです」
 
美咲さんが現在のご主人と結婚したのは33歳の頃。以前の職場での飲み会で知り合った2つ年下のご主人とは、いわゆる“授かり婚”だ。

「付き合ってから1年たつかたたないかっていう頃ですね。交際当時は、男っぽくて頼りがいのある夫に一目ぼれして、本当に舞い上がってました。でも時間がたつと、夫の『男っぽさ』が『偉そう』に感じられてきて……そろそろ別れようかな、と思い始めた頃の妊娠でした」

 ご主人は、美咲さんの友人関係に口を挟み、手料理や掃除などにも細かいという。

「煩わしいなとは感じましたが、我慢できないほどでもありません。だから結婚を決意したのでしょうね」

 多少難ありだが、美咲さんは今のご主人を選んだ。仕事は結婚を機に退職。現在は専業主婦である。対するご主人は義父が経営する会社で働いている。長男であるご主人は、当然将来、その家業を継ぐことになるそうだ。美咲さんは、車で15分ほどのところに住む義母ともうまくやっていて、週に数回子どもの面倒を頼むが、育児関係の仕事に就いていた義母は、いつも快く引き受けてくれるという。

「お外で恋愛するには最高の環境ですよね(笑)。金銭面では余裕がありますから、かなり自由にさせてもらっています」
 
 男としてのご主人への気持ちが冷めかけてきた頃に結婚をしたせいか、出産後の夫婦の関係性はすぐさま「家族」に変化した。まずはご主人に対する呼び名が「パパ」に変わったのだ。

『女の残り時間―ときめきは突然、やってくる(中公文庫)』
墓場まで持ってく話しだらけのオンナね!!
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