漫画家・田亀源五郎さんインタビュー

自分の中の差別意識を見つめ直すために ゲイアートの巨匠が問いかける、LGBTを取り巻く社会

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田亀源五郎さん

 2015年は、日本のセクシュアル・マイノリティの地位向上に向けて布石を打つ動きが活発にみられた。そのひとつが、渋谷区や世田谷区の同性カップルのパートナーシップを公認する証明書や宣誓書の発行。そして、つい先日も三重県伊賀市で2016年4月から証明書を交付する方針が発表された。アメリカでも同性婚が憲法上認められるなど、世界でも変化がみられる中、日本はまだまだセクシュアル・マイノリティに対して閉鎖的な側面もある。

 その背景には、個人が内に秘めた“差別”や“偏見”があるのではないか――そうした問題提起をちりばめているのが漫画『弟の夫』。ストレート(異性愛者)の主人公のもとに、亡くなった弟の“夫”であるカナダ人のマイクが訪れることで浮き彫りになる、同性愛に対する主人公の戸惑いを描いた作品だ。

 「第19回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門の優秀賞を獲得したことでも注目されている同作品。著者である田亀源五郎氏は、ゲイ・エロティック・アーティストとして、ゲイの専門誌でアダルト漫画の連載を持ちながら、ゲイアートの個展も開くなど、コアなファンに響く作品を手掛けてきた。そこで、田亀氏に『弟の夫』を描くことになった理由や、昨今のセクシュアル・マイノリティを取り巻く環境の変化について話を聞いた。

■ストレートの人たちに、ゲイについて知ってほしい

――同性愛をモチーフにした『弟の夫』という漫画を、一般読者向けの雑誌に連載することになった経緯についてお聞かせください。

田亀源五郎氏(以下、田亀) ゲイに関する問題を、ゲイ読者ではなくストレートに向けて描いたら面白いのでは、と思ったことがきっかけです。その頃ちょうど世界中で同性婚のニュースが飛び込んできていて、私がその動きを追いかけている中で、ストレートの人もかなり興味を持っていると感じました。ゲイの問題を語ることで読者の視野が広がり、それがストレートの層だったら、広がり方がより大きくなって面白そうだなと思ったんです。

――この登場人物たち(ストレートの弥一、娘の夏菜、弥一の双子の弟の夫のマイク)の役割設定は最初から決めていたのでしょうか?

田亀 ゲイとは縁もゆかりもないストレートの人が、身近な問題だと感じる時ってどんな時かというと、身内からカミングアウトされる時だろうと。それで、まず弥一とマイクの設定ができ、そこに幼くてかわいい女の子が、場を引っかき回す役割として加わったというかたちです。

――読者の方の反応はいかがですか?

田亀 「目からうろこ」という感想が多かったです。無自覚のうちに偏見を持っていた人に届いたと思います。サイン会には、これまで私の作品を支持してくれていた方たちだけでなく、親子連れも来てくださいました。

「LGBT」が2015年の流行語大賞になるという予想もあったけど、ならなかったね

しぃちゃん

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