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左から『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(アールズ出版)、『「嵐」的、あまりに「嵐」的な』(小社刊)


(前編はこちら)

 ここ数年、ジャニーズファンの間で、グループが売れるまでの経緯を、努力や苦労、ケンカやその末の友情、絆といったキーワードで読み解く流れが定着している。例えば、Kis‐My‐Ft2は、デビューから2年で『裸の時代』(集英社)というデビューまでの苦難を語る単行本を発売し、ファンのバイブルとなっている。なぜ、いまアイドルが物語性を持つことが求められているのか? それは強みとなるのか? 明治大学法学部非常勤講師の関修氏と、コラムニストの田幸和歌子氏が、ジャニーズにおける「物語」について語り合った。

関修(以下、関) 田幸さんの『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(アールズ出版)は、Hey!Say!JUMPを知らない人が読んでも全体像がきちんとわかるようになっていておもしろかったです。

田幸和歌子(以下、田幸) ありがとうございます。この本を書くお話をいただいたときは2015年4月で、Hey!Say!JUMPはまだまだ世間に浸透していない時期でした。ファン層が若いこともあり、ネット上にあふれている情報は画像が中心。情報として道筋ができてないように思い、ちゃんと流れを追ってみたかったんです。

関 “物語”がありますね。Hey!Say!JUMP結成から今までのエピソードがきちんと説明されていて、一人ひとりのキャラクターも際立ち、メンバーの関係性もわかる。有岡(大貴)くんが、飯島(三智)女史から(藤島)ジュリー(景子)さんにマネジメントを替えてほしいと直談判するような子だなんて知りませんでした。

田幸 テレビで見ている限りでは、いつでも明るく元気な少年、という感じですもんね(笑)。その点でいうと、嵐の場合は、「(感動的な)『物語』は『嵐』固有ではない」と先生は書かれていて、例としてNHKのドキュメンタリー『嵐 15年目の告白 ~LIVE&DOCUMENT~』(14年11月7日放送)を挙げています。

関 NHKが描いたような「苦労したけど、ここまで来ました」という物語は嵐的ではないんです。

田幸 02年のツアーのとき、コンサートが終わった後、毎日みんなで集まって朝まで話し合ったエピソードは、ファンにとっては嵐を読み解く上で重要な物語となっています。私は、不思議と好きなPVが02〜03年頃に集中していて、実は、その頃一番あがいていたときだったと知って、ああ、私はあがいているグループが好きなのかもしれないと思って興味深かったんですが。

関 そういうエピソードはあってもいいのかもしれないけど、過去において苦しんで、15周年のハワイコンサート当日も二宮和也くんが腰を痛めて苦しんで、相葉雅紀くんも病気で辞めようと思ったことがあって苦しんで……と、苦労話ばかりクローズアップするのは非常にあざとい感じがするんですよね。

田幸 確かに、メンバーが泣いたシーンを強調するのもちょっと……。

関 ステージで相葉くんが泣いて後ろを向いたときも、松本潤くんは「前向きなさいよ」と茶々を入れているし、コンサート終了後のインタビューでは、二宮くんも相葉くんの真似をして「あれ、ギャグじゃないんすか」とからかっている。あのやりとりこそが嵐的。しかし、NHKはそれらのシーンをすべて省いて、泣いてるシーンだけを切り取って、あたかも「嵐は苦労してここまで来ました」という物語にしている。結局、佐村河内守氏のドキュメンタリー『魂の旋律~音を失った作曲家』(NHK、13年3月31日放送)と同種の普遍的な感動物語になってしまった。

田幸 5人の絶妙な距離感があってこその嵐なのに、そこを省略したために嵐だけの物語ではなくなってしまったわけですね。嵐自身はデビューしてから今までスタンスはあまり変わっていないと思うんですが、「嵐の見せ方」にいろんなものが乗っかってきてしまって、画一的に変わってしまったように感じます。

関 アイドルにおける物語は、ある種の延命作用でもあるんですよ。物語と評論が違う点は、物語は作家次第で「続く」「続く」「続く」と永遠に続けることができる。アイドルにおいても、1回で完結してしまうシングルやアルバムと違い、「実はこんなことがありました」「あのときはこうでした」と、本人たちが望むと望まざるとにかかわらず、いくらでも語ることができる。

田幸 Hey!Say!JUMPの物語を書いておきながら矛盾しているようですが、アイドル自らが苦労話をするのは、私はあまり好きではありません。アイドルはあくまで表側を作り上げ、裏側はこちらが勝手に読み解くのがファンの楽しみでもある。しかし、近頃は、嵐のようなキャリアのあるグループだけでなく、ジャニーズ全体が「情熱大陸」化していく傾向が見られます。結構早いうちから“本音”を語らせちゃってるんですよ。まだデビューしてもいないJr.の子が語っているのを見ると心配。ちゃんと“溜め込む期間”は必要だと思います。

『Hey! Say! JUMP 9つのトビラが開くとき』 伝統芸能となり、いつかオババしか寄り付かない世界になるのかな…… amazon_associate_logo.jpg
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