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 クイズです。次の写真は、乳児の〈目〉です。3人の赤ちゃんの目を見比べ、この中から〈母乳育ち〉を選んでください。

 母乳で育った赤ちゃんは目の輝きが違う! 一部の母乳育児推進派の間で、そんな〈母乳神話〉が広まっています。ですからきっと、その筋の方が見れば違いが判るはずです。ちなみに私にはまったく見分けがつきませんが、皆様におきましてはいかがでしたでしょうか。突出した輝きを放つ瞳、見つかりましたか?





 さて、クイズの正解はAの赤ちゃんです。Bは粉ミルクで、Cは母乳&粉ミルクの混合。どの赤ちゃんも、離乳食開始直前時期の写真をお借りしました。確かに言われてみると、Aは輝きが強いだけでなく、どこか落ち着いて満たされてる感じ……? なんてわけが、あ る か! どの目も、甲乙つけがたい輝きです。

 というか、母乳神話でいうところの〈輝き〉の評価ってどうやるんでしょう。ご存じの方いらっしゃいましたら、ぜひご教示いただけませんでしょうか。ああそういえば、母乳が出なかったので粉ミルク育児をしていた同級生に「母乳をあきらめないで!!」と激励(?)メールを飛ばしまくっていた友人がいましたが、母乳信仰を語る彼女の瞳は、確かにキラキラ輝いていたような気がします。

◎「母乳マーベラスッ!」は病院から

「目の輝きが違う!」なんて馬鹿げたお説、昔の人が言ってたんでしょ~(笑)? と言いたくなる人も多いと思いますが、時代錯誤な迷信のように聞こえるコレ、今でもそう教えている総合病院があるようなのです。

 私の友人Tは都内の某病院で5年前に出産し、入院中の産後指導で、このお説を聞かされた体験者です。産後のお母さんたちが授乳や赤ちゃんのお世話についてレクチャーを受けるなかで「母乳で育つと、こんなにいい顔になるんですよ」と、さまざまな赤ちゃんの顔写真がパパパッと現れるスライドを見せられたのだとか。産後で疲れきって朦朧とした状態でそのようなものを見せられた友人Tと周りのお母さん方は、「な、なんか今、妙なもの見せられた気がするけど……まあいっか」くらいのノリで、つっこむ元気もなく全員スルーしていたとのことです。

 その病院は母乳育児を推奨しているものの、決して無理はさせず、状況に応じて人工乳(粉ミルク)も与えてくれたようですが、それでも偏った価値観の指導をするもんだなあと驚きです。母乳が素晴らしいのは確かでしょうが、それがなぜ目の輝きに反映されるのか、どう評価しているのか、謎多すぎ~。

 そんな話を聞いていたら、私にも突然記憶がよみがえった母乳案件がありました。

 大学時代、バイト仲間だった地方出身のバンドマンと飲んでいたときのことです。おぼろげな記憶をたどると、そのときの話題は彼の「オレ、地元では有名だぜ自慢」だったと思うのですが、その流れから突然「自分は母乳だけで育ったから!」と誇らしげに語るのです。

 当時の私には発言の意図が全くわからず「離乳食とか食べなかったのかな?」というトンチンカンな疑問を頭に浮かべつつ、へーそうなんだーと聞き流していましたが、今なら、彼が母親から〈母乳育児はいかに手間と愛情が詰まっているか。ミルク育ちとは出来が違うか〉という価値観を繰り返し刷り込まれた背景が、容易に想像つきます。

 この例からもわかるように、母乳神話では母乳のすばらしさをアピールしたいがゆえに、直接的にも間接的にも、粉ミルク育児をディスるという困った面があります。〈粉ミルクは母親が楽をするためのもの〉という精神論的なものから(全然楽じゃないですが)、〈粉ミルクはストレスで赤ちゃんの髪が逆立つ〉〈発達障害やアレルギーは、粉ミルクと関係がある〉などのトンデモ系まで、根拠のない話もたくさん。

 ところでこのような「母乳こそ正義!」な価値観ってどこから湧き出てくるんでしょう? 私は、嫁や母はできるだけ苦労すべきというトメトメしい感情を隠し持つ人や、母乳で育てている自分のほうが格上と思いたい、マウンティングからだろうなと思っていました。

◎現行の実践ガイドが母乳神話を後押し

 ところがなんと、日本助産師会が現在発表している実践ガイド「赤ちゃんとお母さんに優しい母乳育児支援(母乳育児支援業務基準検討特別委員会)」にも、その価値観を後押しするような情報が掲載されているではありませんか。

 この実践ガイドは、母乳育児を支援する助産師と、支援を受けるお母さんが同じ情報を共有するために、実践の場で役立つガイドとして考案されたものだとか。中にはカンガルーケアの注意点やK2シロップの必要性など、なくてはならない情報も掲載されているものの、こりゃちょっとどうなのよ的ポイントがザックザク。まずはしょっぱなからズコーとなったのが、「母乳育児相談や出張ケアの場合には次のような工夫ができるでしょう」という項目の前フリ。

「お母さまと赤ちゃんがキラキラ輝いて、母乳育児をラクに楽しく行えるよう、母乳育児成功のための10か条WHOコード※を尊重してお手伝いしています」 ※WHOコード=世界保健機構(WHO)とユニセフによる、母乳代用品の販売流通に関する国際基準。日本においては、法制化はされていない。

 デター。キラキラ輝くって具体的にどんな授乳! こういうポエムな表現、医療と関わる人たちが使うの、やめませんかね? さて、軽いジャブをかまされたその後も、凄かったです。続いて「母乳育児の利点」というパートでは、こんな項目を発見。

◎ざっくりとした利点の羅列

・母子のきずな形成に役立つ
→これを母乳のメリットとして特筆されると、粉ミルクではきずなが薄くなるとでも言いたいのかと勘繰りたくなります。

・赤ちゃんに必要なすべての栄養が含まれている
→母乳にしか含まれていない成分が存在するのは確かですが、〈赤ちゃんに必要な栄養〉は粉ミルクでも摂取できます。

・置換栄養を与えることのリスクを、赤ちゃんに与えなくてすむ
→どんなリスクかを明記していないので、これは卑怯。わずかなリスクを多大なものであるように思わせてしまい、巷のアレルギーや突然死症候群の確率が高くなるなどの粉ミルクヘイトを煽るような言い方です。

・ごみが出ず環境にやさしい、災害時に特別な支援物品がなくてす
→ひ、ひでえ(白目)。「皆母乳だったら必要ないのに、粉ミルクの物資は迷惑」っていっているようなものじゃないですか。災害時は必ずしもお母さんと赤ちゃんが一緒にいられるとは限らないので、粉ミルクを必要とする赤ちゃんは、必ず出てくると思いますが。

 さらに「哺乳瓶や人工乳首は、感染の原因になる」ともあり、育児用品のど定番である、消毒アイテムの存在は無視? しかも、「こういうことをすると菌が繁殖するから注意しましょう」ではなく、この一文のみ。まるで、哺乳瓶を使ったらハイ感染! みたいな印象です。

 哺乳品にセットする〈人工乳首(ゴム製の乳首)〉や、お母さんの乳首を保護する〈ニップルシールド〉もとことん否定し、記載されているのはデメリットオンリー。ニップルシールドは、体重不増加、脱水、細菌やカンジダの温床となる、依存して外せなくなるetc.……というネガティブかつちょっと極端ではという事例を並べていますが、なんでしょう、メリットを書くと負けなの?

 では赤ちゃんがお母さんの乳首から直接飲めないときはどうするのかというと、これらのものを使わず〈搾乳したものをカップで飲ませる〉ことを推奨。これは単純に「そんなことができるのか!?」と白目。いや、できる赤ちゃんもいるのでしょうが、ひたすら爆睡モードでミルクも母乳も飲まず、助産師さんたちが汗だくになって哺乳瓶を口にねじこんでいた我が子のケースを思い出すと、ジョジョ風に「無理無理無理無理イイイィ」と倒れそうになりました。

◎偏った情報で母親を追い詰める

 このガイドラインのまとめには、WHOコードを医療従事者が知っておくことのメリットとして、乳業会社が製品(粉ミルク)を売るための戦略には偏りがあり、偏った情報を受け取る母親は正しい意思決定をできないから、それを防ぐべしとあります。人工栄養(粉ミルク)の情報を提供する際は、健康への悪影響を伝えることも必要、とも。どちらが偏った情報を発信しているのか、これぞ見事なブーメラン。

 もともとWHOコードは、感染症が多く衛生的とは言いがたい地域で、粉ミルクを与えて大きなリスクが発生したことなどが国際的に問題視され、生まれたもの。この実践ガイドもそれをもとに作られているようなので、違和感のある点は多少しかたありませんが、もう少し日本の育児の現状にそった補足を入れてくれないと、母乳でなくてはならない! と追い詰められるお母さんたちが増えていきそうです。

 昨年、母乳のネット販売問題が明るみに出てから、極端な母乳情報が目につくようになってきたような気配がありますが、当事者以外はウゲゲとなりそうな母乳石鹸やら母乳ジュエリーのほうが無邪気さにあふれていて、まだ明るい気持ちになれそうです。母乳石けん、せっかくだから一度作ってみようかなと思いかけましたが、「母乳マーベラスッ!」というおかしなモードに入らないために、粉ミルクも配合してみることにいたしましょう。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

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