中村麻布十番クリニック・中村光康院長インタビュー

無理なダイエットが「寝たきり」リスクに 30代から始めたい骨のアンチエイジング

2016/01/06 15:00

――エストロゲンや栄養素の他にも骨の老化に関わるものはどんなものがあるのでしょうか?

中村 重要なのは成長ホルモンとDHEA(性ホルモンの一種)ですね。DHEAは副腎で合成された後、エストロゲンやテストステロン(男性ホルモン)に変換されるホルモンで、免疫力の向上やストレスに対しての抵抗力をつける働き、また、骨密度を上げたり動脈硬化を防いだりする作用や肥満を抑える働きのあるホルモンです。DHEAの合成量が減少すると骨密度も下がり、他のホルモンの分泌にも影響を及ぼします。あとは、成長ホルモンも骨に関与しているホルモンで、エストロゲン、成長ホルモン、DHEAが骨のアンチエイジングには欠かせないものです。

――そういった骨に必要なホルモン分泌を促すためにはどうしたらよいのでしょうか?

中村 健康であることが大事。偏った食事をしないということ。あとは、運動と睡眠ですね。特に質のよい睡眠をとることが大切です。質の悪い睡眠では成長ホルモンが分泌されませんから、成長ホルモンが分泌される夜にきちんと眠ることが重要です。あとは炭水化物を摂り過ぎないことですね。炭水化物を摂り過ぎると成長ホルモンの分泌量が減少します。

――やはり、骨のアンチエイジングというとしっかり食事を摂ることと寝ること、そして運動することですか?

中村 そうですね。まずは食事。骨に関していうと必要な栄養素はカルシウムとビタミンDです。そして生活習慣の見直しと適度な運動。健康な体を維持することが何よりのアンチエイジングです。

――先生のクリニックで骨の老化を測定していただくことも可能でしょうか?

中村 もちろん可能です。骨だけでなく、血管年齢などさまざまな体年齢を測定することができます。また、栄養の偏りやミネラルバランスなども検査することができるので、健康に不安がある、また、将来の健康に不安を感じるという方は、ぜひ一度、検査を受けられることをお勧めします。
(橋本真澄)

中村光康(なかむら・みつやす)
中村麻布十番クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医など数々の資格を持ち、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター研究員としても活動。米大学研究室や大学病院などでの勤務で培った知識と技術を活かし「町のかかりつけ医」として、「納得のいく医療サービス」をモットーに、地域の健康促進に尽力している。同クリニックでは内科を中心に、生活習慣病からアンチエイジング治療まで幅広い診療を行っている。
・中村麻布十番クリニック

最終更新:2016/01/25 17:22
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