『旅の賢人たちがつくった アジア旅行最強ナビ』発売記念イベントレポート(前編)

クリスマスにシャワーをのぞかれた… それでも女子に勧めるアジアの旅行先とは?

2015/12/29 16:00

■バラナシへ行かないと、インドに行った気がしない

 バラナシも相当ヤバくて、あの街はインドのすべてが集約されてるんですよね。ガンジス河が本当に汚いですよね。沐浴すると、体の穴という穴から菌が入りますから、近寄らないほうがいいです。

丸山 明け方に行くと、川沿いのガート(洗濯や沐浴の場として使われる階段)を沢木耕太郎ちっくに、自分に酔った感じで歩く日本人をよく見るんですよ。インドの民族衣装のクルタみたいなものを着た若者が、ひとりで歩いているわけです。「おはよう」と声をかけると、迷惑そうに避けるんです。彼らはカッコつけてクールにしているわりには、死体を踏むと、ギョッって悲鳴を上げたりするんですよね。あれ、笑っちゃいます。

 わたしね、「死体が流れてるよ」という話は噂だと聞いていたんです。そしたら、この前、乗っていた舟に死後硬直しているサドゥー(ヒンドゥー教徒の修行者)が激突して。でも、インド人は「あぁ、たまには人も死んでるよね」みたいな、普通の感じなんですよね。

丸山 ガートの北か南に火葬場がありますよね。

 火葬場にも行きました。野外で火がボーボー燃えてるんだけど、「これは2000年ぐらい火が消えてないんだ」と言うんですよ、インド人が。「うっそー。風だって、雨だってあるし、台風もあるし」と言ったら、「ヒンドゥーパワーだ」みたいな(笑)。いやいやいやですよ。

丸山 薪が高いらしくて、薪が買えない貧しい人の遺体は最後まで燃やせない。だから、遺族が帰った後、河に放流しちゃうんですよ。

 死を待つ人の家があるんですよね。訪れたら、そこにいるおばあちゃんに「わたしを燃やす薪のお金をください、300円から寄付を受けます」みたいなことを言われて。払わないと、すっごい怒られるんです。でも、そのおばあちゃんは、死を待つ家のオーナーに「観光客からお金を巻き上げろ。稼いだら、死んだ後、ちゃんと焼いてやる」みたいなことを言われてるんですよね。

丸山 実際、たぶん焼いてないですよね。僕が見たのは、薪を2本つかんでいただけで、遺体を流していたから、その薪はおそらく燃やす用じゃない。

村田らむさん そもそも、薪で死体を燃やしきるって……。

 だから、ヒンドゥーパワーですよ。

丸山 まぁ、女子におすすめなのはバラナシ、ということですよね。

 ここへ行かないと、インドに行った気がしない。

丸山 確かにここに行かないと、“インド行った”という感じにはならない。ただ、“行った”ということ以外は特に何もないですけどね。第3の目が開くみたいなことや、悟りに至ることもなく、まぁ行ったかな、という感じがします。「行かない」と「行く」だったら、行ったほうがいいと思います。

■インドなのに、おしゃれなカフェがいっぱいある街

 インドの修行に疲れて、ちょっとネパールで癒やされようと思って、インドとネパールの国境に近いルンビニという街へ行ったんです。ネパール人は穏やかで優しいので、癒やされますよ。

丸山 インドを通っていくと、どこの国も良く見える。インドの後の行き先が穏やかだったら、なおさらですよ。

 なんでこの街に行ったかというと、ここはブッダが生まれた街で、仏教のお寺が世界中から集まっているところなんですね。その中の韓国寺に行くと、タダでごはん付きで泊めてくれるんですよ。その情報を得て、わざわざ行きました。ドミトリーなんですけど、ちゃんと女子部屋、男子部屋がありますし、暇だったみたいで、わたしひとりで広い部屋に泊まれたんです。ごはんも充実していて、食べ放題のビュッフェみたいになっています。韓国料理とネパール料理のミックスで、お肉はないんですけれど、野菜いっぱいで日本茶もあるし。

丸山 何日いたんですか? 

 3日ぐらいです。飽きちゃって。でも、お得でしょう? 最後にドネーションボックスがあるので、「心づけだけ置いていってください」という感じです。

丸山 入れたんですか?

 100円。ここは、いまだにタダで泊まれるので、本当にお金がなくなったら、チケットだけ取ってここへ行けばいい。

丸山 そんな条件の宿はあまりないですね。

 その後、インドに戻って、砂漠の町のジャイサルメールのさらに奥にあるクーリー村に行きました。そこで、コストパフォーマンスが優れていた宿に出会ったんです。なんと、1泊約200円で、3食食べ放題。食事がほんとにおいしくて。

丸山 ジャイサルメールは、女子旅で人気があるの?

 めっちゃいいですよ。インドで、いっちばんいいから! インドなのに街がかわいくて、インドなのにおしゃれなカフェがいっぱいあって、インドなのに人がそんなに悪くないんです。

丸山 「インドなのに」というのはよくわかりますね。僕は「インドなのに」の、“なのに”の部分しか行かないから。インドは好き嫌いの分かれる国ではありますけど、やっぱり女子向けのスポットというのがあるわけですね。

 あと本の中で、インドのクリスマスの話を書いてましたよね。

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