2015年まんが界事件簿【1】

2015年まんが界事件簿――【東村アキコ『ヒモザイル』騒動】が象徴したヒエラルキー

 2015年もマンガ界は大変に豊作でありました。その最大の成果が九井諒子先生の『ダンジョン飯』(KADOKAWA)であり、老若男女、マニアからライトユーザーまで幅広い支持を集める本作は、久々のメガヒットの登場を予感させます。ところで、九井先生はそもそもネットでマンガを発表していた方です。近年、ネット発のマンガ家は急増しつつありますが、その一方でマンガ家がネットでトラブルに巻き込まれる事態も増えています。今年はマンガ家がらみの2つの大きな炎上沙汰がありました。

◎東村アキコ『ヒモザイル』事件の根幹

himozairu.jpg
「モーニングtwo」(講談社)2015年10月号

 9月、講談社の「モアイ」で公開された東村アキコ先生の『ヒモザイル』(「モーニング two」連載・現在休載中)が炎上いたしました。その一部始終は以前に別の記事でも紹介いたしましたが、要約しますと非常に感じの悪いセレブママ友が東村先生の男性アシスタントに対して「うちの子があんなふうになったらどうしよう」といった暴言を吐いたり、専業主夫を「ヒモ」呼ばわりするなどの差別的な言動が描かれていたものです。

 結果的に本作は連載休止となりました。「嫌な気持ちになった方には本当に申し訳ないと思ってます。そして、連載を楽しみにしてくださっている方々、本当にごめんなさい。 本作は実際の出来事を元に描いていこうと考えていたので、皆様からの反響に向き合わずに創作を続けることはできないと判断しました。 お休みさせていただきながら、今後について考えたいと思います」というコメントは、おそらく東村先生の本心です。東村先生はこの事態をまったく予測していなかったのです。

 東村先生は身近な人々をマンガに取り込むのがとてもお上手な方です。出世作『ひまわりっ ~健一レジェンド~』(講談社)のおもしろさを支えていたのは、父・健一やウイング関先生など、実在の人物をモデルとした濃厚なキャラクターたちの魅力でありましたし、『かくかくしかじか』(集英社)はそうしたテクニックの集大成でもあったことでしょう。今回もおそらくそんなノリで始めた連載であったはずなのですが、しかし同じようにうまくは行きませんでした。

 原因究明の鍵を握るのは「上下関係」です。まず第一に、健一も『かくかくしかじか』の日高先生も目上の存在でありました。東村先生が彼らを描くとき、多分に茶化しながらもそこにはリスペクトの念が少なからず感じられたものです。ところが本作で対象となったのはアシスタント、つまり部下。ここで東村先生の体育会系的なメンタリティが炸裂します。『ぶ~け』(集英社)や岩館真理子作品を読んで育った東村先生は、ややもすれば文化系/サブカル系にカテゴライズされがちな存在ではありますが、実はそうではありません。『かくかくしかじか』に描かれた体育会系的な世界観こそが、東村先生の本質であるのです。

無自覚な強者は人ばんばん傷つけまくるよ

しぃちゃん

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク

アクセスランキング

  1. 「嵐はしゃいでた」発言で日テレP炎上
  2. 嵐と10年付き合った放送作家が「ヒドイ話」をブログで暴露
  3. マギー不倫報道に“非道すぎる圧力”
  4. 葵つかさ「松潤の相手」表記にクレーム
  5. マギー、M字開脚に「痛い」の声
  6. 木村拓哉の足首タトゥーが解禁?
  7. 成宮友人A氏、「和解」提案の舞台裏
  8. 草なぎ剛結婚報道のウラに木村?
  9. 『大貧乏』視聴率暴落&批判のワケ
  10. キムタクは「がんばっちゃう男」である
  11. 『A LIFE』初回14.2%にテレビ関係者絶句
  12. 山崎賢人、「恋人匂わせ」投稿に呆れ
  13. 篠原涼子、「演技派女優」計画は失敗? スペシャルドラマ不振で「やっぱり現代劇向き」の声
  14. “意外すぎる”不倫常習犯タレント
  15. 葵つかさ「ヌード披露」で売名説激化?
  16. 工藤静香がインスタ開始で夫婦アピール?
  17. SKE48、“未成年飲酒”疑惑のツイート流出?
  18. 『べっぴんさん』新入社員に視聴者熱視線
  19. “もう終わった”イケメン俳優3人
  20. 「二度と仕事したくない」勘違い女優

ジャニーズの人気記事

  1. 「嵐はしゃいでた」発言で日テレP炎上
  2. 嵐と10年付き合った放送作家が「ヒドイ話」をブログで暴露
  3. 葵つかさ「松潤の相手」表記にクレーム
  4. 木村拓哉の足首タトゥーが解禁?
  5. キムタクは「がんばっちゃう男」である

カルチャーの人気記事

  1. 「婦人公論」で小保方連載スタート
  2. 猫トラブルの原因は人同士のいさかい?
  3. 「日本が独裁国家に」映画監督が警告
  4. 「捨てられる妻」の典型とは?
  5. こなれを捨てた「CLASSY.」が暴挙へ

海外ゴシップの人気記事

  1. トランプ就任式はしょぼくてもOK!
  2. ケイティ、年末年始に日本を堪能
  3. リアーナ、J. Loをアンフォロー
  4. マイケル・ジャクソン再現ドラマに、娘・パリス「ありえないほどの侮辱」! 炎上騒ぎに
  5. 発禁レベルのジャケ写の洋楽アルバム