仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

椿鬼奴の“稼がない夫”は、なぜ批判される? バラエティに蔓延する「男はNG」の発想

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椿鬼奴公式プロフィールより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「お母さんは、私のお金でいろいろ楽しそうにしている」中川翔子
『ウチくる!?』(フジテレビ系、11月29日放送)

 「女芸人は、幸せになるとウケなくなる。人は他人の幸せは見たくない」。かつて『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でこう語ったのは、結婚直後のクワバタオハラの小原正子だが、これは世間の一般認識ではないだろうか。結婚した女芸人が結婚生活を語る時、“羨ましくない点”を盛り込むのは定番で、8歳年下の後輩芸人、グランジの佐藤大と結婚した椿鬼奴の場合、“ダメ夫”がアピールポイントとなる。

 “ダメ夫”佐藤の具体的エピソードを紹介するのは、鬼奴の親友、森三中・黒沢かずこである。佐藤は売れていないので、当然収入も少なく、鬼奴の方が多い。先輩や後輩に借金もしており、にもかかわらず競艇などのギャンブル好きなのだそうだ。黒沢は鬼奴、佐藤とともに出演した11月29日放送の『ウチくる!?』(フジテレビ系)でも、こうした佐藤のダメぶりを明かしていた。特に黒沢は佐藤の借金に関心を持っているようで、「債権を鬼奴が肩代わりするか、頭を下げるかするべき」と主張する。が、鬼奴は「借金は旦那の問題だから、関与しない」「私だって、お金を貸してる側だ」と取り合わない。黒沢の“友達思い”の心は複雑で、佐藤に対して、経済的に安定して鬼奴に苦労をかけてほしくないと思う一方で、「一生、(鬼奴は)働き続けなきゃいけない、しかも2人分と思うと、うれしい。そう簡単に幸せになれないよ」と嫉妬にも似た複雑な感情を吐露している。

 番組を見ていると、疑問が3つ湧いてくる。1つめは、「佐藤はなぜダメ夫なのか?」ということである。佐藤の仕事や収入が少ないのは事実だが、そんなことは鬼奴も最初からわかっていただろうし、収入の半分を生活費として家庭に入れ、借金も少しずつ返しているそうだ。鬼奴は料理がまったくできないそうだが、『踊る!さんま御殿!!』で「夫がおいしい料理を作ってくれる」と発言していた。鬼奴が稼ぎ、佐藤が家事をやるのなら、それは“分業”であり、責められるようなことではないだろう。少なくとも、夫より収入が少ない妻が、それを理由に「ダメ妻」とは言われることはない。ギャンブルは借金の温床となりがちだが、鬼奴自身も休みの日は1日パチンコに出かけるほどのギャンブラーで、「ギャンブルをやめてほしいと思わない」と『ウチくる!?』で発言していたわけだから、問題はないはずである。

 2つめは、「なぜ佐藤の借金を鬼奴が返さなくてはいけないのか?」である。鬼奴が連帯保証人になっているのなら別だが、金融機関にしろ、個人にしろ、借金をしたのは佐藤であり、当然返済するのも佐藤である。夫婦といえども、そこは別問題。なぜ、黒沢が鬼奴に肩代わりを迫るのか、理解できない。

黒沢よ、そこに幸せと金脈はあるの?

しぃちゃん

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