[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」11月10日号

なぜ女は自分の墓と葬式にこだわるのか――「婦人公論」から浮かび上がってきた切なすぎる理由

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「婦人公論」11月10日号(中央公論新社)

 「婦人公論」(中央公論新社)今号の特集は「私の終活――お墓、遺言、お葬式」です。と、その前に作家・阿川佐和子のインタビュー「私はお父ちゃんの『忠犬ハチ公』だった」を見てみたいと思います。戦後文壇を代表する作家である父・阿川弘之と、同じ作家の道を選んだ娘。偉大な父を亡くした現在の心境を赤裸々に語っています。

 幼い頃から「ひたすら怖い存在」だった父親を「怒らせないように」過ごしてきたという阿川。決まり文句は「俺の言うことが聞けないのなら出て行け! 女郎屋に行こうが野垂れ死にしようが俺の知ったことか」。娘は自分を世話してくれる労働力である一方で、「女は結婚して母親になるのが一番だというのが父の理念」、そのくせ娘のボーイフレンドには難癖をつけまくってきたという、現代なら間違いなく「男尊女卑野郎」に認定されたであろう父。

 「老人ホームに入るくらいなら俺は自殺する」という願い虚しく、病気になってから老人専門病院に入院、そこで94歳の大往生を迎えました。しかし病室に本棚をしつらえ、世界の酒を取り揃え、娘が持ち込むごちそうに舌鼓を打ち、最期の最期まで娘に小言を垂れるという、非常に幸せな入院生活だった様子。死ぬまで己の価値観を疑うことなく、家庭を、子どもたちをコントロールすることに成功した阿川弘之こそ、人生の勝ち組なのかもしれません。

<トピックス>
◎阿川佐和子 私はお父ちゃんの「忠犬ハチ公」だった
◎特集 私の終活――お墓、遺言、お葬式
◎夫・大島渚と2人で眠るお墓を建てました

■死なぬ女の皮算用

 さてあらためて特集「私の終活――お墓、遺言、お葬式」を見てみましょう。昭和の大作家ともなれば己の信念を曲げぬまま一生を終えることもできましょうが、このご時世、死に関しても自分の希望と周囲の環境、そしてなによりマネー、と折り合いをつけねばならぬことが多すぎます。リードには「人生の幕引きを考えることで、この先あなたがどう生きたいか、クリアになるでしょう」とあり、「終活」とは死から逆算した人生設計を立て直すいいタイミングでもあるようです。

 まずは読者アンケート「ランキングで見る理想の最期と私の準備」から。一見「an・an」(マガジンハウス)っぽいタイトルですが、中身は葬式、お墓のことです。抱かれたい男のことは書いておりませんのであしからず。このランキングを見ると、「死」が「結婚」と同じく自意識の発露の場であることがよくわかります。人間死んだら終わりですが、どんなふうに死ぬかでそれまでの人生の全てが一転してしまうような危機感さえも感じるのです。

終活の妄想は、皇潤より効果テキメンだからね!

しぃちゃん

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