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「Gina」(ぶんか社)11月号

 「Gina」(ぶんか社)11月号。別れは突然にやってきました。今月号をもって「Gina」は休刊とのことです。巻末にある一方的なお手紙「読者の皆様へ」が、寂しさを誘います。先月号からはじまった連載「インテリアスクール開講」も「2時限目」をもって終了です。ドラマの打ち切りとは異なり、落としどころもないままに終了~! こんなんだったら「上・下」にすればよかったのに……それができなかったということからも、休刊が突然決まった様子が窺えます。

 また、「風水で運気アップするお部屋づくり」や「『1年間で100万円』貯める女になる!!」など、「Gina」らしさをまったく感じられない、やけにポップな“回し記事”みたいなものがチラホラ。だいたい、「Gina」読者は恋愛運が上がるからって、部屋にピンクやレースものは置きませんから! お金も貯めたいけど、そんな大声で宣言することじゃない! そこへつけて、ファッションの特集は「自分らしさ」ですからね。このギャップ、最後だからって手抜きしないで~~!

<トピックス>
◎オシャレな人は“自分らしさ”を持っている!
◎スタイリスト大田由香梨さんの“私らしい”スタイリングの作り方
◎「1年間で100万円」貯める女になる!!

■沙羅マリー(28)、そういうお年頃?
 「今月のカッコいいひと。」は美容研究家・神崎恵さん。『いるだけでどうしようもなく心を奪う女になる』(大和書房)といった書籍で有名な神崎さんなので、おフェロ方向の当たり障りのないインタビューかと思いきや、そんなことなかったです。「Gina世代の28歳の頃は、シングルマザーとして、経済的にも精神的にもどん底」だったと振り返り、そこから美容家の仕事で波に乗り、再び結婚、出産と、サクセスストーリーを語っています。

 担当ライターからの、「最後に美容家、妻、母として女性の憧れをすべて掴んだ神崎さん流の幸せ方法論やアドバイスを教えてください」という質問には、甘い顔立ちに反して「男性は想像よりも女性を幸せにはしてくれません。だから自分を自分で幸せにできる人を目指してください」と返答する現実派ぶり! 最終回にして「Gina」ガールの男への幻想をぶち壊しましたね!

 その一方、「Ginaモデル5人の“私らしい服”!」ページに登場した、まさに「Gina」世代28歳の沙羅マリーさんの「子供を産んでから色気が必要だと思った。母じゃなく女でなきゃ私、枯れてく!って思ったよね(笑)」という焦燥感溢れる発言も面白かったです。「女の人が憧れるような、カッコイイエロが好き!」とも言ってました。子どもの手が離れたら、中山美穂さんみたく恋に走ってしまうのかしら? いや、それも一興ですよね。笑顔で体験談を語ってくれそうです。その頃には「Gina」はもうないですけど……。

■日本が「カワイイ女の子」を甘やかすワケ
 有終の美を飾る特集は、「オシャレな人は“自分らしさ”を持っている!」です。「『今っぽさより、自分らしさ』、それこそが『Gina』ガールに伝えたかったメッセージです」と、校長先生からの卒業の挨拶よろしく、最後の言葉がしたためられてました。

 その特集内「Ginaモデル5人の“私らしい服”!」では、鈴木えみさん、大屋夏南さん、沙羅マリーさん、エリーローズさん、比留川遊さんが、“自分らしい”アイテムや、カラーなどについて語ります。皆同じようなことを言葉を変えて言っていて、要約すると「いろんな服を着倒してきたから今のスタイル」があって、その自分のスタイルに「すっと入ってくる」トレンドのアイテムを買うとのこと。あくまで「自分>トレンド」という姿勢は共通のようです。いや、でもこれだとトレンドをお知らせするファッション誌の存在意義は……!

 そして、「スタイリスト大田由香梨さんの“私らしい”スタイリングの作り方」が続きます。大田さんが考える「自分らしいファッション」は、「トレンドなどの情報に常にアンテナを張っているけど」と前置きした上で、「毎日着る服は、自分の好みを大切にしたいから、シーズンを越えても褪せないような長く愛せるものを選びます」ですって。これって、トレンドのアイテム=仕事だからチェックしてる物&長く愛せない物、という事!? そんな事言わないでー!

 これを演繹法でまとめると……自分らしさがある人は流行に惑わされない→雑誌を買う必要がない→「Gina」の読者は自分らしさを追求している→雑誌が売れない→休刊ってことですかね? 大屋夏南の連載でも書かれていたけど、「カワイイ女の子」を応援する雑誌が多いわけはそのためか! 流行を消費してくれる「カワイイ女の子」がいないと、雑誌も洋服も売れないのです!

 これで休刊の理由が見つかった気が勝手にしていますが、もう1ページ「あなたに足りない“らしさ”を知ってもっと魅力的に輝く!」を見てみます。そこでの提案は「ファッションのお仕事だからこそ、憧れオーラを出せる黒を味方に」「モデルさんは人から見られることが大事」など、「自分らしさ」よりも「職業らしさ」を推したスタイリングが……。あれ、ブレッブレですわ……。う~ん、こちらが休刊の理由かしら!?

 前号で突然、おフェロや色気など「ar」(主婦と生活者)意識の世界観を展開するようになった「Gina」に不安を持っていましたが、その行く末を見守るまでもなくこうして休刊に。「カワイイ女の子」があふれる世の中にげんなりしてる女子の心には、「『カッコイイね!』が褒め言葉」の「Gina」魂がこれからも支えになるのかもしれません!
(白熊春)

『Gina 2015年 11月号 [雑誌]』 「Gina」よ、安らかに…… amazon_associate_logo.jpg

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