著者インタビュー

『あなたのことはそれほど』いくえみ綾さんに聞く、「2番目に好きな男と結婚した女」が持つ不安の正体

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『あなたのことはそれほど』(祥伝社)3巻

 10月8日に『あなたのことはそれほど』(祥伝社)3巻を発売した、マンガ家のいくえみ綾さん。1979年に「別冊マーガレット」でデビューして36年、少女マンガ誌からヤングマンガ誌など幅広い場所で、一貫して恋愛マンガを発表し続けてきた。恋愛の喜びがストレートに表現された作品がある一方、死者の“気配”に覆われる作品や家族や友人との複雑な関係/感情が織り込まれた作品もあり、恋愛によって生まれる一筋縄ではいかぬ感情を丹念に描き、独自の世界観を作り上げてきた。

 今作『あなたのことはそれほど』は、既婚者同士の不倫をテーマに、独占欲や嫉妬心、人間の情けない一面が容赦なく描かれている。この作品の意図や、マンガ制作に対するスタンスなど、いくえみさんにメールインタビューに応えてもらった。

――まずは「既婚者同士の不倫」というテーマを書こうと思ったきっかけや経緯を教えてください。

いくえみ綾(以下、いくえみ)あんまり憶えてないです。計画性がなく始まるのはいつものことなので、ことさら「不倫モノやるぞ!」と思った覚えはありません。

――主人公・美都、その夫・涼太、不倫相手の有島、その妻・麗華と4人の視点から過去~現在を描いていますが、それはどういった意図があるのでしょうか?

いくえみ 人物像としてわかりやすいかなと。

――有島は、美都が執拗に追いかけていた相手であり、初体験の相手ということはあるにしろ、まったく逡巡なしに有島と寝たことが、今までにない作品だと感じました。他作品の多くは、主人公が積極的に不倫に走るには不倫にエクスキューズを付け、罪悪感に苦しむ描写をふんだんに入れることで、読者の共感や不倫に対する免罪符を得てきたように思います。美都(ひいてはこの作品)にはそれらが必要なかったということでしょうか?

いくえみ 話の流れ的に美都が、有島は既婚者だとわかるのは、有島と不倫したより後、というか同時(?)なので、そこで逡巡すると流れが悪くなるし、後で既婚だとバラす理由もなくなるので自然にそうなりました。まあ、そうにしてもあまりにあっけらかんと事を成しすぎですが、そういう人ということで。

――美都は占い師に「2番目に好きな人と結婚するのがいい」と言われたことを心のどこかで真に受け、どこか満たされない思いを抱えていたことが、有島との不倫につながったように見受けられます。昔から女性の中では「結婚するなら、愛するより愛される方が幸せになる」といった都市伝説のような格言があり、そういった結婚を選んだ人も多く、美都のよう「満たされない思い」を抱えている人もいると思いますが、その思いの「正体」はどういったものだと思われますか?

いくえみ 自分の持っているものにいつも満足できなくて、まだ何かあるはず、この幸福とは違う幸福があるはず、と欲を出した結果……ですかね? それか、よく言われる「自分が本当に欲しいものをわかっていない」という状態なのでしょうか。と言ってみましたが、普段そんなことを考えて描いてません☆

――美都が「満たされない思い」を抱えていた一方、有島は最良のパートナーと結婚。それなのに、「(麗華を彼女にしたことを)本気で選んできたなって気がする」と妹に言われたことに、どこか複雑な感情を抱いています。その感情の起源はなんなのでしょうか。

いくえみ 「複雑な感情」というか、自分で気づかなかったところを妹ちゃんに教えられ、「そうなの俺!?」みたいな、普段の私のように深く考えていない人間の一瞬の焦りのつもりで描きました。多分。

――いよいよ物語が佳境に入ってきていますが、いくえみさんご自身の頭の中では、ラストに向けての構想は決まってらっしゃいますか?

いくえみ あんまり決まってません!

――この作品には、美都のように一瞬にして関係が破たんするパターンもあれば、麗華(もっといえば麗華の親夫婦)のようにパートナーの不貞に気づきながらも夫婦を続けていこうとするパターンもあり、さまざまな夫婦の形が出てきます。いくえみさんご自身は結婚をどういうものだと思われますか?

いくえみ あまり深く考えたことがないです。自分は多分しないんだろうなと思ってたけど結婚しましたが、それも深い理由があるわけでもなく、なんでしょうね? みんな、なんとなくしてるんじゃないですか? 違いますか? すみません。

「恋愛」から発生するネガティブな感情こそ、人生の醍醐味

しぃちゃん

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